ノルウェイ発轟音怪物君バンドとSUB POPの秘密兵器を観た!! | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

  最近夜行性が加速気味だ。

 朝6時にならないと、なぜか眠れなかったりする。
そして、午後2時頃ふがーとか言いながら起きる。
たまに3時を過ぎている。
一食目を食べるのが大体5時ぐらいだ。
僕は一日二食しか食べないので、夕食は深夜過ぎ。

昨日なんて、帰宅が遅かったので午前4時に
夕食に野菜炒め作ってたしね!
ちょっと早い、なんというか僧侶の朝食の時間
ですよねこれ!すまんな坊主!生活が逆転してて!
まあ、これも帰国後の時差ぼけ対策のための計画的な
ライフ・サイクルのチェンジですから!
ということにしておこうよ!

 そして昨日はライヴをハシゴしてきた。
その前に、初日を迎えたマギー・ジレンホール主演の
『Sherry Baby』という映画を観ることにした。
7:30の回、上映終了後にマギーのQ&Aがあるというのだ。
おお、セクレタリーを生で観るのもいいかもね!
そして、7時前に歩いてロウワーイーストサイドの
シネコンに向かった。劇場に着くと、お目当ての回は
まんまとSOLD OUTだった。

グアーーーッデム!!!!!

 うーん、さすがにマギー来るのに上映開始直前に
チケットが買えるわけないか。
しかし最初のライヴが始まるまでまだ時間あるしな。
誰かチケット余ってる人現れないかな
(ライヴにせよ映画にせよ、アメリカでは頻繁に
目にするのだ)。すると、ボックスオフィスの
従業員女子が、客に向かって「マギー・ジレンホールは
明日のこの回にも来るよ」なんてことを話してる。
ポスターに貼られていたイベント告知の張り紙を
見ると、確かに明日も来ると書かれている。
窓口で確認を取り、じゃあ明日でいいや。と、チケットを
購入してシネコンを後にした。

そういえば、キーファー・サザーランド主演の
ドキュメンタリー映画も初日で、似たような時間の回が
売り切れになっていたのでなんだろ?
と思いきや、キーファーのQ&Aがあるよと書かれていた。
同時刻に同じシネコンでマギーとキーファー。
結構凄いことなんじゃないかと次第に思い始めた。
劇場側も大変なのではと。日本の劇場ならもう、
蜂の巣を突いたような騒ぎである。

でもこっちのQ&Aとか、司会の人とかいないしね!
ゲストが自らマイク持ってスクリーンの前に一人で
立って、自分で客席で挙手してる人を当てて
Q&Aを進行させていくからね!
いやあ、超大雑把!観客と距離が近くていいですな!

そして、時間をつぶすために近くのSOHOに行くことに
した。しかし、ノリータからソーホーへと足を進めるに
つれて、美しい女子ばかり目に入ってくる。
もう、1ブロックに一人ぐらいの勢いである。
どうなってんだこのエリアは、と改めて思った。

日が暮れて、突然心の中のウルフが叫び始めた。
何事?と思って空を見上げると、満月だった。
真ん丸の巨大な月が綺麗に空に浮かび上がっていた。
わあ、ハーヴェスト・ムーンだ。
中秋の名月ってやつですか?
オータム・イン・ニューヨーク!!
(そんな映画もあったね)

さて、ソーホー。
ジャージと帽子を買いたいなあとずっと思っていて、
なかなかいいブツにめぐり合えてないので、
そいつらを今日も探してみよう!
うん、まあまあ欲しいブツは見つかったけど、
まだ決定力に欠けますな!参ったなあ!!
いつお目当ての品を手に入れられるんだろうか!!

そして、Spring st.をBroadwayのほうに向かって
歩きながら、まだ時間があるのでどうやって過ごすか
を考えた。
そういえば今ファッション・ウィークで、
The White Stripesのジャック・ホワイトのサイド・
プロジェクト、The Racounteursがソーホーのプラダで
今晩ライヴやるかもしれないんだよなあ。
じゃあ、ちょっと行ってみるか。
というか、プラダって、どこにあるんだ?
「こんばんわー!」

ん?

