お久しぶりです。約一年ぶりに帰ってきました、Ryuです。最近はFacebookも辞め、あいつ生きてるのかみたいなことも友達間でささやかれてるらしいので、生存報告も兼ねて2014年度の総括と近況報告をしようと思います。
1年次の半ば頃から、経済学を深く追求してゆきたいという学問的欲求が強まり、直近の目標を、「経済学でPhDを取得し、一流の経済学者を目指す」と設定しました。1年次の終わりには専攻を経済と数学で宣言し、将来の方向性をある程度絞ってゆくことに決めました。将来へ向けて堅実な歩みを進めてゆくため、2014年度は学業面で非常に重要な年になるだろうといった覚悟の元、2年次をスタートさせました。
2014年度総括
学業面
2014年度は、学業面では大変充実しており、本当に実り多き年となりました。専攻に関する授業が殆どであったため、純粋な学問的興味を抱くことのできる授業内容ばかりで、毎日クラスルームへと向かう足取りは軽く、常に軽い高揚と興奮を授業に対して感じていました。教授も素晴らしい方々で、恵まれた環境で学ぶことのできる幸福感を改めて実感することとなりました。
2014年度に履修した授業は
経済学: 中級ミクロ経済、中級マクロ経済、会計、経済統計
数学: 多変数微積分、線形代数、微分方程式
その他: 初級フランス語、ハリウッド映画とキリスト教
の9つとなりました。
成績に関して言えば、「ハリウッド映画とキリスト教」でA-、初級フランス語でPass(AからC-の何れか/GPAに影響しない)を取った以外は、全てA以上の評価をもらいました。中級ミクロ/マクロ経済は、経済学部の中でも一番難しい授業だと多くの友人が噂していたため、正直不安は大きく、昨年度の一番の懸念材料でもありました。しかし、いざ蓋を開けてみると、秋学期のミクロ経済では好成績を修めて春学期には同クラスのTAを務めましたし、経済学部で一番鬼畜な名物教授が教鞭を振るったマクロ経済でも、クラス60人中2、3人ほどしかもらえないと噂のAを取ることができました。その他の授業でも安定したパフォーマンスを残し、良い成績を修めるだけでなく、教授と良好な関係を構築することにも成功しました。結局この一年を通じて成績は大幅に上昇し、現在は学年全体の上位5%のGPAを保ち、また、中級ミクロ/マクロ経済で最も優秀な成績を修めた3年生に与えられる経済学部の賞の有力候補でもあります。
なぜ僕がここまで成績の話をするかと言うと、自慢したいからです!特にこれから渡米する新1年生や今後留学を考えている高校生に、成績なんて何とかなる、ということを理解してほしいからです。自分自身、1年次の秋学期には、アメリカの大学の勉強システムへの適合が上手くいかず、結果として望むような成績を手にすることはできませんでした。今だから言えますが、秋学期を終えてのGPAは学年で300番台以下だったと記憶しています。そんな僕でも、そこから1年半で成績をここまで引き上げることができましたし、結局成績なんて努力次第で正直どうにでもなるものだと今は感じています。
2014年度を通じて体感したのが、教授が要求していることを常に念頭におき、授業/宿題/試験に臨めば、どのようなクラスでもそれなりに上手くいく、ということです。このような表現をすると、「なんだこいつは教授の言いなりになれば満足なのか」などと言う人がいるかもしれませんが、そうではありません。実際問題、教授の方が我々生徒よりも各々の分野で経験を積み、多くの知識を蓄えているため、彼ら/彼女らから学ぶ姿勢を大切にする必要がある、ということです。もちろん、教授の言っていることを鵜呑みにするのではなく、批判的に捉えることは大変重要です。しかし、「この教授はダメだ」と頭から穿った見方をするのではなく、先ずは、教授から可能な限り多くを学び取りたいとの意欲を持った上で、彼ら/彼女らの発言に対し、自分なりの思考を構築して議論を進めていく。これが、望ましい教育の形であるように自分は思います。
偉そうなことを書きましたが、自分自身、後者の部分の修行がまだ不十分であることは痛感しています。経済学者を目指している以上、今後、諸経済理論に関する考えを体系的に纏め、世界で勃発している経済問題に対してスタンスを取っていく必要があります。この夏休みや、来年度の留学(後述します)を通じ、この力を長期的な目線で養っていけたらと思います。
社交面
