「 脳内ニューヨーク 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " SYNECDOCHE, NEW YORK "

   synecdoche = 代喩 : 一部で全体を、全体で一部を表す法


監督 チャーリー・カウフマン
出演 フィリップ・シーモア・ホフマン
   サマンサ・モートン
   ミシェル・ウィリアムズ
   キャサリン・キーナー
   エミリー・ワトソン
   ダイアン・ウィースト


中年太りのフィリップ
妻キャサリンと娘オリーヴの3人暮らし

その日
娘は緑色のうんちをして
洗面台の蛇口が壊れフィリップは額を切る

外科で縫合してもらったフィリップは
眼の異状を指摘され
眼科医に脳神経科を紹介される

そのフィリップは演劇の演出家
初日間近でリハーサル
主演女優はミシェル
劇場の切符売りはサマンサ36才

夫婦で通うカウンセリング
キャサリンは夫のいない生活を夢見ると告白
そのキャサリンは
将来有望な極小絵画家

サマンサはフィリップに惚れている
しきりにモーションをかける
でもフィリップはミシェルに気がある
ミシュルもその気がありそう

サマンサの買った家は
いつも火事で煙が出てる

キャサリンは夫の演出をこき下ろし
やがて子供を連れて離婚

フィリップの体に様々な症状
発疹、歯周病、痙攣発作

フィリップは次の演劇の題材を
自分自身に決める

しかし自分を探れば探るほど
劇は大がかりなものになり
刻々と変わる自分を演出し続け
演者は増え、セットは巨大化
開演できぬままに10年以上の時がたって行く・・・


  予想以上に
  辛口で不可思議な映画

  邦題はよくない
  マルコヴィッチの穴を連想してしまう


 演出家は
 個の代表として自分を描くことにより
 社会全体を描こうとした
 しかし
 ごく小さい存在と思っていた自分は
 社会との関係の上に成り立っていたので
 自分を正確に描くには
 社会全体を描かなければならない矛盾に陥った


   彼は
   停滞と非停滞の間の不確実な
   半現実の世界に住んでいる
   時間は狂い出来事の順序はメチャクチャ
   それでも つい最近まで
   果敢に努力を続けてた
   状況を理解しようと

 
 人生が自分を演じる舞台だとすれば
 それを演じる自分は役者という仮の姿なのか
 だれもが主役だとしても
 所詮、誰かの演出に寄って生きているだけなのか


  この社会で 生きていくために
  もうクソったれなほど長い間 傷ついてきたのに
  幸せな振りをしている
  誰もが悲劇だから
  誰も他人の悲劇に耳を貸さない
  それなら みんなクソくらえ

  
   カウフマン全開の人生ドラマ


 $0・・映画toほげほげ-脳内ニューヨーク


2008年 アメリカ映画 124分
 インディペンデント・スピリット賞 新人作品賞、
                  ロバート・アルトマン賞受賞
 LA批評家協会賞 美術賞受賞



   マッカーサー・フェロー賞は実在の賞で
   毎年20名ほどの独創的な活躍を期待できる人に
   50万ドルが送られる

   この賞を提供しているのは
   ジョン・D・アンド・キャサリン・マッカーサー財団
   助成団体として、資産規模はロックフェラー財団を超える