薄桜鬼・妄想小説【空が鳴っている】第17話(12.3.10追記あり) | 浅葱色の空の下。

浅葱色の空の下。

薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

【12.3.10追記】


今、フォレストでこの「空が鳴っている」を表現など地味に変えたりしながらあげているのですが(一日1Pくらいのペースで)、

『そういえばザッキと土方さんのやりとりが殆どなかったかな』と思い、

がっつりと追記しました。



この時の自分と今の自分は選ぶ言葉も違うので、
どうしてもそこだけ浮くような気もしたので躊躇いましたが、

ザッキの最期の時の土方さんの台詞がもっと生きるようにと思い追加しました。


もうね、最近一人称でしか書いてなかったので、

頭が3人称にならないの!www

一人で夜中に苦しんでましたw


若干、一人称の名残がありますが。。。;



フォレストでは分けたお話なのですが、
アメブロでわけるとなるとまたややこしいので、
そのまま追記しました。


この回はいつもより長いお話となりますこと、ご了承くださいm(_ _ )m



名前変換で読みたい方はこちらから → (フォレストへリンク)



そのまま読まれたい方は下記へお進みください。



久々にザッキとかなめちゃんをお楽しみいただければ幸いです(*^▽^*)






▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲








設定についてはこちらをご覧下さい→


第1話はこちらから→






キャラ崩壊、設定無視など、かなりのお目汚しです。


それでも宜しい方はどうぞ。



















大坂に帰る前日。



怪我などの隊士も部屋に戻った医務所。

かなめは丁寧に隅々まで掃除をしていた。


その掃除も終わりに近づいた頃。



「かなめちゃん、いる?」

「…沖田さん?」

障子戸を開けるとそこには沖田の姿があった。


「何してるんですか、部屋で休んでないと…」


「やだなぁ、土方さんみたいに本当に過保護になっちゃって。それとも誰かさんに似てきたの?」

口角を上げる沖田。


「何か御用でしたか?」


「ううん、鍼は昨日やってもらったし。かなめちゃんに会いにきただけ」


「そうですか」


「庭でも見ながら話しない?」


二人は縁側に腰を下ろす。

見下ろす空は眩しかった。


「明日、大坂に帰っちゃうんでしょ?」


「はい。色々とありがとうございました」


「僕の方こそ色々とありがとう。でね、お礼ってわけでもないんだけど」


沖田は袂から小さな袋を出して中身を手の中にころんと出す。


「これ、一緒に食べない?」


「わ。金平糖ですね。私も一緒に頂いて良いんですか?」


「勿論。君と食べたかったんだ」


「ふふ。ありがとうございます」


ひとつ口に運ぶ。


「あ、甘ーい。美味しいですね」

その笑顔を見てから沖田も自分の口にひとつ運ぶ。


「うん、美味しいね」



かなめは庭を眺めながら金平糖を楽しんでいる。

ふわりと風がかなめの髪を揺らす。



「…幸せそうだね?」

「ふふふ。こんな美味しい金平糖食べられて幸せです」

沖田に向けて笑顔を零す。


「かなめちゃんってさ。単純だよね」

小さなため息と共に呟く。


「美味しいものは美味しいですから」


「そのくせ人の気持ちを見てるようで見てないよね」

沖田の言葉にかなめは眉を上げて見つめる。



「僕がかなめちゃんのことが好きってこと、わかってる?」

「…」

かなめはその視線を避けるように庭に目線を向ける。


「…僕が今から君を連れて逃げても、彼はきっとやってくるんだろうね」

沖田は自嘲しながら、かなめと同じように目線を庭に向ける。


「僕が土方さんに頼めばもう少しいてくれたりするのかなぁ…」




少しの沈黙が訪れて、かなめが口を開く。


「…沖田さん。私と一緒にいたいなら…大坂に来ますか?」

かなめは庭を眺めたまま沖田に問いかける。


「…行かないよ。僕は人を斬るのが仕事だから…ね」


「じゃあ、私を連れて逃げれませんね?」

かなめは沖田に視線を向けて、口元に笑みを浮かべた。


「…そう、みたいだね」

そのかなめの顔を見て目を伏せて口角を上げた。




「…かなめちゃんと話してると悔しくなるのは何でかな?」


「沖田さんが私に優しいからじゃないですか?」


「そう?あの夜の僕の行為をなかったことにしようってしてる君に僕は悔しいんだと思う。
それに僕がこんなに腹立たしいのは、最近勝手に綺麗になっちゃった君のせいじゃない?」

