" SM RECHTER "
rechter (独) = 裁判官
演出 エリック・ラメンズ
出演 ジーン・ベルヴォーツ
ヴィール・ドベラール
実在した裁判記録に基づく映画
あらすじ、ネタバレ御免
1990年
クーン判事とその妻マグダは結婚15年目
中学生の娘もいて、一見幸せそうだが
妻は半年前にクビになってから鬱に
ある日ついに発作を起こし入院
退院してきた妻は
結婚前からSM願望があったが
拒絶されるのが恐く言えなかったと告白する
縛られて痛めつけられて責められたい
夫にその趣味は全くない
それは刑法に違反する行為、暴行罪
でも訴えがなければ裁判にはならない
精神科医にも相談する
やってみる価値はあると言う
大脳辺縁系は痛みに反応し
エンドルフィンを分泌する
これは痛みと戦うだけでなく
陶酔感も もたらす
過剰な人は痛みが快楽になる
二人は試しに家で鞭打ちをしてみるが
娘がいて安心してできない
知り合いに会う危険性も恐いが
会員制のフェティシュ・クラブへ行く
初日は見学のつもりだったが
妻は我慢できず二人で参加
店長は親切で
鞭の打ち方の基本から教えてくれる
定期的にクラブに通うようになり
妻は見違えるように元気になる
1996年
プレイはエスカレートしている
店を借りきりS役の男を雇いビテオ撮影
しかしその男にはレイブの犯罪歴があり
プレイ代をその男が払ったことから
クーン判事は
妻への暴行及び売春斡旋の容疑により告発される
1997年
判決は有罪
罰金と公民権の剥奪、執行猶予1年
判決はマスコミで大きく取り上げられ
特殊な性癖を持つ者の人権について議論が交わされた
SMを異常と定義する精神医学書は
1990年まで同性愛を異常と定義していた
SMは異常なのか
望まれてした行為も罰せられるのか
それらの行為をする店は怪しげな店か
そこへ出入りする人は公職に就いてはいけないのか
そもそも性生活への干渉は許されるのか
まじめな映画です
SMの場面も若干あるので
子供といっしょに見るのは無理ですが
2009年 ベルギー映画 89分