「 夕やけ雲 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 夕やけ雲 "


監督 木下惠介
出演 望月優子
   田村高廣
   久我美子
   東野英治郎
   有田紀子


  ***
 大都会東京の片隅に
 生活にもまれて消えてしまった
 少年の日のあこがれ
 それは
 夕やけ雲の美しさにも似て
  *

新宿区落合あたり

僕は洋一、20歳
母ちゃん優子と2人で
小さな魚屋をやってる

時々帰って来る姉美子
姉は夫とよくもめる

2階の窓から双眼鏡をのぞくと
4年前が見える

 *
魚をさばく英治郎
まだ死んでない洋一の父

美子はもうすぐ田村と結婚
目下うきうき
田村は金持ちのひとり息子


出前を手伝う洋一
16歳の中学生
魚臭い魚屋が嫌い

楽しみは2階からの覗き
自慢の双眼鏡で
標的は遠くの家の美人
 これが大人への第一歩だ


田村は親父の会社が倒産し
金持ちじゃなくなる
美子は態度を豹変
一方的に婚約解消


英治郎は最近体調が悪い
心臓の動きがおかしい
健康保険には入ってない


美子は次の結婚相手を見つける
ふた回り年上の金持ち


洋一は2階から覗いた女を
近くまで覗きに行く・・・



   久我美子



   働き者の貧乏夫婦
   苦労して育てた子供は
   金持ち男をあさる娘、と
   女覗きが趣味の息子



   男性を性格より金で選ぶのは
   反感は買っても犯罪じゃない
   とやかく言われる筋合いはない


   双眼鏡で部屋の中を覗くのは
   微笑ましいくもない立派な犯罪

   それを夕やけ雲の美しさに喩えるのは
   木下惠介のモラル感覚
   ちょっと、ずれてないか?


 有田紀子


1956年 日本映画 78分
 ブルーリボン賞 助演女優賞受賞