2016年の地方自治体選挙の結果はこちら
◆小諸市長選挙(長野県)
長野県の小諸市長選挙は10日投開票が行われました。
結果、新人の小泉 俊博(こいずみ としひろ)氏が初当選。
有権者数は34,623人。
投票者数は22,147人。
投票率は63.97%でした。
以下は今回の選挙の立候補者の顔ぶれです。
左から得票数,得票率,年齢,性別,現新,名前になっています。
7239 32.69 53 男 新 小泉 俊博(こいずみ としひろ) 当選
4466 20.17 68 男 新 柳沢 恵二(やなぎさわ けいじ)
4310 19.47 40 男 新 大森 豊也(おおもり あつなり)
3601 16.26 75 男 元 芹澤 勤(せりざわ つとむ)
2301 10.39 57 男 新 饗場 道博(あいば みちひろ)
2016年の市長選挙以上では最多となる5人が立候補をした小諸市長選挙。
結果は行政書士の小泉氏が初当選を決めました。
それにしても当選した小泉氏でも得票率は32.69%。
いかにこの選挙が混戦であったか数字にも表れていますね。
■あまりにも酷すぎたここ数年の小諸市政
今回の小諸市長選挙のテーマは『柳田市政からの脱却』だったのではないでしょうか。
2012年で初当選を果たした柳田剛彦市長。
その去就が直前まで注目されていました。
しかし結果は「出馬断念」。
どうも出馬断念の裏では支持組織が最後まで固まらないことなどが影響したようです。
→柳田市長 結局「出馬断念」候補者4人 ほぼ出そろう
と言うのも柳田市長は「市庁舎建て替えに際し、同じ敷地に総合病院を併設する。」
とした前市長の計画に反対して出馬をしました。
ところが当選を果たすと公約を覆し、一転して前市長の公約を踏襲。
これが支持者の信を失い、自身の後援会も一年もたずして解散の憂き目に。
この市庁舎建て替えに関しては、柳田市長にも言い分はあったようです。
「反対派の声に押されて立候補したが、実際に市長になってみると後戻りできない状態だった。
選挙で訴えたことと反対のプロセスをたどってしまった」
「公約とは逆の結果になったが、大切なことは地元に総合病院を残すこと。
わたしの苦悩を知る幹部職員がよく支えてくれた」
→柳田剛彦・長野県小諸市長
なるほど。
確かに柳田市長が仰っていることも分からなくはありません。
しかし現実には副市長を任期途中で解任。
よく支えてくれていたはずの市職員のUターン人事。
幹部職員の早期退職等。
市政でのトラブルが続出していたようです。
残念ながら市がこんな状態では支援者はついてきません。
そういう背景もあり、今回の選挙戦では5人もの候補者が立ち上がったのだと思います。
小諸市長選挙に立候補を表明した5名は、いずれも自身のホームページをお持ちでした。
これは大変素晴らしいことだと私は思いますね。
お陰でそれぞれの候補者の政策を読むことができました。
私が読んだ感じでは、芹澤氏・饗場氏はコンパクトシティ推進派。
当選を果たされた小泉氏を含めた3氏は否定派のように映りました。
結果は小泉氏を含めた3氏が上位で、芹澤氏と饗場氏は4番目と5番目。
それでも接戦ですから何とも言えませんが、現時点では否定派の方が優勢だったんですね。
■当選の決め手となったのは小泉氏の人柄
その中で結果的に2004年の市長選を経験していた小泉氏に『一日の長』がありました。
小泉氏のFacebookを読むと分かることがあります。
それは自身の後援会が12年間解散することなく存続していたことです。
前市長の後援会が1年もたずして解散したのとは対照的ですね。
行政書士時代も含めてずっと後援会は存続していたということになります。
2004年の選挙にしても、前市長の芹澤氏との票差は僅か348票差。
今回の選挙では、2位の柳沢氏に2773票差ですから混戦を抜け出した感があります。
やはり自身の後援会がずっと生きていたことが最終的に勝負を分けました。
また柳田市政との対極軸を鮮明にしたのも結果的に良かったのかもしれません。
小諸市民は柳田市政に怒りを覚えている節も感じ取ることができましたから。
今後の小泉氏の課題は、今度こそ公約を覆すことなく、市民との約束を果たすこと。
これ以上、市政の停滞を招き続ければ、小諸市は”消滅可能性都市”になってしまいます。
財政の健全化と街の活性化、雇用や定住者の確保。
また柳田市政により混迷している市組織の立て直し。
新市長に突きつけられた課題は大変重責です。
それだけに小泉氏の政治手腕が今後は問われるものと思われます。
小諸市の命運は新市長の手に委ねられています。