初心を忘るべからず〜政治について | 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
初心を忘るべからず〜政治について

日曜日、我が愚息の初めての投票に同行した。ひとつ良き思い出が増えたと思っている。

私は安倍首相贔屓である。贔屓などとは不謹慎だと云われそうだが、政策面のみならず、人間性の好みがどうしてもでてしまうのは、仕方が無い。また野党の議員と候補の方々は、すべてではないが、人格面で貧弱な感じが否めない。

ただし、私は野党のすべてが良くないと思っているのではない。むしろ様々な意見がある国の方が善いと思っている。ゆえに野党に頑張って欲しい。繰り返すが、野党は戦略、戦術があまりにも稚拙で、候補者や議員の人格が貧弱である。

今、参議院選が終わり、次は知事選という段になり、その稚拙さが目につく。言うまでもないが、自民党のすべてが良いと、国民は思っていない。ただ野党が未熟すぎるのだ。

例えば、民進党を躍進させたいのなら、都知事選は蓮舫氏で行くべきだった。蓮舫氏の意志を尊重しなければならないのは当然だが、なぜ口説けなかったか。確かに国政と地方自治とは異なるが、東京都のあり方は、全国に影響を与える。その位置を野党が取り、反自民の「のろし」を挙げて行くのが野党として最善の戦術、戦略だと私は思っている。

現在、自民党は小池氏の出馬で、その弱点を露呈している。小池氏は、なかなか有力な政治家だが、国民が望んでいる政治家とは異なると思う。

話を端折ると、野党の問題、特に民進党の問題は、何と言われようが、共産党と是々非々で認め合い、仲間を尊重する姿を見せることだと云いたい。そうすれば、もっと勝てる。また、現在の状況では、都知事選は、宇都宮氏で一本化するべきだ。その度量をみせる事が、民進党が復活する、最善手なのだ(無理だろうな、民進党の度量では)。


イギリスのEUの離脱の予想も当たった。知事選の予想が当たらない事を祈りたい。私の予想では、小池氏が苦戦しながらも勝つ可能性がでてきたと考えている。なぜなら、民進党が人気投票路線という悪手を打ち、一方の自民も悪手を打っているからだ。断って置くが、私は自民党支持者だ。先輩が議員だし、自民党の人達と懇意にしている。一方でこの国の将来を心配する一市民でもある。ゆえに私は、バランスを取るという意味で、都知事は宇都宮氏が良いのではないかと思っている。おそらく、宇都宮氏は一筋縄ではいかない人だろう。だからこそ良いのだ。人気投票に勝てそうだから出るような人間は駄目だ。それを選ぶ市民もレベルが低い。現在、小池氏に叩かれている自民党都議連と宇都宮氏が正々堂々と勝負をするような政治を私は望んでいる。そして、メディアにも頑張ってもらい、我々市民の成熟を促して欲しい。


蛇足ながら、小池氏が苦しい戦いの中で、攻めなければならないのは、自民党の弱点だ。そこを認識できなければならないと思う。あえてそういうのは、そこが自民党の最も戒めなければならない弱点であり、そこを認識できれば盤石の体制が整うと考えるからだ。それは「言論統制、規制」ともとられかねない言動や措置をとらないこと、物事をなるべくオープンに進めるという事であろう。なぜなら、我々日本人が目指すべきは、最も成熟した民主主義国家だからだ。そのような国で最も重要なのは、言論の自由をどんな事があっても保証する事だ。そこを忘れなければ、都知事選のみならず、自民党の盤石な体制を築く事もできると思う。成熟した市民と国家は、自由でオープンな議論の中から形成されると思う。勿論、恣意的かつ無礼な言動と自由とは一線を画すのは言うまでもない。さらに蛇足ながら、小池氏には都議会を解散するなどと公約を掲げ、離党勧告に値する面もある。それでも、自民党は小池氏を離党に追い込まず、手を打つ方が良いと思う。なぜなら、今回の都知事選には、自民党と都議連に責任の一端があるのだから。ゆえに地方自治と国政は別とするなど、今回に限り、度量の大きさを見せて欲しい。兎に角、私が願うのは、この国が良くなっていくことだ。

最後になるが、私は、リーダーの政治の世界も庶民の生活の世界にも、世阿弥のいう「初心の教え」は通じるのではないかと思っている。今回、愛読書の一つである世阿弥の「風姿花伝」を「花鏡」と併せて紐解いた。御陰で、自分自身の未熟と不勉強に気づかされた。世阿弥の教えは、本当に素晴らしい。特に「花」の教えは、自身の思想に浸透させたい。(前回「初心」の続き)