Q&A336 自然刺激vs刺激周期 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 31才、不妊治療3年、体外受精2回
1回目 ショート法、10個採卵、未熟卵2個、受精5個(体外受精2個、顕微授精3個)、胚盤胞1個
    凍結融解胚移植で陰性(着床すらしていないとのこと)
2回目 自然周期系のクリニックへ転院、クロミフェン周期、1個採卵(未熟卵)
未熟卵になる原因は何かあるのでしょうか。低刺激と刺激周期を比べると胚盤胞になる確率に有意差はあるのでしょうか。

A 未熟卵は、ある程度存在します。未熟卵の確率が、刺激周期で2/10、自然周期で1/1というのは、未熟卵が特別多いというわけではありません。卵巣の卵子は全てが良いのではなく、刺激してもしなくても、同じような確率で様々なランクの卵子が採れてきます。自然周期だから良い卵子が採れるわけではありません。2014.1.17「☆☆「良い卵子」とは?」を参照してください。

胚は発育の過程で脱落するものがあるため、目減りします。最初にたくさん卵子がないと、最後に残る「妊娠できる良い胚」が減ってしまいます。このような観点から、私は、刺激周期が可能な方には刺激周期をお勧めしています。刺激してもしなくても同じなのであれば、自然周期を選択するのが良いでしょう。2014.4.25「嬉しい報告:ブログのアドバイスで妊娠」も参考にしてください。

1回目の刺激周期も、改善策によりもう少し何とかなりそうな気が致します。