かなめは沖田の言葉に目を丸くした後、俯いた。



風が庭の木々の葉を揺らしながらそよぐ。



「…金平糖、これが最後の1個だよ。かなめちゃんにあげる」


「…いいんですか…?」

沖田はかなめに顔を近づけ、自身の口に金平糖を入れた。


「あっ!…っ!!!」

沖田はかなめの口を塞いで金平糖をコロンとひとつ口移した。



「…甘いね」

呟いた沖田は名残惜しげに、かなめの唇に口付けを落とす。


みるみる顔の赤くなるかなめを流し目でクスリと笑いながら立ち去っていった。





縁側から医務所に戻ったかなめは小さなため息をついて呟いた。


「…怒られるなぁ」












夜。


その日の任務が終わり、山崎は土方のいる部屋へと向かう。






「副長、山崎です」


「入れ」

忍装束で現れた山崎が部屋へと足を進めれば、土方は筆を置き、山崎に向き合う。



「ご苦労だったな」


「いえ、任務ですので」

座る山崎を土方がねぎらえば、静かに返ってくる声。



山崎は淡々と今日の偵察内容を報告する。




「…以上となります。先程からは島田くんが代わりに偵察をしております」


「わかった。ご苦労」


「失礼します」

土方に頭を下げる。




「山崎」

立ち上がろうとする山崎に声をかける。


「はい、何か引っかかる点でもございましたか?」

再び向き合い、土方に問いかける。

その問いかけにふっと口元に笑みを浮かべた土方。



「ちげぇよ。明日、かなめを送っていくんだろ?」


「はい、任務の変更などお気遣いいただき、ありがとうございます」

軽く頭を下げる山崎に言葉を投げかける。



「…いいのか?」


「…何を、ですか?」

少し見開かれた目が土方を見つめる。


「このまま、かなめを大坂に返しちまっていいのかって聞いてんだ」


「それは…。俺が判断するのは身に余ります」

視線を逸らし、少し目を泳がせながら応える山崎。



「はっ。そうかよ。あんないい女そうそういるもんじゃねぇぞ?」


「…腹は決めています」

土方が口角を上げれば、誠実な瞳が土方を捕らえた。


「そうか…。随分と惚れてんだな。ならいい。お前らなら大丈夫だろ。
また事が済めば派手に祝ってやるよ」

目を伏せた土方は一つ息を吐いて、山崎を再び見据えにやりと笑った。


「いえ!そこまでは…」

土方の言葉に、幹部に祝われるのを想像し、小さく身震いした山崎は首を横に振った。


「随分と殊勝なこった。お前らしいな。…幸せにしてやれよ?」


「はい」

向けられた優しい眼差しを受け、山崎は誠意を持って短く応えた。

清々しさに溢れる面持ちを見、土方もまた心から二人の幸せを願った。



「時間とらせたな。すまなかった」


「いえ、お気遣い感謝いたします。失礼します」

土方に深々と頭を下げ、山崎は部屋を後にした。





自分は新撰組に身を置く立場。

かなめを悲しませることの方が多いだろう。

それでも心は共に在りたいと願う山崎。




闇の中に浮かぶ月。



忍装束を纏う自分は闇であり、それを照らしてくれた月がかなめだとしみじみと感じる。


雲のない夜空に『明日は晴れだな』と口元に笑みを浮かべた山崎。


月を視界に入れながらもかなめの待つ部屋へと足を向けた。












床に入る準備をしていると、すっと障子戸が開く。


「山崎さん…。おかえりなさい」

かなめが笑顔で迎える。

「ああ、ただいま」

忍装束の山崎は優しい目を向ける。


「…山崎さんにおかえりなさいと言えるのも今日が最後となりますね…」

寂しそうに言葉を零すかなめ。

「…そう…だな」

山崎はそっとかなめを抱きしめる。



かなめが山崎の口付けを迎えようとしたときに山崎が口を開いた。


「かなめ。…何があった」

まっすぐかなめを見つめる目。

「へ?いえ、何も…」

思わずかなめは目をそらしてしまった。


「あの人か」

小さなため息と共に呟いた。


「え?ちょっ、山崎さん何処に行くんですか?!」

「あの人のとこだ」

「止めてください!…ちゃんと言いますから!」

歩き出した山崎の腕を引っ張りながらかなめは訴えた。





着替えた山崎とかなめは正座で向かい合わせに座る。



「で。何があった」

後ろめたさがあるからか、いつもより冷たく感じる声と目がそこにあった。


「沖田さんが金平糖を下さったので、一緒に食べていて…。…口付けをされました」

山崎の目を見つめながらかなめは話す。



「…それだけか」


「…それだけです」


山崎は深く長いため息をついた。


「わかった。よし、寝よう」

いつもの優しい声に戻る。


「…怒らないんですか?」

意外な言葉に驚きながらかなめが問う。


「明日はかなめを大坂に送るんだ。怒るより早く休むことに越したことはないだろう?」

かなめに優しい目を向ける。


「そう…ですか」


「…怒ってほしかったのか?」


「そんなことは…!」

山崎はぐっとかなめを引き寄せ、口を塞いだ。




深く長い口付け。




「…山崎さん、早く休むんじゃ…ないんですか?」

ようやく口を開放されたかなめは既に布団に縫い付けられていた。


「消毒はしなきゃいけないだろう?…癪に障る」


山崎はくっと笑ってかなめの首元に顔を埋めていった。


かなめは半ば諦めたように小さく息を吐いた。





次第に熱を帯び始めた部屋には


重なり合う男女と


漏れる甘い吐息と


滴る雫に


想いが絡む音。




山崎は愛おしいかなめを見つめながら、
身体に自身を刻み込むように想いを注いだ。










◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇










えーっと。

このお話、昨日急遽書きました。


総司さんが「帰る前に僕と絡ませろ」というので絡ませたら大暴れ。


ザッキも怒って大暴れ。


大変でした。。。( ̄ー ̄;



ん~。でも最終的には総司さんの想いもかなめちゃんにぶつけれましたし、
良かったかなとは思ってます。



かなめちゃん、良いコなんでしょうか?

総司さんを嫌いにはなれないんでしょうね。




…アップ直前にも総司さん大暴れ。

エリョに持ち込もうとしてたので
ご遠慮頂きました(-_-メ)







みふゆ