scaphandre = 潜水鐘、潜水服
潜水鐘は
中に人を入れ水中に潜らせる為の吊鐘状の装置
19世紀初期まで使われていた
と、説明したけど
映画に出てくるのは潜水服の方
監督 ジュリアン・シュナーベル
原作 ジャン＝ドミニック・ボービー
撮影 ヤヌス・カミンスキー
編集 ジュリエット・ウェルフラン
出演 マチュー・アマルリック
エマニュエル・セニエ
マリ＝ジョゼ・クローズ
アンヌ・コンシニ
マリナ・ハンズ
イザック・ド・バンコレ
エマ・ドゥ・コーヌ
ジャン＝ドミニック・ボービー
1952年、パリに生れる
1995年
意識を取り戻すジャン
目も見え、耳も聞こえる
医師の言っていることも判る
ここは北フランスの海辺の街
ベルクの海軍病院
パリの病院からここに移された
12月８日に発作で倒れ
３週間近く昏睡状態だった
医師の質問に答える
自分の名前を言う
３人の子供の名前を言う
言っているつもりだが
声が出ていない
脳底動脈血栓により
脳幹が損傷を受けた
でも現代医学により
命を長らえた
橋底部の両側障害で四肢麻痺
両側顔面神経麻痺
仮性球麻痺 -構音障害と嚥下障害
非常に特殊な症候群
"ロックトイン・シンドローム"
"閉じ込め症候群"になった
でも生きてはいける
希望はある？？
全身の麻痺以外はノーマル
意識は清明
動眼神経も正常
左まぶたは動かせる
右まぶたは動かないけど
まるで海の底にいるような感覚
叫べども声は出ない
誰にも聞こえない
リハビリを手伝うのは
マリ＝ジョゼ、言語療法士
マリー、理学療法士
2人共美人
体が動かないのが残念
まばたきでの意志表示を教わる
"はい"は１回
"いいえ"は２回
*
ジャン＝ドミニック・ボービーは
「 ELLE 」の編集長だった
*
車椅子に移され病室を出る
回廊にある白い大理石の胸像は
ナポレオン３世妃
この病院の後援者だった
最初の面会はエマニュエル
元妻、今は子供の母
マリ＝ジョゼから言葉の伝え方を習う
アルファベットを読んでもらい
まばたきで合図する
読む速度とまばたきのタイミングが難しい
根気が続かない
伝えたい事は伝わらない
海の底で１人になりたい
僕は42歳の大きな赤ん坊
２人目の面会はピエール
４年間ハイ・ジャック犯の人質になった
絶望の中を生き抜いた
３人目の面会は友人バンコレ
マリ＝ジョゼはアルファベットを読む
まばたきで合図し文を綴る
私は死をのぞむ
僕は植物人間？
僕は植物？
野菜？ ポテト？ ニンジン？
僕の人生は
小さな失敗の連続
愛せなかった女たち
つかめなかったチャンス
逃してしまった幸福
病院のテラスは
チネチッタのよう
景色はまるで映画のセット
左目のほかにも
麻痺していないものが２つ
想像力と記憶
倒れる前に契約していた
本を出版しよう決める
マリ＝ジョゼが出版社に伝え
筆記者アンヌが来る・・・
実際に"閉じ込め症候群"になった
「 ELLE 」の編集長
ジャン＝ドミニック・ボービーが出版した
"潜水服は蝶の夢を見る"を基に作られた
この邦題おかしい
"アンドロイドは電気羊の夢をみるか？"
のパクリか？
原題は"潜水服と蝶"
潜水服は蝶の夢は見ない
蝶を夢見るのは
潜水服を着ている気分の人
潜水服を着ている気分の人を
潜水服と言い切るあたり
デリカシーがない
ブタに似た人を
ブタと言い切る子供と同じ
困ったことに
登場するフランス美人が
皆同じ顔に見える
僕は相貌失認症か？
前半40分はジャン目線
その後は一部ジャン目線
ジャン＝ドミニック・ボービーは
42歳で倒れた
いつ、病気になるか分からない
タバコを吸わなくても
酒を控えても
ダイエットしても
なる時はなる
突然、
何も食べられなくなる
お尻も触れなくなる
未来のために今を我慢して
後悔する人もいる
未来を顧みず今を楽しみ
後悔する人もいる
どうなっても後悔しない生き方を
模索しよう
ジャン＝ドミニック・ボービーは
倒れた１年と３ヶ月後
45歳の誕生日前に誤嚥性肺炎で亡くなった
2007年 フランス映画 112分
ゴールデン・グローブ 外国語映画賞、撮影賞受賞
放送映画批評家協会賞 外国語映画賞受賞
インディペンデント・スピリット賞 監督賞、撮影賞受賞
セザール賞 主演男優賞、編集賞受賞
カンヌ国際映画祭 監督賞受賞
LA批評家協会賞 撮影賞受賞
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