しばらくすると、兄は家から五分ほど歩いた処にあるタバコ屋さんの三畳を借りる事にしたと云いました。
次の日曜日に、仲良しの磯村君を連れて来て、八百屋で借りたリヤカーに布団と本、本箱と着るものの入った小さな行李を乗せて、引っ越して行きました。
母は、おばあさんに気兼ねをして、ハラハラしていました。
おばあさんは、何も云いませんでしたが、いつも野菜を買いに行く八百屋でリヤカーを借りたので「みっともない」と云って怒っていました。
しばらくすると、私は母に「これ、お兄さんの処に持って行ってあげなさい」と、風呂敷4包みを渡されました。
タバコ屋さんの前を、私が二、三回行ったり来たりしていると、おじさんが煙草を渡す小窓を開けて「お嬢さん、お兄さんの処にいらしたんじゃないの」と声をかけてくれました。
私は「はい」と小さい声で云いました。
おじさんは立って来て戸を開けてくれました。
「お入りなさい。お兄さん、お部屋に居ますよ。」と云いました。
おじさんは、会社を定年で辞めてタバコ屋を開いたと聞いていました。
おばさんは、上品で優しい人です。子供が居なくて淋しいからと、兄をとてもかわいがって下さるので安心だと母が云っていました。
祖母正子の日記を読んで下さる皆様へ
いつも正子の日記を読んでくださいまして、
どうもありがとうございます。
もうじき、正子の大好きだったクリスマスがやってきます。
まりぴょんは、正子にクリスマスプレゼントをしたいと考えました。
生前正子が「もらうととても喜んだもの」・・・それは、この日記の感想でした。
そこで、この日記の感想を正子本人を知らない方からいただけたら、と考えました。
正子はどんなに喜ぶことでしょう。
タイミングの良いことに、36話からは90年前の正子が体験した「明治学院のクリスマス」など、楽しく美しいクリスマスのお話が三話続きます。
コメント欄に正子の日記の感想や、どのお話が面白かったとか、悲しかった等、何でも結構ですので、
皆様のお声を頂ければ幸いでございます。
クリスマスまであと5日、皆様にも心温まるクリスマスが訪れますことをお祈り申し上げます。
まりぴょん
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