食べ物屋の次には、布地の計り売りで、おじさんが巾の広い布の巻いたのをツルツルとほどいて、上手に計って、一ヤール、二ヤールとお客さんの望み通りに切って売る店。
モモ引きや、裏毛のシャツや、メリヤスのシャツ、くつした等、いろんな店が出ていました。
おばあさんは、いつにも似合はず、ゆっくり一つ一つ見て歩き、私もそのあとについて歩きました。
大分行ったところで、洋服屋さんが出ていました。
かなり広く構えて、大きく張ったテントの端から端に電線をひいて、裸電球をいくつもつけています。
赤い服、白い服、桃色、水色、レースのついたのや、ヒラヒラとひだを取った襟付き等が、とてもたくさんつるしてありました。
私が、上の方ばかり見ている間に、おばあさんは下のゴザの上にあるたくさんの服を一つ一つ取ってみているのです。
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