3、兄も私も無口になる(その2)
おばあさんは、学校で、丁寧で長いご挨拶を先生にしていました。
丁度その日、もう一人同じクラスに新入生がいました。
滝沢春江さんと云う人で、この人とは縁が深いのか、女学校卒業まで一緒でした。
春江さんは、お母さんと来ていました。
私は、うらやましいと思いました。
朝鮮では、南大門小学校に入った日は、おばさんと一緒に行きました。
私は、いつも母とは行かれないけれど、今日よりは、おばさんと一緒に行った時の方が未だ少しは良いと思いました。
おばあさんは、春江さんのお母さんと話をしていました。
春江さんも、銀行員のお父さんが亡くなって、最近小さい家に引っ越して来たと云っていました。
兄弟九人居ると云っていました。
二人は、一番前の席に並びました。
春江さんは高輪南町から、私は目黒から通いました。
にほんブログ村 にほんブログ村