Q&A690 胎児が大きくなっていないので心配です | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 妊娠13週
A病院で胎児の大きさが6.80cmで、3日後にB病院で計測したところ胎児の大きさが6.82cmでした。大きくなっていないのでとても心配です。以前は4日で7mm大きくなったりと成長スピードが速くなっていたのにここに来て成長しないのはやはり問題ですか。1週間前と比べても4mmしか大きくなっていません。検査のためアスピリンを一時的にやめていたからでしょうか。

A 胎児計測は頻繁に行ってはいけないという産婦人科医の暗黙の了解があります。それは、このような余計な心配をさせてしまうからです(外国では初期、中期、後期の3回しか超音波検査をしません)。さらに今回は、超音波の機械も、みている医師(あるいは技師)も異なります。胎児の位置や向きも当然違います。伸びをしている胎児と丸まっている胎児では今の時期でも2cm程度は変わります。計測には大きな誤差があって当然です。したがって、超音波の数値を比較するなら、少なくとも1週間以上空けて、同じ医師、同じ機械で行なってください。アスピリンの云々とは別次元のものです。なお、ここでいう胎児の大きさは頭からお尻まで(CRL)を計測していますが、この妊娠週数でしたらBPD(頭の横幅)の計測の方が正確です。

心配すると、子宮内の血管が収縮し、胎児への血流が悪くなります。その方が心配です。妊娠中も出産後も、様々な不安がつきまとうでしょう。いつも大らかな気持ちで居て欲しいと思います。それが、赤ちゃんのためでもあります。信じてあげてください。