薄桜鬼・妄想小説【白雨の恋】第7話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから→





いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。



かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。


















あれから2日経って茜から文が届く。


そこには平助に対する詫びと想いが綴られていた。


「…どーすりゃいいんだよ。俺みたいなこんな青二才がどーしようもねーじゃねーか」


仰向けに寝転がる平助は天井を見上げて呟いた。




平助は何かを振り払うように、ただただ、稽古に明け暮れた。







茜が嫁ぐまであと3日となった日。


伊東、近藤との会合に顔を出し、夜も遅くなった。

月は十五夜を向かえ、夜道は月明かりでほんのり明るいものとなっていた。


『茜、月…好きだったな』
月を見上げて想う。


「…」

避けていたはずの茜の家の方向に足が向く。



『会えるわけでもないのに、俺は何がしたいんだ』

ずっと下を向きながら歩いていた。


茜の家の前でふと視線を上げる。

門の少し外れた場所に月明かりに照らされた美しい女が立っていた。



「…茜?」


「…平ちゃん?」


「良かった、会えた」
茜は確認した途端に笑顔が零れた。

茜の白い肌は月明かりで更に白く浮かび上がる。


「お前…馬鹿なことしてんじゃねーよ!」
茜の元に駆け寄り、声を上げた途端、
茜は「シッ」と声を抑えるよう口に指を置いた。


「夜こんなとこに立ってたら変な奴に攫われたり、襲われたりしたらどうするんだよ?
早く家に戻れって!」
声を抑えながら怒る平助。



「ずっと会いたかったの」
怒られているのを気にもせず嬉しそうに微笑む。

「…先生にも怒られるだろ?早く部屋行けって!」
眉間に皺を寄せて促す。


「抱っこ」

「は?」
思わず大きな声を出してしまう平助。


「部屋に戻るから抱っこして?」
上目遣いで首をかしげる。


「…俺、先生に殺されるぞ?」

「大丈夫。平ちゃん死んだら私も死ぬから」
笑顔で応える茜。

「…それ、大丈夫じゃねーし」
平助は大きな溜め息を吐いた。


茜に近づき、両の手で茜を横抱きにする。


「…軽いな。ちゃんと飯食ってんのかよ」

茜は平助の胸に頭を軽く預けた。





茜を部屋まで送り、布団に座らせる。


「…じゃあ、行くわ」
立ち上がり踵を返す。


「待って。私の話聞いてくれない?」


「…」
溜め息を吐いて、布団の横にどかっと胡坐をかいて座る。



「ありがと」
茜は微笑んだ。


「…最初平ちゃんが来てくれた時、私怒ったでしょ?嫁入りの話を受け入れてすぐだったの。

平ちゃんは京都に行って2年は経つし、新撰組だからもう会えないだろうと思ってた。
だからこんな私でも貰ってくれるって言ってくれた先生のとこに行こうって決めたの。

両親はそりゃもう大喜びだった。
こんな身体、普通はお嫁になんていけないもの。先生は嫁に来ても何もしなくていいって」

目を伏せながら言葉を紡いでいく。
その横顔をじっと見つめる平助。


「もう平ちゃんのこと諦めなきゃと思って話を受け入れて。
そしたら平ちゃん来るんだもん。
どうしたらいいのかわかんなかった。だから怒鳴りつけちゃった。ごめんね?」
平助に笑いかける。


「ずっと好きだったの。今も好き。」
口元に笑みを浮かべて瞳を見つめる。


「平ちゃん、この前…川に行ったとき、何だか…迷ってるって言ってたよね?
どれが正しいかわかんないって。
それが正解だと思う。
私達、まだ子供みたいなもんだもん。
運命みたいな流れに身を任せてもいいと思う。

でもこれだって思った時には運命に抗ってほしい。」

平助の手を取る茜。


「生き抜いてほしい。」
強く優しい瞳。


「私もね、もう腹は括ってたんだよ。
でも平ちゃんが現れてくれたから最後に甘えたかっただけ。

色々ごめんね?困らせちゃって。我が儘でヤな奴だったでしょ?」
口元に笑みは残していたものの、瞳は愁いていた。


「…そうだな、最後まですげー我が儘で、すげーヤなやつだった。」
目を伏せて溜め息を吐く。



「…でもやっぱ好きだ」
茜の目を見つめる。

「…俺サイテーだな」
また目を伏せながら自嘲する。


「そんなことない。そんなことないよ。私が…」

平助は繋がれた手をぐっと引き寄せ顔を近づける。


「俺がさ、最低な奴になるから。…お前の初めて、ちょうだい?」


「…うん。嬉しい。貰ってくれる?」
こくりと頷き笑う茜。


「初めてだよな?」

「うん、誰にもあげてない。」
どちらともなく互いを抱き寄せる。


「あ。ごめん。平ちゃんより前に先生に唇は奪われてた」

「そっか…」
軽く唇を重ねる。


「…平ちゃんは初めてじゃないんだ?」

「あー。…うん。付き合いっつーか、なんつーか…」
目線を上にあげながら、頬をぽりぽりと指で掻く。


「男の人だもんね?」
ふわりと笑う茜。

「…でも好きな奴とは初めて」
照れくさそうに呟く。



「…ごめん、な?」

「謝らないで。仕方ないでしょ?」
くすくすと笑う。



「…茜、好きだ」


「…私も平ちゃんが好き」



ゆっくりと布団に雪崩れ込み、悦びと愁いを帯びた感情は優しく溶けて滴る。

甘い吐息は夜風に抱かれ、風鈴の音と共に舞う。











「大丈夫か?」

「…うん」


「無理させちゃったな」

「平気」
茜は平助に腕枕をされて、互いを緩く抱き合う二人。


「平ちゃん」

「ん?」

「私、今が一番幸せかも」
茜が優しい笑みを浮かべ、平助は額に口付けを落とす。



「ねぇ、平ちゃん。私がまだ生きててさ。平ちゃんも新撰組でお勤め終わってさ。
おばあちゃん、おじいちゃんになったら…。
また縁側でお団子食べようね?」

「何だよ、それ」
くすりと笑う平助。

「だって、それって幼馴染の特権だと思わない?」
くりっとした大きい目が平助の顔を覗く。



「…最後の約束しよ?」

「…わかった」



互いの視線が絡み、互いの小指と小指を絡ませた。











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まぁ。。。えーっと。。。


えりょは脳内補完してくださいね?www





次の次で最終話です。



みふゆ