Q&A720 筋肉注射vs皮下注射 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 35歳、生理不順、右卵巣チョコレート嚢胞
月経周期が26~41日とバラバラで、右卵巣にチョコレート嚢胞があるものの、卵管造影検査では通りがよく、基礎体温も2層に分かれています。クロミッドで排卵誘発をしつつ過去3回人工授精をしていずれも妊娠に至らず、今回初めてHMG注射をしながら4回目の人工授精をして現在結果待ちです。結婚して3年経ちますが、一度も着床したことがありません。あと2回くらいは人工授精に挑んでみたいという気持ちと、早く体外受精に臨んだ方がいいのではないかという気持ちで揺れています。
現在通っている病院が午前のみの総合病院のため、体外受精をするとなるとHMG注射(フジ)のために一週間ほど仕事を休むか遅刻しなくてはならず、自己注射を考えています。インターネットで調べていると、HMGは基本的には筋肉注射だけれども皮下注射でもあまり効果に違いがないという記述を見かけました。純度が高いものは皮下注射でもいいという記述もみかけましたが、私が使う予定のHMGフジがそれに当たるかどうかが分かりませんでした。主治医は筋肉注射の指導もすると言って下さっていますが、皮下注射の方がハードルが低いので、効果が変わらないのであれば皮下注射に出来ないか聞いてみようと思っています。松林先生はどのようにお考えでしょうか。

A HMGフジは、筋肉注射で投与することに薬剤の添付文書には記載されていますが、皮下注射でも同等の効果が期待できます(その他のHMG製剤も全て同じです)。そろそろ体外受精へのステップアップの時期にきていると思いますので、皮下注射の自己注射で体外受精へチャレンジしてみることをお勧め致します。