こんばんわ?
なんだ、日本語が聞こえてくるぞ?
心の中のウルフは今日はもう去勢済みのはずだが?
おかしいな、と思いながらワンテンポ遅れて
9時の方向を見てみたら、小西真奈美がいた。

あれま!!

といっても、もちろん、それは本物の小西真奈美ではない。
友の友で数ヶ月前に一回だけ会ったことがあった、
小西真奈美似の女性だった。
といっても、ぱっと見が似ているだけで、小西真奈美
よりも目が大きくて綺麗な人なのだが。

なんと、職場がすぐそばだそうで!
そういえば、そんなこと話してたなあ!
なんだか楽しく立ち話をさせてもらい、またの再会を
約束し、ちゃんとプラダの場所を教えてもらい、
彼女と別れ早速そこに足を運んでみた。

「プライベートパーティのため、クローズしてます」

やはり入場はできないのか。というか、ライヴの噂は
本当だったか。
しかしなんでプラダなんだ、ジャック・ホワイトよ?

そろそろいい時間になったので、最初のライヴを観に
Bowery Ballroomに向かった。
ここの今日のトリは、ノルウェイの轟音怪物君バンド、
Serena Maneeshだ。

前座の2バンドも含め、今日はシューゲイザー・ナイト。
最初のEvangelicalsというオクラホマのバンドは、
パンキッシュでノイジーで、テンション高くて
面白いバンドだった。次に登場したAsobi Seksuは、
最新作がCMJのTOP10に入るなど人気上昇中のN.Y.の
バンドでヴォーカルが日本人女子なんだが、
この人の声はちょっと乙女チック過ぎて、カルピス
こども劇場の主題歌聴かされてるみたいで、
ちょっと退屈。ギターをはじめバックのサウンドは
いいのだが。そしてバンド名もなんとかならんのか。
遊びだろうとなんだろうと、真剣にやるものだし、
だからこそ面白いと思うのだが。なんだ遊びセックスって。

Serena Maneeshは、今年のSiren Music Festivalでも
ちらっと観たが、ちゃんとフルのショウは観たことが
なかったので、楽しみにしていたのだ。
相変わらずヴォーカル&ギターの兄ちゃんと、
ベーシストのブロンドのでかいお姉さんは、
人間離れした目の離れ具合である。
いや、二人とも絵になるし、カッコいいのですが、
しかし、ちょっと妖怪じみているのも事実で。
ノルウェイには魔界への扉があるのだろうか?

今回初めて彼らのライヴをまともに観て思ったことは、
二人のギターのサウンドがちょっとかぶりすぎじゃ
ないかということ。なんだろう、ラウドなのだが
ノイズのトーンが同じなので、MOGWAIのような轟音の
恐ろしい洪水、みたいなインパクトはないのだ。
ヴォーカルもあってないようなもんだし。
ステージングもアクションもカッコいいのだが、
サウンドがもう一工夫欲しかった。
日本でもアルバムがリリースされているようだし、
これからまだまだ成長していくバンドだと思うが。

この最初のライヴが終了したのが、1時。
ここから今度は、歩いてチャイナタウンに向かって
Knitting FactoryでCommets on Fireのライヴだ。
あのSUB POP所属で、しかもSPIN最新号の
BEST LIVE BANDS 25にも入っていたバンドだけに、
これは一度チェックしておこうと思い。

会場に到着し場内に入ると、フロアの後方まで
ぎっしり埋まっている。
そして、ライヴはちょうど始まったところだった。
彼らのサウンドは聴いたことがなかったのだが、
予想していたイメージと違い、ツェッペリンのような
ジミヘンのような、しかもたまにブルーズ全開の
ラウドなサイケデリック・バンドでした。
もっと、パンキッシュでハードコアな、
Trail of Deadみたいな音かと思ってた。

自分の好みとは少し違うロックだったが、
音のうねりと音圧の迫力は凄まじかった。
アンコールも二回こなし、90分以上みっちり
プレイしてくれたのだった。