「 狂気の行方 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " MY SON, MY SON, WHAT HAVE YE DONE "


監督 ヴェルナー・ヘルツォーク
製作 デヴィッド・リンチ
脚本 ヴェルナー・ヘルツォーク
   ハーバート・ゴールダー
音楽 エルンスト・ライジハー
出演 マイケル・シャノン
   ウィレム・デフォー
   クロエ・セヴィニー
   ウド・キア
   マイケル・ペーニャ
   グレイス・ザブリスキー
   イルマ・ホール
   ブラッド・ドゥーリフ


 実話から着想を得た

サンディエゴの住宅街を車で流す
刑事デフォと相棒ベーニャ
車内で無駄話
 警官と犯罪者のどちらが本当の悪者か

そこへ無線
 殺人事件発生
 現場へ急行せよ

現場検証するデフォとペーニャ
現場は住宅内の一室
殺されたのは年配の婦人
凶器と思われる刃物あり

容疑者は長身の白人男性シャノン
彼は向かいの家の住人
現場を悠然と立ち去り帰宅

現場はイルマ婦人の家
婦人はシャノンが被害者を刺すのを目撃した
殺されたのはシャノンの母親

シャノンは人質を2人取り
自宅に立てこもる
デフォーが説得を試みる

シャノンは混乱している様子
自分は"ファルーク"だと言い
神はもう必要ない、と叫ぶ

シャノンから電話があった、と
彼の婚約者クロエが来る
 彼はペルーに行ってから人が変わった
 自分のことを"ファルーク"だと言い出した
$0・・映画toほげほげ-ウィレム・デフォー

 シャノンは友人たちとペルーへ
 精神世界のヒッピー旅行に行った
 急流をカヤックで下ることになったが
 シャノンは心の声を聞き岸に留まった
 そして友人は溺死した
 シャノンは心の声に従うようになった

シャノンの母グレイスは
彼の欲しがる物を買い与えた
クロエとの婚約を喜んだが
家を離れるのは許さなかった

グレイスは女手一つでシャノンを育て
それは彼女の生き甲斐で
彼が成人してからも彼が生き甲斐だった

 シャノンはペルーから帰ると
 神が台所にいると言い出した
 オートミールの缶に描かれた男が神だと

 それから
 向かいの家を買う、と言い出した
 また
 月に住むのも悪くない、とも言った・・・

$0・・映画toほげほげ-狂気の行方



   基となったのは
   1979年、サンディエゴに於いて
   34才の男性Mark Yavorskyが
   母親をサーベルで刺殺した事件
   男はギリシャ神話のオレステースと
   自分を半同一視しており
   精神障害を理由に無罪になった


   最初の脚本はゴールダーにより
   実話に忠実に書かれたが
   ヘルツォークの意向により書き換えられ
   実話に即した部分は30%程度らしい



    オレステースの父は
    娘を女神への生け贄として捧げ
    戦に勝利した

    これを恨んだオレステースの母は
    父に恨みを持つ男と身を結び父を殺し
    幼いオレステースを追放した

    やがて成人したオレステースは
    旅人に身をやつし
    母を殺す
    $0・・映画toほげほげ-クロエ・セヴィニー

   息子よ、わが息子、汝は何たるをなした

    お互いの肉を食い
    妻の体を奪い合う
    呪いを解くには
    母を殺さねばならない
    殺しても殺さなくても呪われる
    ためらえば より悲惨

    やがてオレステースは
    復讐の女神に取り憑かれ
    錯乱状態に陥る



  且つてアギーレの魂を押し流した川で
  男も神の声を聞く

  男は
  アギーレ同様神話に取り憑かれる

  故郷に帰った彼の目に
  街の色は違って見えた
  
  男の最大の理解者である母は
  共に神話を演じるようになる

  神話を演じ彼に殺されるしか
  息子を婚約者から取り戻す術はなかったから



     巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督が
     日本でマイナーなのが悲しい


 $0・・映画toほげほげ-狂気の行方


2009年 アメリカ/ドイツ映画 91分