第1話はこちらから→★
キャラ崩壊、設定無視など、かなりのお目汚しです。
それでも宜しい方はどうぞ。
大坂までの道のりは決して近いものではない。
かなめも松本と京へ向かった時は2日かかった。
『山崎さんだけならもっと早く着くんだろうな』とかなめは思う。
山崎はと言えば何度もかなめを気遣いながら、適当なところで休ませてくれる。
「山崎さん、すみません。私がもっと早く歩ければ…」
「気にすることはない。急いて歩いても足を痛めるくらい、かなめもわかっているだろう?」
「はい…」
二人は立ち止まり、遠くに見える山々を見る。
風が二人の頬を撫でていく。
「風が気持いいな。天気が良くて良かった。
…副長からの任務とは言え、かなめと旅をしているみたいだな」
「そうですね。私も楽しいです」
二人は互いを見やり、笑う。
宿場に着く。
食事を取り、山崎が風呂に入る。
入れ換わるようにしてかなめも風呂に入る。
風呂から上がり、久しぶりに通す女物の着物にかなめは少し照れくさくなった。
部屋に戻ると山崎の姿はなかった。
『何処に…伝令が入ったとか…?』
少しすると山崎が部屋に戻ってきた。
女物の着物を着、髪を下ろしたかなめの姿に山崎は心を掴まれる。
その山崎の手には酒があった。
「その姿はかなめが屯所に初めて来た時以来だな。島原の時も綺麗だったが」
「歩くのには男装の方が楽なんですけどね」
かなめは少し苦笑いした。
山崎に女姿の自分を見ていて欲しいという思いもあった。
山崎の持つお酒に目をやる。
「お酒…ですか?明日も歩きますし、止めた方が…」
「かなめ、ここに」
「…はい」
二人は正座して向き合う。
「かなめ…お前は俺を好いてくれているか?」
「何を今更言うんです?…好いているに決まっています。」
「俺もかなめを…心底好いている」
「はい…ありがとうございます」
山崎の言葉に少し頬を染め、笑顔で応えるかなめ。
少し緊張したような面持ちの山崎が口を開く。
「…かなめ、その…夫婦に、ならないか」
「えっ…」
思ってもなかった言葉に目を丸くするかなめ。
「かなめには寂しい思いをさせてしまうし、これからも大坂に帰れば尚更心配までかけてしまうだろう。
それでも俺の気持ちを…契りにしておきたい。」
『この目が好き』
揺るぎない強さとかなめへの愛情を携えた目を見てかなめは思う。
「だが…。明日以降、俺はかなめと離れてしまう。明後日俺が死んでしまったら、それきりだ。
…それでもいいという覚悟を持ってくれているなら…」
「…はい…勿論です…」
応えるかなめの目からは一筋の涙が溢れ出る。
「…泣いてしまうのだな」
小さく息を吐く山崎。
口元には笑みを携えていた。
「嬉しいのです…。…こんな私でよろしいのですか?」
かなめはそっと微笑む。
「かなめ以外誰がいるというんだ。
かなめの方こそ俺でいいのか?…辛い思いをするぞ」
「確かにお傍にいれないのは淋しいです。
でも…傍にいることだけが夫婦とは思いません。想いが常に山崎さんと共にあること。
…例え離れていても、私は山崎さんをずっと待っています。」
一生懸命自分の気持ちを伝えようと言葉を紡いでいる愛しいかなめの姿に
『かなめと出会って良かった』と山崎は心底思った。
「ありがとう。長く待たせることもあるが、俺は必ずかなめの元に帰る」
目頭が熱くなるのを必死で堪えて、山崎は酒に目を落とした。
「…酒を買ってきた」
「三三九度…ですか?」
「形だけでもしておかないと何だか気になってしまうと思ってな」
盃を持つ山崎に少しの酒を注ぐ。
山崎は一瞬かなめを見、酒を口に含む。
小さく喉が鳴る。
かなめは山崎から盃を受け取り、その盃を見つめてから山崎を見る。
山崎が優しくかなめを見つめていた。
かなめは緊張で少し手が震えた。
小さく息を吐く。
盃に口をつけ、くっと飲み干す。
「何だか…緊張しちゃいました」
かなめは恥ずかしそうに笑った。
「かなめ」
山崎の手がかなめを求め、かなめは山崎に寄り添う。
「かなめ、ありがとう。かなめ…俺の名を呼んでくれないか」
「烝…さん…?」
「…何だかくすぐったい気分になるな」
山崎はかなめを抱き寄せ、首に顔を埋めた。
「明日以降かなめに会えないと思うと狂ってしまいそうだ…」
かなめの耳元で囁いた。
「烝さん」
呼び掛けに山崎はかなめを見やる。
「…会えます。会いに来て下さるんですよね?烝さん」
「ああ、約束する。しばらく会えないだけだ。
可愛いかなめに毎日会えないのが寂しいだけだ」
少し困ったような、泣いてしまいそうな顔をした山崎がそこにいた。
「烝さん…」
「愛している、かなめ」
「私も…愛してます…」
深い、深い口付け。
二人は布団に雪崩れていく。
「かなめ、俺の全てをかなめに刻み付けたい。かなめも俺に全てを刻み付けてくれ」
「…はい。…烝さんにかなめを捧げます」
二人は互いを貪っていく。
最後かもしれない求め合い。
互いの熱が互いを高めていく。
「かなめ、屯所じゃないんだ。声を…声を聞かせてくれ」
「…は…い。…あぁっ!!」
「もっと…もっと、啼いてくれ」
「ぃやぁっ!…あ、あ、あぁあああっ!」
「かなめ、愛してる…」
「私も…愛…してます…。んあぁ!」
「も…だめ…!…こわれ…ます…」
「…壊れて…しまえば…いい…」
自分の腕の中で乱れ果てるかなめに山崎はありったけの自分を注ぎ込んだ。
「すまない。無理をさせた…」
山崎は腕の中で呼吸を整えるかなめの髪を撫でる。
「…ホントです。明日歩けなかったらどうするんですか?」
かなめが上目遣いで山崎を見る。
「俺が島原の時のようにかなめをおぶさればいいだけだろう?」
山崎が微笑む。
「…このまま、京に戻るか」
山崎を見つめる目に涙が潤みだす。
「…すまない。言ってはいけない言葉だった」
山崎は震えるかなめを強く抱きしめ、瞼に口付けを落とした。
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書きました。書きましたよっ!!
…初夜なのに、雑とか言わないで・°・(ノД`)・°・
1時間ではこれが限界ですm(_ _ )m
えーっと、色々脳内補完してやってくださいね。
文章では短いけど、ね。
話、延びてます。
あと何話になるんかな。
…エリョ…(遠い目)
みふゆ