Q&A691 50才、風邪の後にFSHが急上昇 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 50才
去年末までFSHが一桁で、毎月卵胞が自然に育っていました。今年1月にひどい鼻風邪をひき、ステロイドホルモン系の鼻スプレーで治療。その後の生理日にFSHが初めて30になり、それ以降生理がきません。先日のFSHは90、E2 21、LH 68、P4 0.23でした。卵胞は見えませんでした。
数年振りの高熱の風邪や仕事の激務の影響なのか、閉経なのか、ソフィアAを12日間服用する提案をされました。ただ、仕事も落ち着いたので何も服用せず、温かくのんびりと過ごせば、生理が再開しFSHが下がるのか1ヶ月様子をみたいのですが、楽観的過ぎますか。FSHが高い状態が続いてると、それだけで卵巣内の卵子にダメージが出るのでしょうか。

A FSHが高い状態が続くと卵子にダメージが起きるという証拠はありません。しかし、文面を読む限りでは、閉経の方向に舵が切られたような感じが致します。風邪の直接的な影響はないと思いますが、FSHを高くする何かしらのきっかけを作った可能性はあります。FSHは下げてあげさえすれば、卵胞発育のチャンスは生まれます。ただし、FSHは一度高くなってしまうと、さらに高くなるといった悪循環を生み易いです。したがって、早めに手を打つことが勧められます。その際には、ソフィアA(エストロゲン+プロゲステロン製剤)ではなく、エストロゲン製剤(単独)を使用するのが最善索です。