" 静かなる決闘 "
監督 黒澤明
原作 菊田一夫
出演 三船敏郎
三條美紀
志村喬
千石規子
一九四四年
南方の野戦病院
あふれる負傷兵
くたくたの軍医敏郎
まだまだ運ばれていくる負傷兵
次から次へとオペ
敏郎は誤って自分の指を切る
その患者は梅毒
敏郎も感染する
野戦病院に治療薬がない
*
一九四六年
町の個人病院
外科・産婦人科
院長は敏郎の父喬
敏郎は副院長
待合室に力なく座る規子
自殺未遂の妊婦
看護婦見習いになったが
やる気はない
敏郎が戦地へ行く前からの許嫁美紀
六年待ったが敏郎が結婚に踏み切らない
敏郎は理由を言わない
最近、病院ではちょくちょく
サルバルサンがなくなる・・・
サルバルサンは有機ヒ素化合物薬剤で
梅毒などスピロヘータ感染症の特効薬だったが
副作用が強いため現在は使われない
サルバルサンにとって替わったのが
ペニシリン
第二次世界大戦で連合国軍が使用し
終戦後民間に開放された
日本では
1946年からGHQの指導で生産が開始され
翌年から国内で使用できるようになった
「 酔いどれ天使 」の名演技で
三船敏郎は黒澤明に気に入られ
主役を獲得
ペニシンがまだ手に入らなかった頃の
梅毒に悩むとっても真面目な医師の話
梅毒は早く治療しましょうって話
梅毒は
第1期・第2期の症状が出た後
数年から数十年の潜伏期を経て第3期に移る
三船はヤクザじゃないので
決闘はしない
他にも
決闘する人は誰もいない
決闘の兆候すらない
ペニシリン系抗生物質の連続投与で
第1期なら1ヶ月以内
第3期以降でも3ヶ月で治癒する
ただし
第4期発症を放置すると死に至る
ようやくペニシリンが手に入るようになった頃
この映画を見てサルバルサンを毎日飲んだ人は
副作用で苦しんだのでは
1949年 日本映画 94分
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