10代の終わりから、一人暮らしに憧れていました。
好きなように部屋を飾れるし、お風呂は急いで入らなくても良いし、
遅くまで寝ていても何も言われないし・・・。
あ~一人暮らし、なんて自由なんでしょう♪
と思いながら、憧れの生活に妄想を抱いていました。
しかし、憧れの一人暮らしの生活は、母が亡くなったことで、
強制的に始まったのです。
その一人暮らしも、今年で11年目。
そして、この11年間は、ひとりで食事をすることが多かったです。
「ひとりで食事・・・さみしい」 ですよね。
「美味しいね~」って言える相手もいないしね。
なんだか、気持ちも沈むような気がする・・・・。
と、思っていました。
なぜなら、こういう風に周りに言われていたし、
そう言われることが「ふつう」だと思い込んでいたからです。
ある時、とても落ち込んでいた日の事です。
たまたま手にした雑誌に載っていたレシピを作ってみました。
セップ茸という高級シイタケのパスタ。
セップをソテーして、フォンドヴォーをくわえ、
そして、最後にミントとレモン汁を加える。
出来上がり、「いただきます」とチカラらなく手を合わせて、
一口ゆっくりと口に運び味を確かめる。
そうしたらね、
グワーッと、足の底から美味しさが押し寄せたんです。
「お、おいしい~」
その美味しさは、胸のあたりを通り抜けて肩を震わせた。
涙が出ました。
美味しすぎて。
その時に思ったんですよね、
「悲しい時にも、おいしい、と感じられるココロがあることの喜び」
そして、この時に、
「ひとりだって、美味しいものは美味しいし、楽しまないと損やん」
孤食の時代
一人の食事が寂しい・悲しい・ココロがすさむ~
なんていわれますが、
「それってホントウ?」という気持ちになります。
なぜなら、わたしは「ひとりの食事」の良さを知っているから。
その時間を味わい尽くしたから。
「ひとり」って、どうしてもマイナスなイメージがあります。
そして、そこから抜け出そうとして、人を求めることもある。
だけどね、「ひとりがいやだ」という所から何かを始めても、
結局そこからは抜け出せないんですよね。
だから、抜け出そうとするのではなく、味わい尽くすのです。
味わい尽くしたらね、
「あ~もう、お腹いっぱい」ってなりますから。
満腹になるまで、食べつくせばいいんですよ。
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