側弯症~装具は本当に効果があるの??~ | 理学療法士~physical therapist~HIROのブログ

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日々臨床現場に立ち、大学院で研究活動に励む理学療法士(physical therapist)が関節外科やスポーツ医学、リハビリテーションについて最新の技術や報告などを紹介していきます。このBlogからソーシャルネットワークが広がれば良いなと思っています。

こんにちわ!!

立て続けに更新してます。

側弯症についてを更新したいと思います。

側弯症とは背骨が左右に曲がりながら、ひどい側弯症だと捻りが加わったものです。
下の写真は側弯症のレントゲン写真です。

理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-側弯症2


$理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-側弯症3



側弯症とは、、、様々な原因があります。

大きく分けて以下の2つあります。

①機能的側弯症→不良姿勢や脚の長さの違いによるものです。これは一時的なものです。

②構築性側弯症→神経性や筋性、腫瘍性、外傷性、特発性などが挙げられます。これは病気としての側弯症となります。

診断方法や画像診断方法などは今後紹介いたします!!!よって難しい用語などがあると思いますがご了承ください!!


側弯症は重度なものになると大きな装具を装着します。その装具は果たして効果はあるのか??そんな疑問に答える研究結果を紹介します。

『THE JOURNAL OF BONE AND JOINT SURGERY』という非常に信頼性の高いジャーナルに投稿されている論文です。

題:『Brace Wear Control of Curve Progression in Adolescent Idiopathic Scoliosis』
(思春期特発性側彎症における装具装着による側弯進行の抑制)


(The Journal of Bone and Joint Surgery (American). 2010;92:1343-1352.)


この論文は装具装着時間の長さと側弯進行の抑制との間に相関関係があるかどうかを検討した研究です。

方法:Cobb角25~45°の思春期特発性側弯症患児100例に対し、装着時間を正確に測定できる熱センサー付きのBoston Brace治療を行う前向き研究を行いました。

Boston Braceとは下の写真です。

理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-Boston Brace2


理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-Boston Brace4


理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-Boston Brace3


理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-Boston Brace1



結果:装具装着時間と側弯進行の抑制との間には有意差が認められました。(装具装着は側弯の進行を抑制する効果があるという結果です)
また、この効果が認められたのはRisser stageが0ないし1、治療開始時にY軟骨閉鎖していない児童であることが分かりました。

そして、装具装着時間が長くなるほど側弯進行が抑制されるという相関関係も確認されました。

装具装着は学校登校時および下校時の装着が最も効果があることも報告されています。

詳しい結果は1日あたりの装具装着時間が12時間以上であった児童の82%は側弯の進行が認められなかったのに対し、7時間未満の装具装着時間の児童は31%にとどまった。

また、装具装着時間は手術の必要性とも逆相関関係を示したと報告しています。(これは、装具装着時間が長いと手術の必要性が出てくることも抑制できるということです)

この論文内では16時間あるいは23時間の装着指示があっても実際の装着時間は同程度の装着時間であったという結果も述べられています。(言い換えると、長時間の装着指示があっても結局のところ長時間は装着していなかったという結果です)



下の図は研究データの図です!!

理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-側弯症データ2


理学療法士~physical therapist~HIROのブログ-側弯症データ1



下のURLは論文の要旨です。

http://www.ejbjs.org/cgi/content/abstract/92/6/1343



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