前回の障害者就労支援3に続き、4番目です。
4番目の内容は3からの続きです。

障害者就労支援3では官公需の役務提供が、会計法の予決令の99条の随意契約に基づき、物品のみしか公共調達できない事を書きました。
その関係で、年間8兆円近くある、官公需のうち、障害福祉施設などは3億円程度しか受注実績が無いことを説明しました。

そしてこの解決策として、平成20年に議員立法で無形資産である「役務」の提供も可能にするハート購入法について質問しています。

下記の動画をご覧ください。


なお、時間はこの動画の「16分48秒~23分57秒」が今回のブログの内容です。

そしてこの動画に出てくる資料4は下記のものです。
マサキング子育て奮闘記 ‐広汎性発達障害の息子を抱える父親の日記‐-資料4


ハート購入法には法的な整備をやらないと制定できません。
山本ひろし参議院議員は、この質問のなかで野田総理大臣に対して下記の質問をしています。
「官公需の例、工賃倍増の件、またこのハート購入法を含めた推進、この件に関して総理の認識をお伺いをしたいと思います。」
そして野田総理の回答は「現在検討している自立支援法改正案などの関連する議論を踏まえつつ、今後とも障害者の就労促進政策を推進をしていきたいというふうに考えております。」と回答しています。
しかし実際には現在検討されている障害者自立支援法の改正案の中には、この予算は全く盛り込まれていません。

要するに今の民主党政権は、全く障害者の就労支援をまともに考えていないということです。
これを裏付けるのが下記の山本議員の質問。
「この一体改革の素案の社会保障の充実、1%、2.7兆円程度ございますけれども、障害者の福祉政策は入っておりますか。」
岡田克也社会保障・税一体改革担当大臣「今回(消費税増税分)の5%の中には含まれておりません。」

ということなんです。
いま現在議論されている、社会保障と税一体改革では、障害者の福祉政策に関する予算は全く入っていません。

障害者というのは、発達障害の方、難病の方を含めて1000万人います。1000万人の人に対する支援ということをどう考えるかというのは、社会保障の中でも大事な位置付けです。しかし、何も入っていません。

これが民主党の考える、社会保障と税一体改革であり、障害者の就労支援なんです。

社会保障の中には1000万人も居る障害者は完全に無視されてしまっています。
消費増税を掲げるのであれば、キチンと社会保障の中に障害者支援を入れるべきだと感じています。

なお、それ以降の内容に関しては社会保障・税一体改革による障害者支援のあり方と予算についてが議論されています。
残りのやりとりに関しても、すべてテキストデータにしましたので掲載しおきます。
これは国会の予算委員会で、各大臣が出席して行われた、障害者支援の大切な答弁です。
このブログではこの点については解説しませんが、是非とも皆様動画を観て考えてください。

答弁内容 2月8日 参議院予算委員会 【非公式文面】
●資料4に基づく質問及び答弁

○山本博司君 資料四、御覧になっていただきたいと思いますけれども、そういう中でやはり何とかこういう法的な整備をやらないといけないということで、私たち、議員立法を平成二十年に出しました。平成二十年にいわゆるハート購入法と言われる内容を出したわけです。国がしっかり責任を持つ、そして具体的な計画を立てて、実行はどうなっているのか、実態を把握する、その中に役務を含めると、こういう形が明確になっているわけです。
 今ご総理も同じ千葉の現場の中で多くの方々御覧になっていると思います。これ大きく、先はどの官公需の例、工賃倍増の件、またこのハート購入法を含めた推進、この件に関して総理の認識をお伺いをしたいと思います。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 障害者が地域で自立した生活を送るための基盤としての障害者の就労環境の整備は重要だというふうに、委員の御指摘のとおりだというふうに思います。
 まずは、できる限り一般就労が可能となるように、必要な訓練や企業での実習などを行う就労移行支援事業を実施をしています。また、一般就労が困難な方には働く場を提供しながら必要な訓練を行う障害福祉サービスの提供を促進するとともに、その工賃の向上を図っております。工賃の向上のためには、自治体を通じて事業者による経営努力や受注拡大の取組を支援するだけではなくて、国等の行政機関が発注する官公需の活用も重要と認識をしております。
 いわゆる今ハート購入法案の御提案があるということも承知をしておりますけれども、現在検討している自立支援法改正案などの関連する議論を踏まえつつ、今後とも障害者の就労促進政策を推進をしていきたいというふうに考えております。

○山本博司君 納得できないですね、今の。総理、ほとんど棒読みじゃないですか、官僚の。
 現実的な形で、じゃ今、自立支援法の改正を含めて、この内容が入っているんですか。政令を含めてできるんじゃないですか、これ。もう一回、安住大臣、お願いします。