課外活動に関しては、2014年度もラグビー部に所属していました。昨年度は、一介のプレーヤーとしてだけでなく、渉外としてフィールドの外でも責任を担うこととなりました。他チームとのスケジュール交渉は一筋縄ではいかないこともありましたが、滞りなく試合が終わった時の充足感をやりがいに、忙しくも充実した日々を過ごすことができました。ラグビー以外にも複数の課外活動に参加すると昨年の時点では高らかに宣言していましたが、学業面を最優先させたい意向もあり、結局ラグビー以外の活動に手を出すことは特にありませんでした。
2014年度は、学業面と睡眠面では大変満足のいく年でしたが、正直、社交面ではあまり充実していた年とは言い難かったです。相も変わらずパーティに顔を出すことは殆どなく、一人部屋を良いことに部屋に篭りがちになることも多々ありました。人と話をすること自体を億劫だと感じ、特に朝食など一人で食堂へと向かうことも少なくはありませんでした。一人で居ること自体は然程嫌いでもないため、割と心地は良かったですが、やはり多くの人と交友することも大切ではあるため、来年度以降は、もう少し社交面に気を遣っていこうと思います。幸いなことに、授業を通じて多くの友人との交流を深めることができたので、その関係を今後プライベートまで広げ、確と続けていこうと思います。
今夏について
この夏は、環境経済学を専門とされている教授の元でリサーチをしています。そもそも環境経済学の一つのゴールとしては、市場が存在しない、所謂"non-market goods"と呼ばれるもの(汚染されていない水や空気)の金銭的価値を推し測ることです。現在取り組んでいるプロジェクトは、メイン州で提案されている新しい国立公園に対し、人々がどれだけの価値を見出しているのかを、調査を通じて推定することです。現時点では、調査に対する解答者数が統計学的に少な過ぎる等の問題はありますが、プロジェクト自体は大変面白く、また経済統計の授業で学んだ理論のアプリケーションを垣間見ることができ、非常に良い勉強になっています。このプロジェクトの他にも、沖縄の環境変化に対しての人々の認知レベルの差異と、それに基づいた保全計画の金銭的価値の測定などにも取り組んでいます。このプロジェクトに関しては、首尾よく行けば、来年の冬に実際に沖縄に行く機会を得られるかもしれないので、非常に楽しみです。seniorの年には、学会で研究成果を発表できる可能性もあるため、このリサーチを通じ、自分の将来の展望が徐々に広がりつつあるのを実感しています。僕を雇ってくださり、日々様々なことを教えてくださる教授には本当に感謝しています。取り敢えず今夏の目標としては、なんらかのpublicationに自分の名前を載せることにあります。
7月の終わりまで大学でリサーチに取り組んだ後は、University of California, Davisにて、5週間のサマースクールに出席します。数学の授業を2つ取るためで、ベクトルの微積分、抽象数学の導入のクラスを履修する予定です。サマースクールを9月の頭に終えた後、日本に一時帰国します。
来年度の予定
既に知っている人もいるかと思いますが、来年度はイギリスのUniversity of Oxfordに交換留学することとなりました。Colbyはリベラルアーツカレッジということで、授業の小ささなどを売りにしてはいますが、それでも経済学部は人気の学部のため、junior用の授業でも生徒数が20人程の大きさです。個人的に、より小規模の授業を受けたいと感じ始めたことが、留学を考える発端になりました。加えて、2年目になって、リベラルアーツカレッジ独特の小さいコミュニティに、どことなく閉鎖感と飽きを感じ始めたことも、留学に興味を抱くきっかけとなりました。上記の理由で留学を考え始めたところ、Oxfordにはtutorialと言われるシステムがあり、これが自分の学術的希望と合致していたため、Oxfordへと留学することになりました。イギリスの文化を楽しみ、イギリス開催のラグビーワールドカップも楽しみ、学業面、社交面で充実した一年となればと思います。
2014年度の総括、そして近況報告としてはこんなところです。次いつブログに登場するかは不明ですが、またその時まで歩みを止めずに突き進んでいこうと思います。
留学やColbyに関して質問がある人は、rmatsuur[アットマーク]colby.edu([アットマーク]を@に変えてください)にいつでも連絡してください。
それではまた!
