監督 大島渚
原作 司馬遼太郎
音楽 坂本龍一
出演 ビートたけし
松田龍平
武田真治
浅野忠信
崔洋一
伊武雅刀
神田うの
一八六二
江戸幕府は将軍上洛に祭し
警護の名目で浪士を募り
二百余名の浪士組を作る
浪士組はやがて分裂
市中警護を任された三十数名が
新撰組の名を賜る
一八六三
局中法度
一、士道ニ背キ間敷事
一、局ヲ脱スルヲ不許
一、勝手ニ金策致不可
一、勝手ニ訴訟取扱不可
一、私ノ闘争ヲ不許
右条々相背候者切腹申付ベク候也
一八六四
池田屋に潜伏していた尊王攘夷派志士を襲撃
一八六五 ( 慶応元年、大政奉還まで後2年 )
京都
屯所が壬生から西本願寺へ移って間もなく
何度目かの隊士募集があった
新撰組も結成当時は
京・大阪の臨在の道場に檄を飛ばして大量にかき集めたが
随分いかがわしい者も入隊したので
今はそうではない
道場にて入隊者の剣の相手をする一番隊組長沖田総司
それを見つめる
局長近藤勇、副長土方歳三、参謀伊東甲子太郎
志願者の一人加納惣三郎、色白の美青年
町人ながら腕は立つ
最後の志願者、田代彪蔵
腕はやや劣るが闘志あり
対照的な二人が入隊を許された
近藤は加納を自分の小性にする
田代は沖田の一番隊につく
田代は加納に言い寄るが相手にされず
ひと月もせぬうちに
うわさが広がる
加納はまだ女を知らない
言い寄る男があるらしい
特に五番組隊長の武田観柳斎
加納と同期の田代彪蔵
加納君は田代君を避けている
しかし、加納にはそのほうけはたっぶりある
十八にもなって、まだ前髪も落としていないのだ
その道の者に言い寄ってくれと言わぬばかりではないか
むしろ田代君が可哀そうだ
土方は沖田に様子を聞く
土方は加納と田代の腕を試す
田代は加納より一段落ちる
しかし
2人が試合をすれば加納は田代に勝てない
ほどなく
うわさが広まる
加納惣三郎と田代は出来ている・・・
魔性の美青年加納惣三郎の
男色関係を描く
戦国時代より
武将の間では男色が日常茶飯事で
近藤勇の書簡には
新撰組内で男色が流行っていたと記されている
ただし
加納惣三郎が男色を行なっていたかは不明で
司馬遼太郎の創作である
逆に
加納惣三郎は女好きで
島原の錦木太夫へ通い詰め
金欠のため辻斬り強盗を行い
怒った土方に斬り殺された
との話も残されている
時々描かれる近藤勇と伊東甲子太郎の対立
何かの伏線かと思いきや
物語に何の関係もなし
説明にもなってない
不自然な説明的独白
疑問を投げっ放し
最後の一言が答えだとすれば
あまりにあっけない
大島渚は撮影後
闘病生活に入り
これが遺作となった
ご冥福をお祈りします
1999年 日本映画 100分
ブルーリボン賞 作品賞、監督賞、助演男優賞、新人賞受賞
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