【マンガ感想】
『とろける鉄工所 1巻 (野村宗弘)』
とろける鉄工所 1 (1) (イブニングKC)
野村 宗弘 講談社 2008-11-21 by G-Tools |
【あらすじ】
超ほのぼの時々デッド・オア・アライブ!!うちの旦那は目玉が焼けます(溶接で)。鉄工所を舞台にした、ハートウォーミングコメディの新境地!広島の小さな鉄工所。ワンマン社長のもとで毎日あくせく働く男たち。鉄を溶かしたりくっつけたり、ロボットの足場を作ったり、感電したり、火傷したり。そしてそれを支えたい娘と、寄り添う妻。世知辛いけどあったかい、溶接デイズへようこそ。
広島の中小鉄工所での日常を描く作品。
主人公・北さんは、『株式会社のろ鉄工』に務め始めて5年目の28歳。
若い頃はシンガーソングライターを目指していたものの、自分がオンチであることに気付き、夢を諦め、
『株式会社のろ鉄工』に就職して、溶接を中心に、あくせくと働く日々。
支えてくれる新妻のためにも、日々、頑張っています。
という感じの作品でして、小さい鉄工所で働く溶接工の男性を主人公に、
中小工場の現場での出来事をノンフィクションで描く作品です。
連載1回分が4ページで描かれるショートストーリーを、今巻には27話収録しております。
主に溶接工の仕事から、主人公・北さんと奥さんとのイベント、工場責任者・小島さんと娘さんのイベント、
新人で色々と問題を起こす吉っちゃんのイベント、そして北さんの奥さんのプライベートイベントまで、
『株式会社のろ鉄工』に関わる人々にスポットを当てた話が描かれておりまして、
『鉄工所とはこういうところだ』・『中小企業とはこういうものだ』ということが面白おかしく描かれています。
また、話の構成も非常に上手く、序盤に溶接工に関する話を中心に描くことで『溶接工の仕事』を描き、
中盤以降は、登場キャラクターの家族を登場させ、『溶接工』を支える人々の苦労を描くことで、
『溶接工の仕事』を違った視点で描くという凝った構成となっております。
これは結構重要なことでして、様々な視点から『溶接工の仕事』を読めるということは、
非常に魅力的な部分であると思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【総評】
以前、同じ職場で働いていた友人とのチャットで薦めてもらった作品です。
いわゆる、工場勤務のノンフィクション系漫画でして、内容的には非常に地味な作品ですが、
「鉄工所とはこういうものだ!」ということが丁寧に描かれているので、興味深く読む事ができました。
また、登場キャラクターも上手く掘り下げて描かれているので、ヒューマンドラマとしても楽しめますし、
欄外で担当編集者が暴走しているのも、この作品の魅力の一つであると思います。
点数的には
90点
です。
とはいえ、内容が内容だけに万人受けすることは無いと思います(^^;。
ノンフィクション系作品が好きな人ならば、大きなハズレはないと思います。
では、ここまで。