5次元とは何だろう? ~ その1 物理学からのアプローチ ~ | 数学を通して優しさや愛を伝える松岡学のブログ

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アドラー心理学的な世界観のコラムやエッセイを書いています

私たちは、「縦、横、高さ」 の3次元の世界に住んでいるので、
4次元以上の世界は想像できません。


ただ、ドラえもんの4次元ポケットを筆頭に、
4次元という言葉は私たちに浸透しているように思えます。

そんなわけで今回は、4次元以上の世界について考えてみたいと思います。


アインシュタインは相対性理論により、
空間と時間を合わせた4次元時空を考えました。


「空間3次元」 と 「時間1次元」 を合わせて4次元になるのです。

 

 

 

 

さらに、4次元時空の考えを発展させ、
1921年、5次元の理論が考えられました。

カルツァにより提案されクラインが整理したことから
カルツァ・クライン理論と呼ばれています。

この理論によると、
5次元を考えることで重力、電気、磁気が
統一的に扱えることが分かりました。

重力というのは、りんごが地面に落ちるときに働く力で、
電磁波はテレビやスマホの電波のことですね。


つまり、

私たちの住む世界では、別々に見える重力と電磁気力が、
5次元の世界で初めて同じように考えることができる、

 

ということをこの理論はいっているのです。


5次元の世界が存在して、
私たちの住む世界の法則に影響しているとすれば、
なんだか神秘的な感覚になります。

 

 

私たちの目に見える世界がすべてではないのですね。


もしかしたら、


ロウソクに映った影が私たちの世界で、
本体が5次元の世界かもしれません。



ただ、5次元以上の空間が存在するかどうか

実験で確かめられていませんので、

まだ仮説の状態です。

 

また、この理論によると5番目の次元は非常に小さく、
私たちは感知できないとなっています。

 

 

 


今では、新しい理論が次々に出てきて、
カルツァ・クライン理論は忘れ去られました。

しかし、

この理論によって、

 

5次元時空という新たな段階へ前進したことは、

大変意味があったのではないかと私は感じています


現在、最先端の物理学の理論では、


この世界は11次元の可能性があるといわれています。
1995年にヴィッテンが提唱し、M理論と呼ばれています。

 

Mの由来は、
マジック(Magic)、 ミステリー(Mystery)、 膜(Menbrane)
などのようにいわれています。


なんだかすごい展開になっていますね。
これからも物理学の進展に目が話せない状況だと思います。


今回は次元の話について書きましたが、
想像力をかき立てられる興味深いテーマだと思います。

 

 

 

 

 

◆ 「数」 と次元については、私の本 『数の世界』 をご覧ください。

 

  私の本では、実数から八元数までの「数の広がり」について、

    数学的な観点から詳しく書かれています。

 

  実数、複素数、四元数、八元数は、

  1次元、2次元、4次元、8次元の数とみなすことができます。

 

 

数の世界

自然数から実数、複素数、そして四元数へ

(ブルーバックス)

 

 

 

【執筆者】

 

 

松岡 学

 

数学者、博士 (学術)

高知工科大学 准教授

 

大学で研究や教育に携わる傍ら、

一般向けの講座を行っている。

 

アドラー心理学の造詣も深く、

数学の教育や一般向け講座に取り入れている。

 

音楽 (J-POP) を聴くのが趣味。

ファッションを意識し、自然な生活を心がけている。

 

出版物:『数の世界』ブルーバックスシリーズ、講談社。 

『5歳からはじめる いつのまにか子どもが算数を好きになる本』スタンダーズ社。

『キララな恋愛や結婚生活を送るエッセンス』CLAP。

 

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