1年次の半ば頃から、経済学を深く追求してゆきたいという学問的欲求が強まり、直近の目標を、「経済学でPhDを取得し、一流の経済学者を目指す」と設定しました。1年次の終わりには専攻を経済と数学で宣言し、将来の方向性をある程度絞ってゆくことに決めました。将来へ向けて堅実な歩みを進めてゆくため、2014年度は学業面で非常に重要な年になるだろうといった覚悟の元、2年次をスタートさせました。
2014年度総括
学業面
2014年度は、学業面では大変充実しており、本当に実り多き年となりました。専攻に関する授業が殆どであったため、純粋な学問的興味を抱くことのできる授業内容ばかりで、毎日クラスルームへと向かう足取りは軽く、常に軽い高揚と興奮を授業に対して感じていました。教授も素晴らしい方々で、恵まれた環境で学ぶことのできる幸福感を改めて実感することとなりました。
2014年度に履修した授業は
経済学: 中級ミクロ経済、中級マクロ経済、会計、経済統計
数学: 多変数微積分、線形代数、微分方程式
その他: 初級フランス語、ハリウッド映画とキリスト教
の9つとなりました。
成績に関して言えば、「ハリウッド映画とキリスト教」でA-、初級フランス語でPass(AからC-の何れか/GPAに影響しない)を取った以外は、全てA以上の評価をもらいました。中級ミクロ/マクロ経済は、経済学部の中でも一番難しい授業だと多くの友人が噂していたため、正直不安は大きく、昨年度の一番の懸念材料でもありました。しかし、いざ蓋を開けてみると、秋学期のミクロ経済では好成績を修めて春学期には同クラスのTAを務めましたし、経済学部で一番
なぜ僕がここまで成績の話をするかと言うと、
2014年度を通じて体感したのが、教授が要求していることを常に念頭におき、授業/宿題/試験に臨めば、どのようなクラスでもそれなりに上手くいく、ということです。このような表現をすると、「なんだこいつは教授の言いなりになれば満足なのか」などと言う人がいるかもしれませんが、そうではありません。実際問題、教授の方が我々生徒よりも各々の分野で経験を積み、多くの知識を蓄えているため、彼ら/彼女らから学ぶ姿勢を大切にする必要がある、ということです。もちろん、教授の言っていることを鵜呑みにするのではなく、批判的に捉えることは大変重要です。しかし、「この教授はダメだ」と頭から穿った見方をするのではなく、先ずは、教授から可能な限り多くを学び取りたいとの意欲を持った上で、彼ら/彼女らの発言に対し、自分なりの思考を構築して議論を進めていく。これが、望ましい教育の形であるように自分は思います。
偉そうなことを書きましたが、自分自身、後者の部分の修行がまだ不十分であることは痛感しています。経済学者を目指している以上、今後、諸経済理論に関する考えを体系的に纏め、世界で勃発している経済問題に対してスタンスを取っていく必要があります。この夏休みや、来年度の留学(後述します)を通じ、この力を長期的な目線で養っていけたらと思います。
社交面
課外活動に関しては、2014年度もラグビー部に所属していました。昨年度は、一介のプレーヤーとしてだけでなく、渉外としてフィールドの外でも責任を担うこととなりました。他チームとのスケジュール交渉は一筋縄ではいかないこともありましたが、滞りなく試合が終わった時の充足感をやりがいに、忙しくも充実した日々を過ごすことができました。ラグビー以外にも複数の課外活動に参加すると昨年の時点では高らかに宣言していましたが、学業面を最優先させたい意向もあり、結局ラグビー以外の活動に手を出すことは特にありませんでした。
