弁護士だってワーキングプア・・・は早過ぎた? | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 2008年頃、つまり、6年程前に作ったパンフが、この『弁護士だってワーキングプア』です。
 今では、「貧乏士族」と経済誌で指摘されたり、不祥事増加の問題が取り上げられたり、東大法学部定員割れ、とかで、すっかり、弁護士の貧困は常識ですが、2008年頃は、まだまだ、先駆的な指摘だったのかもしれません。

 ちなみに、その頃、富山大学の新入生歓迎企画として学生に招待されたときのお題は、この「弁護士だってワーキングプア」。結局、大学当局には歓迎されていなくて、プラカードで「森川文人は退去せよ」って名指しで追い出されてしまったわけですが、その時、話そうとした早過ぎた「危険思想」が「弁護士だってワーキングプア」という今日(こんにち)を予言した話だったというわけです。大学当局は、そんなこと学生に話して欲しくなかった、ということかしら?

 とにもかくにも、今や、弁護士だってワーキングプア、です。働けど、働けど、借金の返済に追われながらプアな生活を送っている、平均年齢は30代の職業。この14年間で弁護士の数は2倍にふくれあがりました。

 これが「司法改革」の狙いです。弁護士だってワーキングプアに陥れ、99%の民衆同様、ただただ、あくせく目の前の仕事に追われていればいい、という状態にしてしまうこと、です。人権?余裕のある奴にまかせるよ、って状況作りです。

 司法改革の「失敗」でも、「計算違い」でも、「結果」でもなく、「狙い通り」なのです。それが新自由主義としての日本の構造改革路線です。

 まあ、そういうこと。みんなと同じなんだからかいいか。な~んて、朝日新聞なんか、司法改革=弁護士増員キャンペーンを張っていましたけどね、政府と並んで。

 日弁連も推進・翼賛してきました。結果、今更、反対なんて「どの口が言う」という批判を政府側から言われてしまうそうです(二弁の会長曰く)。

 2008年の『弁護士だってワーキングプア』は、それでも、多くの弁護士に配布しました。早過ぎたかな?納得してもらえなかったかな? ともかく、先を正確に分析して、発表・警告するのも弁護士の大事な資質であり、役割だと思います。