高校前配布チラシ 英語精読検定問題 【難関編】 | 増田塾船橋校ブログ

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こんにちは。
文系難関私立大学受験を専門とし、高い合格率を誇っている増田塾です。

ただいま、近隣の駅前や高校前でチラシを配布させて頂いております。
そのチラシの中に、英語精読力の検定問題を記載しております。
ここで、難関編の解答、解説を掲載したいと思います。京都大学からの出題です。


≪本文≫
 The change in the modern world which consisted in the development of man’s consciousness of himself may be said to begin with Descartes, who first established man’s position as a being who can not only think, but think about his own thinking, who can observe himself in the act of observing, so that man can be viewed as the subject and at the same time as the object of thought and observation.

≪解説≫
まず、この英文の述部までをひと塊として英文を見ていきましょう。

The change (in the modern world) {which consisted (in the development) (of man’s consciousness) (of himself)} may be said

前置詞+名詞をカッコで括るのは英文精読の基本です。
このような修飾語句を括った後、残ったものが文の要素となっています。
この後にやりますが、英文のこれ以降の部分を含めてもカッコで括られていないのは2つしかありません。この2つを繋げると

The change may be said(訳:その変化は言われている)

これがこの英文の柱となっています。
続いて問題となるのは、関係詞whichの先行詞です。
先行詞を探す時はそのすぐ直前を見るのが原則ですが、「consist in ~」は「~にある、存在する」という熟語なので、「近代世界が発達の中にある」では意味が成立しません。
そのため、修飾語句を飛び越えたthe changeが先行詞となります。

次に述部以降からso thatの手前までを見ていきます。

(to begin with Descartes), {who (first) established man’s position (as a being) {who can not only think, but think (about his own thinking)}, {who can observe himself (in the act) (of observing)},

先程と同じように前置詞+名詞、及び副詞を括りだしました。
関係詞がたくさん出てきますが、それぞれの先行詞を考えていきます。
まず1つ目のwhoですが、これは関係詞の非制限用法で先行詞はDescartesです。
この1つ目のwhoから始まる節の終わりはどこかと思いながら読み進めていくと、この節の中のwhoを主語とする動詞がestablish、その目的語がman'positionであることがわかりますが、節の終わりを見つけることができません。

先に2つ目のwhoについても見ていきましょう。
これもまた原則通り、直前の名詞beingを先行詞とする関係詞です。
2つ目のwhoから始まるこの節は、コンマ手前のthinkingまでであり、「not only ~ but ―」つまり「~だけでなく―も」という構文が使われています。
この時のbutは接続詞なので、2つ目のwhoを主語とする動詞(thinkとthink about~)がbutで繋がれていることになります。

3つ目のwhoも2つ目と同様beingを先行詞とする関係詞ですが、コンマが接続詞andの役割を果たしています。
この節はwhoが主語、動詞がcan observe、目的語がhimselfになっています。

続いてso that~最後までです。同様に修飾語句を括りだします。

(so that man can be viewed (as the subject) and (at the same time) (as the object) (of thought and observation))}.

このso thatは結果を表す副詞節を導いています。
この説の中の主語はman、動詞はcan be viewed。受動態なので目的語はありません。

最後に問題としたいのは接続詞andが結んでいるものです。
まず1つ目のandの直前にasから始まる副詞句があることが分かります。
直後を見ているとatから始まる副詞句です。
これでは等位接続詞の文法上の役割を果たしていません。
そのため、さらに後ろを見てみるとasから始まる副詞句が再び現れます。
1つ目のandが結んでいるのはas the subjectとas the objectであることがわかるはずです。

2つ目のandが結ぶのは直前と直後に名詞があるので、thoughtとobservationを結んでいると考えられます。

また、これまで一つ目のwho節の閉じる明確な区切りがなかったため、その節は最後まで続いていたと考えます。

このように文中に関係詞や接続詞が出てきた場合は、それぞれに対応する先行詞や繋いでいる語句、また節の始まりと終わりを決定することが大切です。


≪訳≫
近代の人間の自意識の発達における変化は、デカルトに始まったと言える。彼は、人間がただ考えるだけではなく、自分自身が考えていることを考えることができ、また、自分自身が観察している姿を観察でき、結果として、人間は思考と観察の主体であると同時に客体とみなされうる存在として、はじめてその地位を確立させた人物である。


以上です。
いかがでしたか?