2014年度は、学業面と睡眠面では大変満足のいく年でしたが、正直、社交面ではあまり充実していた年とは言い難かったです。相も変わらずパーティに顔を出すことは殆どなく、一人部屋を良いことに部屋に篭りがちになることも多々ありました。人と話をすること自体を億劫だと感じ、特に朝食など一人で食堂へと向かうことも少なくはありませんでした。一人で居ること自体は然程嫌いでもないため、割と心地は良かったですが、やはり多くの人と交友することも大切ではあるため、来年度以降は、もう少し社交面に気を遣っていこうと思います。幸いなことに、授業を通じて多くの友人との交流を深めることができたので、その関係を今後プライベートまで広げ、確と続けていこうと思います。
今夏について
この夏は、環境経済学を専門とされている教授の元でリサーチをしています。そもそも環境経済学の一つのゴールとしては、市場が存在しない、所謂"non-market goods"と呼ばれるもの(汚染されていない水や空気)の金銭的価値を推し測ることです。現在取り組んでいるプロジェクトは、メイン州で提案されている新しい国立公園に対し、人々がどれだけの価値を見出しているのかを、調査を通じて推定することです。現時点では、調査に対する解答者数が統計学的に少な過ぎる等の問題はありますが、プロジェクト自体は大変面白く、また経済統計の授業で学んだ理論のアプリケーションを垣間見ることができ、非常に良い勉強になっています。このプロジェクトの他にも、沖縄の環境変化に対しての人々の認知レベルの差異と、それに基づいた保全計画の金銭的価値の測定などにも取り組んでいます。このプロジェクトに関しては、首尾よく行けば、来年の冬に実際に沖縄に行く機会を得られるかもしれないので、非常に楽しみです。seniorの年には、学会で研究成果を発表できる可能性もあるため、このリサーチを通じ、自分の将来の展望が徐々に広がりつつあるのを実感しています。僕を雇ってくださり、日々様々なことを教えてくださる教授には本当に感謝しています。取り敢えず今夏の目標としては、なんらかのpublicationに自分の名前を載せることにあります。
7月の終わりまで大学でリサーチに取り組んだ後は、University of California, Davisにて、5週間のサマースクールに出席します。数学の授業を2つ取るためで、ベクトルの微積分、抽象数学の導入のクラスを履修する予定です。サマースクールを9月の頭に終えた後、日本に一時帰国します。
来年度の予定
既に知っている人もいるかと思いますが、来年度はイギリスのUniversity of Oxfordに交換留学することとなりました。Colbyはリベラルアーツカレッジということで、授業の小ささなどを売りにしてはいますが、それでも経済学部は人気の学部のため、junior用の授業でも生徒数が20人程の大きさです。個人的に、より小規模の授業を受けたいと感じ始めたことが、留学を考える発端になりました。加えて、2年目になって、リベラルアーツカレッジ独特の小さいコミュニティに、どことなく閉鎖感と飽きを感じ始めたことも、留学に興味を抱くきっかけとなりました。上記の理由で留学を考え始めたところ、Oxfordにはtutorialと言われるシステムがあり、これが自分の学術的希望と合致していたため、Oxfordへと留学することになりました。イギリスの文化を楽しみ、
2014年度の総括、そして近況報告としてはこんなところです。次いつブログに登場するかは不明ですが、またその時まで歩みを止めずに突き進んでいこうと思います。
留学やColbyに関して質問がある人は、rmatsuur[アットマーク]colby.edu([アットマーク]を@に変えてください)にいつでも連絡してください。
それではまた!