一筆書きできるかどうかって? | 数楽者のボヤキ・ツブヤキ・ササヤキ-中学 数学 道徳 Mathematics Puzzles-

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 ケーニヒスベルクの7つの橋
 ロシア連邦にあるカリーニングラードという都市は,かつては東プロイセンという国の首都で,ケーニヒスベルクと呼ばれていました。この町を流れるプレーゲル川には4つの地区を繋ぐ7つの橋がかかっていたそうです。

ケーニヒスベルクの7つの橋
 
 当時の住民が関心を抱いたのが次の問題でした。
 
「同じ道を2回通らずに,7つの橋すべてを,ちょうど1回ずつ渡ることができるか?」
 数学者オイラーは,この問題を見てすぐにできないと判断したそうです。オイラーは次のように考えました。

「もし渡れるとすれば,途中で通過する地域には,入って出ていくのだから,必ず偶数本の橋がなければならない。しかしこの図では,すべての地域に奇数本の橋がかかっている」

 この「ケーニヒスベルクの7つの橋」の問題の図を簡略化した図が下の図です。この「ケーニヒスベルクの7つの橋」の問題は要するにこの簡略化した図が一筆書きできるかどうかという問題に直すことができるわけです。
 
 どんな図だと一筆書きができるか?
 
 図の中の各点に集まっている線の数によって判断できます。線が偶数本集まっている点を「偶点」,奇数本集まっている点を「奇点」ということにします。この「偶点」,「奇点」の数を調べると一筆書きできるかどうかが分かります。次の場合には一筆書きができます。

(1)奇点がなく,すべての点が偶点である場合
(2)奇点が2個,他の点はすべて偶点である場合

(1)の場合は,どの偶点を書き始めにしても,その点で書き終えることができます。また,(2)の場合は2つある奇点の一方を書き始めにすると,もう一方の点が書き終わりになります。

 「ケーニヒスベルクの7つの橋」問題の場合は,すべての点から奇数本の線が出ているので,偶点が1つもありません。したがって(1),(2)の場合にあてはまりませんから一筆書きできないわけです。
 
 次は,(1),(2)のそれぞれにあてはまる場合の図です。

一筆書きできる