【選挙結果】佐渡市長選挙(新潟県) | 嶽正義 チバを盛り上げる!
2016年の地方自治体選挙の結果はこちら

◆佐渡市長選挙(新潟県)


新潟県佐渡市長選挙は10日投開票が行われました。
結果、新人の三浦 基裕(みうら もとひろ)氏が初当選。
有権者数は48,977人。
投票者数は36,766人。
投票率は75.07%でした。
以下は今回の選挙の立候補者の顔ぶれです。
左から得票数,得票率,年齢,性別,現新,名前になっています。

20703 56.31 59 男 新 三浦 基裕(みうら もとひろ) 当選 
15221 41.40 70 男 新 甲斐 元也(かい もとなり)

■現職への”逆風”となった補助金不正受給問題


佐渡市で2016年1月に逮捕者が出た水産加工施設整備事業の経費水増し事件。
佐渡市の補助金2300万円不正受給 水増し容疑の元社長ら逮捕 新潟

本来であれば現職の甲斐市長が有利であるはずだった選挙戦の様相が事件を受けて一変。
忽ち(たちまち)窮地に追い込まれることとなりました。

現職の甲斐市長は2月8日の会見で、事業を選定した市の責任を問われ、以下のように答えています。

「同じ失敗は2度と繰り返さないよう態勢を取ってやっていく」
(市長選の影響について)「分かりません。その分析はしていない」


まぁ客観的に見て、市長選への影響がない訳はないですよね・・・。
はっきり言って大打撃だし、”何てことをしてくれたんだ”と内心は思っていたのでは?
また事件化したタイミングも、甲斐市長にとってはバッドタイミングでした。
もちろん市側の補助金支給に問題があった点も指摘しておかなければなりません。
だから決して同情はできないというのが本音。

1月下旬の佐渡市議会臨時会ではこんなこともありました。
市議が「内部告発」とする不正受給に関しての文書について甲斐市長に説明を求めます。
すると甲斐市長は以下のように答弁しました。

「怪文書に答弁するのは遠慮させていただく。全員協議会などで説明している内容を信じてほしい」

この内部告発を”怪文書”と断定して答弁をしてしまった甲斐市長。
選挙結果を見ると、市民はこの市長の答弁に不信感を募らせたのがよく分かります。

一方でこの問題を逆手にとり、追い風としたいのは三浦氏陣営。
直ぐさま集会で以下のように市側の姿勢を批判しています。

「補助金不正受給、返納などお金のトラブルが相次いでいる。
選定方式など全てゼロベースから見直しがなければ税金の垂れ流しが続く」

過去にも補助金を巡っては2014、15年と計3回も不正受給問題が発生をしていた佐渡市。
補助金の不正受給問題以外にも時間外勤務手当の不正受給、公金の着服などが発生。
相次ぐ市や市職員による不祥事が続き、佐渡市民の甲斐市長への不信感が募ります。
佐渡市長選 補助金不正が争点化か

■「仕事があれば帰りたいけどなあ」の声

選挙戦の争点としては補助金不正受給問題が最大のテーマであったかもしれません。
しかし三浦氏のホームページも書いてあるように雇用の創出も大きな争点でした。
三浦氏自身も18歳で上京をし、40年以上も島を離れていた人物の一人。
だからこそ地元への危機意識が人一倍強かったのでしょうね。

また得票率から見ても、投票者の約56%が従来型市政からの脱却を支持。
「元日刊スポーツ新聞社社長」という経歴をもつ三浦氏の手腕に期待が集まった形です。
首都圏ネットワークとの強いパイプがあるというのも心強いのではないでしょうか。

課題があるとすれば、政治経験がないので、どれくらいの政治手腕を発揮できるのか未知数な点。
市議会の会派の構成を見ると、9会派と”多会派”であることが分かります。

議会は市長ひとりの力だけでは動きません。
『議会運営』も市長にとっては大事な仕事のひとつ。
民間で長年培ってきた経験がどの様に活かされるのか。
市民の期待感も大きいだけに、三浦氏がどの様に市政を動かすのか注目です。