【マンガ感想】
『あんどーなつ 11巻 (作:西ゆうじ、 画:テリー山本)』
あんどーなつ 江戸和菓子職人物語 11 桃の夜舟 (ビッグ コミックス)
小学館 2010-02-27 by G-Tools |
過去記事はこちら → 1巻~5巻 6巻 7巻 8巻 9巻 10巻
【あらすじ】
和菓子。味・色・香り・形はもちろん、食感や菓銘にいたるまでデザインされた“五感で味わう芸術”。その世界に、一人の女の子が迷い込んだ……江戸和菓子職人物語!!
和菓子職人を目指す女の子が主人公の作品。
タイトルが『あんどーなつ』と洋菓子名なので違和感を覚えるかもしれませんが、
それは主人公の名前が安藤奈津(あんどうなつ)だから、このタイトルなのです(笑)。
さて、本編ですが、主人公は最初から和菓子職人を目指していたわけではありません。
物語は、洋菓子職人を目指し、専門学校を卒業したところから始まります。
洋菓子専門学校での彼女の評価は『AAA』という最高評価を受けていたにもかかわらず、
採用数の少なさと、コネが優先される状況から、どこにも受かることなくガッカリしているところに、
知り合いの店に新人和菓子職人を探しに来ていた『梅吉さん』と『竹蔵さん』に主人公が出会います。
そして、この出会いから、主人公の和菓子職人としての修行が始まります。
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ここからは、11巻の感想。
11巻では、主人公・『安藤奈津』の兄弟子にあたる『丸岡竹蔵』の婿養子の話と、
主人公・『安藤奈津』を中心とした『満月堂』での様々なイベントが描かれております。
そんな11巻のメインとなるのは、やはり『大園珠子さん』が訪れてきたイベントですね。
『大園珠子さん』とは、大阪の江戸堀というところにある『えびす屋』という名の和菓子屋の奥さんでして、
大阪人らしく関西弁を流暢に操り、誰とでも仲良くなれるような非常に明るい女性です。
そんな『大園珠子さん』が『満月堂』を訪れることとなった理由は、旦那さんが亡くなってしまったことが
きっかけでして、『満月堂特有のおはぎの拵え方』を直に教えてもらうために訪れてきました。
なぜ、『満月堂特有のおはぎの拵え方』なのかというと、亡くなられた旦那さんが23年前に東京に
訪れた際に偶然食べた『満月堂』のおはぎの味を気に入り、味をそのまま盗んだからのようでして、
旦那さんは奥さんに常に「わいのおはぎは盗んだもんなんや」と言っていたそうです。
(盗んだと言っても窃盗を行ったわけではなく、味を盗んだという意味)
つまり、『旦那さんのおはぎが作りたい』→『ならば満月堂に行って教えてもらおう』という流れです(笑)。
情に厚い『満月堂』の面々は、当然、『大園珠子さん』を受け入れることとなります。
とはいえ、ただ彼女を受け入れて『おはぎの拵え方』を教えるというだけではイベントにならないので、
その『おはぎの拵え方』のイベントを、主人公・『安藤奈津』の成長イベントに繋げていきます。
具体的には、今までは主人公・『安藤奈津』自身が教わる立場だったものを、今回は逆に、
主人公・『安藤奈津』自身が教える立場にすることで、主人公に教えることの難しさを
感じさせると共に、改めて主人公に『おはぎの拵え方』を復習させ、精神力アップ・技術力アップを
狙っていく感じでして、主人公の成長が描かれていきました。
物語的には、『大園珠子さん』のことも、主人公の成長イベントも順調に話が進んでいきました。
恐らく、次巻以降は、主人公がこの経験を活かしていくイベントが描かれていくのだろうと思います。
次巻も楽しみです。
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【総評】
面白いですね(^^ゞ。
新キャラクターを登場させて、主人公の成長イベントに繋げていったのは上手かったですね。
また、『丸岡竹蔵』のイベントも描かれているわけですが、こちらは今巻で終わりなのでしょうか?
もう一波乱あっても面白いような気がするのですが・・・。
点数的には
95点
です。
では、ここまで。