Q&A719 採卵15回、移植10回、流産1回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 33歳より男性不妊(運動率一桁代、いい時で20%あるかないか)のため顕微授精を3年間休まず続けてきました。採卵15回、移植10回。一度の流産以来全て陰性です。
転院もして、アンタゴニスト法、ショート法、クロミッド低刺激採卵といろいろ誘発方法を試して頂いておりますが、ここ半年間、受精、分割してくれません。もう手立てはありませんか。治療を諦めるべきでしょうか。

A 治療の引き出しが少ない施設では、ギブアップ宣言が出たり、行き詰まり感が出たりします。そんな時は転院の時期になります。

男性不妊の観点からは、まず泌尿器科医師による診察をしっかり受けること、IMSIにより良い精子を選択すること、場合によっては精巣精子を使用すること(射出精子より精巣精子の方がダメージを受けていない場合があります)などが考えられます。

受精、分割の観点からは、カルシウムイオノフォアによる卵子活性化、刺激法(薬剤の選択)の再検討、不育検査実施などが考えられます。

可能でしたら、一度リプロダクションクリニック大阪の外来でご相談ください。