○国務大臣(安住淳君) これ、やっぱり会計法に基づく多分会計規則で、先生おっしゃるように、古い話でございますけれども、大正会計規則から物件という話でずっと来て、それで昭和二十二年の予決でまたそうなっていると。
 しかし、時代に応じてというお話なんですが、その頭の冠にある、今総理おっしゃったように、頭に乗せる法律、このハート購入法ですか、これは財務大臣というよりも、。議員としても非常に中身は私いいんじゃないかなと思うんですね。その法案を言わば乗せて、それで一気に政令も含めて変えて、役務というものを、つまり障害者の方が例えばお掃除なんかをなさるような仕事というのは昭和二十年代にはなかった話なんで、それはそういうことでやっていくという方向を総理お示しなさったと思いますので、私もその方向で議員としても協力していきたいと思います。

○山本博司君 是非ともその部分に関しては推進をお願いしたい。法的な整備も含めての推進が大事ですので、民主党の議員の方の中にもこういったことを推進されている方がいますので、是非ともこれお願いをしたいと思います。
 それでは、岡田副総理にお聞きしたいと思いますけれども、社会保障と税の一体改革の中で、これ障害者の施策の位置付け、明確じゃないんじゃないかと思うんですけれども、このことを教えていただきたいと思います。

○国務大臣(岡田克也君) 先般まとめました社会保障・税一体改革の素案の中には、一項目、障害者施策について書いております。社会保障改革の中で、障害者施策を一つの項目として掲げまして、「総合的な障害者施策の充実については、制度の谷間のない支援、障害者の地域移行・地域生活の支援等について検討し、平成二十四年通常国会に法案を提出する。」というふうに記しております。
 この国会で法案を提出するということで、そういう意味では、社会保障・税一体改革に一歩先んずる形で法案を御審議いただきたいというふうに考えております。

○山本博司君 じゃ、この一体改革の素案の社会保障の充実、一%、二・七兆円程度ございますけれども、障害者の福祉政策は入っておりますか。

○国務大臣(岡田克也君) これは、今回の素案の中で社会保障四経費の施策というものを五%の対象にしておりまして、それは、御案内のように、年金、医療・介護、そして子ども・子育て支援ということで、今回の増税の中に消費者福祉予算で賄われる施策は対象になっておりません。

○山本博司君 障害者というのは、発達障害の方、難病の方を含めて一千万人いらっしゃいます。一千万人の方々に対する支援ということをどう考えるかというのは、社会保障の中でも大事な位置付けだと思っておるんです。ところが、何もないわけです。
 今回、総合福祉部会を含めた骨格提言をまとめましたけれども、その中にはOECD並みの予算、約二兆円、二兆一千億円ぐらい、今と比べますと一兆円足らないわけですけれども、これをどうやってその財源を含めてやっていくんでしょうか。

○国務大臣(岡田克也君) 今御説明しましたように、今回の五%の中には含まれておりません。
 ただ、政権交代後、障害者の対策については非常に力を入れてきたことは委員もある程度お認めいただけるんじゃないかというふうに思っております。平成二十一年十二月に全閣僚から成る障がい者制度改革推進本部を内閣に設置をいたしまして、その下で、障害当事者を中心とする障がい者制度改革推進会議を開催し、その議論を踏まえて障害者制度改革を推進しているところでございます。
 具体的には、平成二十二年六月に改革の工程表を閣議決定し、昨年八月に障害者基本法の改正、そして障害当事者の思いが込められた総合福祉部会の提言が昨年八月に取りまとめられたところでございます。この提言も踏まえながら、工程表に基づき厚生労働省において先ほど申し上げた法案を提出することにしております。
 今後とも障害当事者の意見をよくお聞きをしながら、しっかりと施策を進めてまいりたいというふうに考えております。

●社会保障・税一体改革による障害者支援のあり方と予算について
○山本博司君 何も分かっていないですね。
 それでは、この総合福祉法、今日の新聞等でも、本格的見直し先送り、障害者自立支援法の改正案。改正案というふうになっているわけですけれども、今、厚労省の案が昨日提示をされた。今日の午後から総合福祉部会の方に説明をする。この今の現状、進捗状況、また内容を教えてください。

○国務大臣(小宮山洋子君) 現在、民主党の厚生労働部門障がい者ワーキングチームでこの法案について議論をされていますが、昨日、このワーキングチームに厚生労働省案をお示しをいたしました。
 厚生労働省案では、障害者基本法の改正を踏まえまして、ほかの人々との共生、社会的障害の除去などを理念として新たに規定をいたします。そして、法律の名称そのものも改めます。制度の谷間のない支援を提供するという観点から、障害者の定義に難病の方々を含めることにしまして、そうした方々を法に基づく給付の対象とします。地域での共同生活の住居を確保して、利用者の利便性を高めるという観点から、ケアホームをグループホームに統合をする、こうした見直しを行うことにしています。
 骨格提言で示されましたその他の論点のうち、障害程度区分ですとか就労支援の在り方については施行後一定の期間をめどに見直しの検討を行うことにしています。
 今後、この障がい者ワーキングチームで議論を進めていただく予定ですが、今委員からも御紹介いただいたように、厚生労働省でも、障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会などの御意見を伺いながら今国会へのこの法案の提出に向けて作業を進めていきたいと思っていますので、野党の皆様方にも是非御意見をいただいて、御協力もいただき、一歩前進をさせたいというふうに考えています。

