" 上意討ち 拝領妻始末 "
= 主君の命(上意)により罪人を討つこと
監督 小林正樹
原作 滝口康彦
出演 三船敏郎
司葉子
加藤剛
神山繁
三島雅夫 家老
仲代達矢
会津松平藩二十四万石
***
剣を構える三船
相手は藁人形
それを見守る仲代ら
藁人形を一刀両断
馬廻り三百石の三船
殿お買い上げの刀の試し切り
*
三船と国回り支配仲代は親友
藩中で剣の両雄
三船は家付き女房の養子になり
尻に敷かれ続けて二十数年
三船は息子剛に一日も早く嫁を迎えて
孫の顔が見たい
でも三船の家は女房のすがが難しい
すがの気に入る嫁でなければつとまらない
*
御側用人神山様が三船の屋敷に来る
三船の家 始まって以来のこと
大奥の葉子の方様にお暇が出た
その葉子の方様を当家の長男剛の嫁として
差し遣わされることに相決まった
二、三日後に返事を聞きに参る
*
すが怒る
なぜその場で断らなかったのか
葉子の方様にお暇が出されたのは
男子出産(殿の次男)の後
新しい側妾に嫉妬逆上し殿の頬を平手打ちした
そうは言っても殿の御内意
拝領せざるをえないのでは
と、次男の意見
剛は無言
*
三船は仲代に相談
仲代は気乗りがしない、と
しかし むげに断っては
後々面倒なことが起こる
のらりくらりかわしては
*
御側用人神山様が三船の屋敷に再び来る
三船はあまりにも恐れ多いと再三遠慮
なにを申す、これは殿の御内意であるぞ
見かねた剛が拝領を申し出る
*
剛と葉子は祝言
葉子は噂と予想に反して
忍耐強く従順で働き者
夫婦仲も至って睦まじい
*
二年経ち
三船に孫娘が産まれた頃
殿の長男が病死
次男がお世継ぎとなる
となれば葉子は御世子様の母
大奥へ返上の沙汰が・・・
意地を張って
これが正しい道か?
命を第一とする道もあったろうに
かなり大勢を巻き添えにして
みんな家族もいただろうに
復讐は好まないけど
生きていれば
またの機会もあったかも
それにしても
死に際まで
よくしゃべっるな
生後半年の赤ん坊に
1967年 日本映画 121分
ヴェネチア国際映画祭 国際映画評論家連盟賞受賞
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