薄桜鬼・妄想小説【空が鳴っている】第18話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから→






キャラ崩壊、設定無視など、かなりのお目汚しです。


この話はいつもより増して「会話劇」になってます;



それでも宜しい方はどうぞ。


















大坂に戻る日の朝。

かなめは広間で食事をとり、準備をを整えてから土方の部屋に向かった。


「近藤さんがいなくてすまない。かなめ、お前には随分と隊士たちが世話になったな。
新撰組を代表して礼を言う。」
土方が真っ直ぐにかなめを見やる。

「そんな…私はただ自分がやれることをやっていただけです」
かなめは少し照れたように目を伏せた。

「本当は引き止めたいところだが…情勢が刻一刻と変わっている時にお前を守ってやれる保証はねぇ。

また状況が良くなれば松本先生にお願いしようと思ってる。」

「有難いお言葉、身に余る思いです」
かなめは深く頭を下げる。

「元気でな。松本先生にもまた礼状を出す。宜しく伝えてくれ」
口元にフッと笑みが溢れた。

「はい。土方さんも無理はしないでくださいね?」

「てめぇに心配されるほど、落ちぶれちゃいねーよ」

互いに見合い、笑う。









土方の部屋を出て、廊下を歩いていると後ろから声をかけられた。


「かなめ!」

「平助くん、永倉さんも」

「もういっちまうのか?」

「はい」
口元に少し笑みを浮かべて頷く。

「寂しくなるなぁ…」
藤堂は小さく溜め息をついた。

「大丈夫、またきっと会えるから」
かなめは藤堂に笑顔を向ける。

「そうだな、また会えたら呑みに行こうぜ」
永倉はかなめの頭をガシガシと撫でる。

「そうですね。またお酌させてください」
かなめは笑顔で応える。

「本当にお二人ともありがとうございました」
かなめが頭を下げる。

「そんな改まって礼なんていいって」
藤堂が少し慌てたように言葉を零す。

「平助くんも身体気をつけて。無理しないようにね。永倉さんは…大丈夫だと思いますけど」

「おいおい、かなめちゃん。酷くないか、それ」
不服そうな永倉。

「ごめんなさい。永倉さんも気をつけて。」
永倉に笑顔をむける。

「ああ、ありがとな」
永倉も笑顔で応える。


『こんな会話をしていたら本当に名残惜しくなる』
かなめは心底そう思った。










廊下の角に差し掛かった時に原田と向かい合う。


「おお、かなめ。ここにいたのか」

「原田さん」

「千鶴が泣きそうな顔で探してたぜ?」

「ありがとうございます。…原田さんにも色々気を遣って頂いてありがとうございました」
原田に頭を下げる。

「礼なんていい。礼を言うのはこっちの方だ。ありがとな。また団子屋でも行こうぜ」
茶目っ気のある顔でかなめを見る。

「ふふ。そうですね」

「かなめ、お前最近女らしくなったな」

「へ?ぃや、そんなことは…」
目を丸くして視線をそらしたかなめ。

「幸せになれよ?どんなことがあっても強い女であれ。男ってのはそんな女のところに戻ってくるんだ」
かなめの頭にポンと手を置き、笑う原田。

「…頑張ります」
かなめは照れくさそうに呟いた。

「さ、千鶴のとこ行ってやれ」

「そうですね。原田さん、また…会いましょうね?」
口元に笑みを零しながら原田に問う。

「そうだな。お前が笑ってるなら会えるかもな」

「はい!」
原田に頭を下げ、かなめは千鶴を探しに足を早めた。












千鶴を探していると、泣きながら立ち尽くしてる千鶴とその横には斎藤がいた。

「千鶴ちゃん?」

「かなめさん!」
千鶴がかなめの元に駆け寄り、かなめに抱きつく。

「良かった!私もう帰られたのかと…」

「ごめんね、先に土方さんとか他の幹部の方と挨拶してて」
自分のために泣いてくれている千鶴に、
かなめは嬉しくて口元に笑みを浮かべた。

「お会いできてよかったです」

「私がこんな可愛い千鶴ちゃんに挨拶無しで帰るわけないやん?」

互いに笑い、かなめは千鶴の手を取る。

「千鶴ちゃん、本当にありがとう。千鶴ちゃんも色々大変やろけど、頑張ってな。
まぁ、千鶴ちゃんには斎藤さんがおるから大丈夫やと思うけど?」

「えっ!あの…その…」

頬を染めた千鶴が斎藤を見ると斎藤は顔をそらして片手で顔を覆っていた。

「斎藤さんも色々とありがとうございました」
斎藤の方に向き、頭を下げる。

「こちらこそ礼を言う。松本先生にも宜しく伝えてくれ」

「はい」
斎藤の言葉に笑顔で応える。

「千鶴ちゃん、元気で。千鶴ちゃんみたいな娘は幸せにならなあかんよ?
斎藤さん、お願いしますね?」

「ああ。」
そこには優しい笑みを浮かべた斎藤がいた。













『あとは沖田さん…か』

沖田の部屋に向かう。



「かなめ?」
振り返ると山崎が柱の影にいた。

「山崎さん」

「もう幹部への挨拶はすんだか?」

「あとは沖田さんだけです」

「…俺も行く」
その言い草にかなめはくすっと笑ってしまった。






「もう行くんだね」
沖田は上体を起こしてかなめを迎えた。

「はい…、お世話になりました。ありがとうございました」
かなめは頭をさげる。

「僕の方こそ、ありがとう。かなめちゃんがいてくれてよかった。また僕に会いに来てね。
山崎君に飽きたらいつでも僕のところにおいで?」
沖田はかなめに優しい笑みを向ける。

かなめはちらりと山崎を見やり、
「そうします」
沖田に笑顔で応えた。

「なっ…!」
山崎は目を開いた。

「でも山崎さんに飽きることはないと思うので、期待しないでくださいね?」
首をかしげて口に笑みを零した。

声を出して笑う沖田がそこにいた。
「かなめちゃんには負けちゃうなぁ。ね、山崎君」
山崎は応えない。


「…。…どうかお身体は大事にしてください」
スッと笑顔が消え、懇願するようにかなめは沖田に伝える。

「ありがとう」
沖田は目を伏せ、口に笑みを浮かべながら応えた。




沖田の部屋を出て、廊下を歩く二人。

「かなめ…、さっきの話、冗談にも程があるぞ」
山崎が呆れたように声を出す。

「私を信じていただけませんか?」
口元に笑みを携えて上目遣いで山崎を見る。

「…まったく、かなめには敵わないな」
山崎はくっと笑った。













荷物を取り、玄関に向かう途中に数人の平隊士たちがいた。

「今日、大坂に帰られると聞いたので…。唐沢さんのお陰で怪我も治りましたし、体調も以前より良くなったと思います。
お世話になりました。ありがとうございました。」
各々がかなめに感謝の意を伝えていく。

「こちらこそありがとうございました。皆さん、身体に気をつけてご自愛ください。
命を粗末にすることは許しませんからね」
ひとりひとり目を合わせながら、かなめも隊士たちに最後の言葉を伝えていく。



玄関前でも平隊士たちがかなめに礼を伝えていく。

『これがかなめの人徳か』
そのやりとりに山崎は優しい視線を送っていた。











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「かなめは幹部たちに挨拶を済ませ、大坂へと旅立った」

で終わってしまっても良かった話ですがwww


幹部とのやり取りを描きたかったので、1話分にしましたw


エリョ効果でアクセス数アップw

700後半。

ありがとうございます!m(__)m





みふゆ