○山本博司君 その施行時期は来年の四月でよろしいんでしょうか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 済みません、今施行時期は調べさせておりますので、申し訳ございません。二十五年の四月でございます。失礼いたしました。

○山本博司君 当初二十五年の八月から早まっていますよね。要するに、移行が大変だということは、根本的には全面的な廃止じゃなくて今の障害者自立支援法の骨格を維持しながら進めていくということですか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 今、障害者自立支援法によりましてサービスの利用者が増えまして、予算が着実に増えてサービス基盤の整備も進んでいます。こうした良い点を引き継ぎながら、先ほど申し上げた難病を入れるとか定義を変えるとか、目的や理念を見直す、見直すべきところは見直して、今動いているところは是非そのままそこを改善をしていくという形でやりたいと思っています。
 これは、現場の混乱がないようにということは障害当事者の方からも伺っておりますので、そうした観点も踏まえながら、円滑に実施できるようにということも含めて是非やっていきたいと思っています。
 今後とも、先ほど一体改革の中には入っていないということがございましたが、毎年度の予算、ここをしっかり確保することなどで総合的に進めていきたいと思っていますので、御党は今の仕組みを改善していけばいいというふうにお考えだと伺っておりますので、また御意見も伺いながらスムースに、しかも良い改善ができるようにということでやっていきたいと思っています。

○山本博司君 おかしいですよね。これ矛盾していませんか。マニフェストに、二〇〇九年のマニフェストに障害者自立支援法は廃止すると言っているわけですよ。全否定なんですよ。全否定。矛盾しませんか。総理、いかがですか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 二十二年十二月の障害者自立支援法、児童福祉法等の。部改正によりまして、ここで応能負担に改められるなど抜本的な改正が行われています。ですから、マニフェストで民主党が約束をされたことはかなりここの部分でも実現をしていると思いますので、今回、その定義ですとか名前を変えながら、実際に障害者の方々にとってより良い改善になるようにということで考えているところでございます。

○山本博司君 応能負担に変えたのは、自立支援法の改正によって、つなぎ法案によって含めてなっているわけですね。このマニフェストの、二〇〇九年マニフェストには違反しているんじやないですか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の改正法では、障害者基本法を踏まえた基本理念を盛り込むこと、また法律の根幹となる題名ですとか目的規定を改正すること、これを検討していますので、マニフェストにも掲げられている障害者自立支援法の内容としては廃止となるということであると考えています。

○山本博司君 これは、総合福祉部会、いわゆる障害者団体の方々とか違憲訴訟を起こした和解の原告団の方々、この方々に対する理解得られると思いますか。

○国務大臣(小宮山洋子君) それらの団体の方々とも、そして超党派で野党の皆様方との御意見も伺いながら、少しでも今のものが一歩良くなるようにという改善をしていきたいと考えています。

○山本博司君 総理、今この総合福祉部会の担当大臣は何人替わられたと思いますか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 最近における、もちろん厚生労働大臣はいいんですが、その障害担当のいわゆる内閣府における担当でありますが、最近においては福島さん、平野さん、荒井さん、岡崎さん、蓮肪さん、細野さん、蓮筋さん、岡田さんと替わってきています。

○山本博司君 今、障害者の方々は大変混乱しているわけです。二年間掛けて一生懸命議論してきたわけですよ。担当大臣ころころ替わるわけです。本当にこの障害者の方々の声が反映できるのか。いろんなことを、財源のことを含めて具体的に言ってきたわけです。ところが、一体改革にも反映していないわけです。おかしいじやないですか。

○国務大臣(岡田克也君) 委員の御指摘もごもっともなところはございます。ただ、他方で、この障がい者制度改革推進会議、ここがかなり率直に、障害者の皆さんあるいはそれに関連する皆さんにも御参加いただいて御意見をいただき、そしていい方向性が出せたというふうに思っております。
 問題は、ですからそれをいかに実現していくかということだと思いますので、是非ここは、こういう問題、私、与党とか野党とかいうことではないと思いますので、是非、公明党の御協力もいただいてしっかりとした中身のあるものを作っていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 自立支援法の話は、私は中身の問題であって法形式の問題ではないというふうに思っております。だから、中身を、いいものを作るために是非一緒に御協力をいただければ大変有り難いというふうに思っております。

○山本博司君 やはり提言の中でも、ほとんど財源の必要なものが今回反映されていないんですよ。
ですから皆さん困られているわけです。そういう財源の位置付けをどうするかということをしない限りはなかなか先に進まないというのがございます。やはり超党派でいろいろ様々やらないといけないということもございますので、是非これは様々な議論が必要だと思います。
 ただ、このマニフェストに関して言えば、医療も年金も廃止という形で、違反をしているということを、これだけは言っておきたいと思います。以上です。