住まいの介護プラン作りにケアマネさんに会いに行く(後篇) | はちまんMatsuiコラム

はちまんMatsuiコラム

一級建築士・一級瓦葺き技能士・宅建士・歴史研究 松井秀夫

ID:yqy414

松井秀夫のブログでセミナ


住まいの介護プラン作りにケアマネさんに会いに行く(後篇)

滋賀県 近江八幡市 東近江市 安土町 マツイホウム 一級建築士日記  ペタしてね

(昨日からのつづき)

http://ameblo.jp/matsui0816/entry-10502035512.html


最近増えて来ています、介護を目的とした


新築やリフォームを計画する場合には、要介護者


ケアマネージャーさんにも相談あるいは意見を


求める、という事が大事なんですね。


ただ、ケアマネージャーさんは介護の専門の方で


建築の専門ではありませんから、出来るだけ


見やすい、プラン計画図やキャドの内観パースの


3D(立体)の図面などをお持ちする様にしています


特に今回の経験豊富なケアマネージャーさんの様


な方ですと、


介護に関します建築設計のプランや内容が


ケアマネージャーさんが話される


事でより理解頂ける事があります。


今回のプラン作りにおきまして、私は介護を


実際に経験しておりますので、その経験


から、車イスでの移動や、車への乗り降りなどでは


やはり、天候の考えたり、ローカの幅を広く取る様に


など計画いたします。


特に外部からの出入り口から部屋に行くローカなど


を車イスの回転など考え幅を2m近く取ります。


するとお客さんから・・・どうしてローカの幅をそんな


広く取るのですか?と聞かれるわけです。


私は経験上から申し上げるのですが、お客様から


するとそこまで必要なんだろうか、と思われるのです


しかし、介護者の担当のケアマネさんが図面を見られ


ローカはこれくらい幅が必要ですね、車を横付けにして


雨風を考えているし、部屋までの移動も良く考えられ


てますね・・・などと、良いプランだと所見を言われ


ますと、お客さんのお顔がもう喜んでいるんですね。


さすがに分野は違ってもプロ同士はすごいなあって


思われるんでしょう。


ですから、お客様がより納得される事は本当に良い


事ですので、有り難い事でした


それから、お客様の為に申しあげているのですが、


業者が言いますと素直にそう取って頂きにくい事が


あります。


その一つが手すりなどの取り付けなんです。


手すりなど、早くから付けておかないといけない!


という観念をお持ちの方が多いのですね。


私の母もメニュエール氏病の様な目まいがする人


でしたので、目まいがしますと手すりを持っていても


手すりを持ったまま、倒れて肩の骨を骨折したり


しています。


つまり、その方の状態で手すりがあっても効果が


得られないという事もあるのです。


ですから、要介護の対処法はやはり介護者の


体の状態や介護の進行内容によって計画する姿勢


が大事なんです、場合によっては手すりを付けると


狭くなって車イスが動きにくくなる事もありますので


最初から絶対に付けないといけないものでは


ないのですが・・・・


でも、この事を建築関係者が言いますと、中には


最初からキチンとやっておこう、と思っておられる


お客様のお気持ちに水を差す様な事を言うと


とられる様な事になる場合があるわけなんです

要はお客様の為と思って申し上げてる事が


工事を増やす為に言ってるという風に違って

とられる事がイヤなわけなんです。


勿論そんな事を察してはおられないと思いますが


ケアマネージャーさんが手すりなどは最初から


付けない方が良いんですよ・・・?なんて


話をされ始めるんですね、立場は違いますから


ケアマネさんは介護保険をうまく使って頂きたいと


言う立場から話されるのですが、介護保険では


手すりなどの取り付け費用が1割負担で付けられる


わけです、ですから後からリフォームでやった方が


制度が利用できるので得なんです、という事や


今の住宅エコポイントでもエコリフォームすれば

.

バリアフリー改修の手すりを付けたりでエコポイント


をもらう事も出来ますよという事などです。


また、ケアマネさんはご本人が背が低い事など


から、例えば、手すりの付ける位置を床から


何センチと規定があったりしても、実際の場合は


高すぎたりして、使いにくい場合がありますので


本人さんの体に合わせた位置に、後から付ける


様にした方が良いんです、とも話して下さいました


この様な、どうしても先にする必要は絶対条件

.

ではない、そんな私どもが申し上げたい事を


介護の専門の立場に立ってお話し下さいました


ので本当にうれしかったです


ですから、新築での絶対条件は、手すりが後から


付けられるように、手すりを付ける壁のところを


石工ボードで無くで、合板などで施工してビスが


効く様にしておく事なんですね


どうしても、今の介護の工事の計画では


手すりを付ける事などが最初に議論されますが


それは枝葉末節からの発想と言えるんです


まずは、介護者の生活具合(ADL)が基本になり


その基本から、手すりの取り付けや段差の事


出入り口の事などを考える、になっていくわけで


すが、予算もあるし後からというのは出来ないかも

.

何て、キチンと完璧にやっておこうというお客様の


お気持ちが介護に関しての建築計画を枝葉末節の


方から始める様に、してしまってるのかも知れません


しかしながら、ケアマネージャーさんの


利にかなったご指摘に本当に感謝しました。


最後に私の今介護4の父の事で、いつもと


同じ様にしている事の中に危険があるという


体験もお話しておりました、それは食事のときに


食べ物を詰まらせる事があったからです。


この話を致しますとケアマネージャーさんが


そうなんです、普通に同じ事をしているなかで、


フトしたことからこんな介護施設の様な中に


おいても、怪我されたりするんです


という、介護する側の難しさをお話し下さいます


そうなんです、普通の同じ事に中で事故は


起こります。


私の父の場合も食事が喉に詰まって、もう少しで


呼吸困難で危ないところでした


でも、分からないんです。どうしたと聞いても


何も返事しませんし、もしかしてと、口に指を入れ


喉から詰まったものを出したのですが、意識が


戻りませず救急に来てもらって病院でしばらく


肺に液体(汁)が入った誤嚥性肺炎という事で

.

入院して、また元気になって帰ってきましたが


やはり、配りと言いますが、状態を外から見て


おく、そんな配慮が必要になってきます。


またそれがやり易い設計プランが必要です。


そんな事をお話してますとケアマネさんが


この計画ではリビング・ダイニングから、介護者の


様子が見られませんね、ですから、この壁には


窓を付けられたらどうでしょうか・・・


何て、今まで気付かなかった事の指摘を


頂きました、いやいや有り難い事です。


更にケアマネさんが、介護の場合、本人の様子を


こちらが見てるという事が必要と言うだけではない


介護者自身もみんながどうしてるのかなあ?


という事で様子を気にしている事もあるので


介護者からも逆にリビング・ダイニングの様子が


分かるというのも必要なんです、


なるほど、ですよね!


つまり介護者と健常者でのプランの違う点の


把握と、その現実的な反映が必要なんです。


私もお客さんも聞いてて納得を感じました。


今回この様なお話をお聞きできましたお陰で


当初の何でわざわざ滋賀から伊丹まで来て


今度の新築のプラン作りにケアマネさんの話を


聞く必要があるのかなあ、とお客様は疑問に思って


おられたわけですが、


帰りの時は本当に来て良かったと、話されてました。



(昨日のブログは↓このURLをクリック

http://ameblo.jp/matsui0816/entry-10502035512.html

滋賀県 近江八幡市 東近江市 安土町 マツイホウム 一級建築士日記

帰りは、万博会場の横を通りますが、素晴らしい


桜が満開の中国道でした。


ではまた、ドキドキニコニコ 最新のブログへ⇒