シュメール人と数学 | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

はるか五千年前、古代メソポタミアのシュメール人は、
算術を知っており、畑の面積や大麦の種を計ることができました。

貝のコンパスや計測器、

目盛りのついた定規

なども用いていました。

 


彼らは四千年前頃から、60進法を使うようになりました。

60進法というと想像しにくいかもしれませんが、

1時間=60分
1分=60秒


身近なところに、メソポタミアの名残があります。

私たちは10進法で慣れていますが、10は3や4で割り切れません。
60は、2,3,4,5,6などで割り切れるので扱いやすい数なのです。

 

 

 


彼らは1年を


30日×12=360日


と定めました。
月の満ち欠けが約29日半であることから、
1年を30日周期で区切ることが有効であったと考えられます。
 

 

 


1日より長く1ヶ月より短い日にちの単位として、
彼らは月の満ち欠けから、7日をひとかたまりとしました。
これが1週間の始まりです。

彼らは1日を12分割して時間を定めました。
それがやがて24分割となり、
現代の1日24時間につながります。


シュメール人は円の角度を360度と定めました。

彼らは、ルート2を高い精度で計算していました。
彼らの用いていたルート2は、

1.41421296・・・

 

正確な値は、

1.41421356・・・

ですから、6ケタまで正しい値となっています。

 


シュメール人は星座の原型を作ったともいわれています。
以下は、彼らの伝承です。

恒星全体は 「天の羊の群れ」

太陽は 「老いた羊」

惑星は 「老いた羊の星」

星には皆羊飼いがいる。
ジブジアナという明るい星は 「天の羊の群れの羊飼い」

 

 

これまでみてきたようにシュメール人は、
1年や1ヶ月、1週間、時間、角度、星座など、

現代の私たちにつながる数学や天文学をもっていました。

 

私たちの身の回りのものが、はるか五千年前に作られていた

というのはなんとも不思議な気持ちになります。

 

 

 

 

◆ 数の世界の数学的な広がりについては、

  私の本 『数の世界』 をご覧ください。

 

 

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 『数の世界』 では、

自然数から実数、複素数、四元数、八元数への「数の広がり」

について、数学的に詳しく書かれています。

 

 

◆ 数のひろがりに興味はある方は、次のコラムもご覧ください。

   広がりゆく数の世界

 

 

◆ 算数・数学コラムの一覧は、次をご覧ください。

   算数・数学コラムの一覧

 

 

 

【執筆者】

 

 

松岡 学

 

数学者、博士 (学術)

高知工科大学 准教授

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

『キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス』CLAP。

 

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