4次元の球をイメージする ~ 4次元の数学 ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

私たちは、「縦、横、高さ」 のある3次元の世界に住んでいるので、
4次元以上の世界は想像できません。


それゆえに、
4次元という言葉にはミステリアスな響きがあります。

では、


4次元はどんな世界なんでしょうか?


今回は、数学的な視点から
4次元について考えてみたいと思います。

最初からいきなり4次元は想像しにくいので、


「2次元から3次元を想像する方法」

 

を考えてみます。

シャボン玉のような球を考えます。

 


もし、平面の世界(2次元の世界)
にしか存在できない生物がいたとして・・・

その生き物は、球をイメージできるでしょうか?

平面の生き物は、「高さ」を感じることができないので、
球を見ることができません。


では、どうすればいいのでしょうか?

 


それは・・・

球をスライスすれば良いのです。

球を切ったときの 「切り口」 は、円板になります。
これなら平面の生き物も見ることができます。

 

平面上の生き物にとって、球自体は見えませんが、
スライスした切り口は見えるのです!

 

 

 


やや直感的な表現ですが、

「球を真ん中あたりできると、切り口は大きな円板、

 端のあたりで切ると、小さな円板になります」


そして、

 

小さな円板から大きな円板までを並べて、
無数の円板を積み重ねていくと球になるのです!

 

このことから、私たち3次元の生物が、
4次元の球をイメージする方法が分かります。

それは、

4次元の球の3次元の切り口を考えて、
それを無数に積み重ねればよいのです。


球の切り口の形は、1つ低い次元の円なので、

4次元の球の3次元による切り口は、
「3次元の球」 になります。

ですから、

小さい3次元の球をだんだん大きくしていき、
一番大きくなったところで、
今度は小さくしていく。


それを無数に積み重ねたものが
4次元の球になるのです。

 


といっても、

4番目の方向に積み重ねるのですが、


私たち人間は4番目の方向が見えません。

 

ですから、
4次元の球をハッキリと見ることはできません。

ただ、

球を積み重ねた形として、
なんとなくイメージをもつことはできます。


いかがでしたか?

4次元の球はイメージできましたか?


私たち3次元の世界から、
4次元の世界を眺めることは、
とても想像力をかき立てられると思います。
 

 

 

 

◆ これらの内容は、私の本にも書いてあります。

 

私の本『数の世界』では、

自然数から実数、複素数、四元数、八元数への「数の広がり」について、

数学的に詳しく書かれています。

 

実数、複素数、四元数、八元数は、それぞれ、

1次元、2次元、4次元、8次元の数とみなすことができます。

 

 

 

 

数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ (ブルーバックス)

(Amazon)

 

 

 

【コラムの執筆者】

 

 

松岡 学

 

高知工科大学 准教授、博士 (学術)

数学者、数学教育学者

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

 

 

< お問合せ先 >

 

※ 企業様などから、松岡へのお仕事のご依頼の窓口はこちらから

 

※ ただし、出版社様からの執筆(出版)のご依頼は、

  こちらから直接ご相談ください。

 

 

 

< 数学コラム >

◆ 4次元の数学 ~ 見えない空間を感じる ~

 

◆ 数学コラム ~ 数の見える景色 ~