監督 マイケル・マン
出演 ウィル・スミス
ジョン・ヴォイト
マリオ・ヴァン・ピーブルズ
ロン・シルバー
ジェフリー・ライト
ミケルティ・ウィリアムソン
ジェイダ・ピンケット＝スミス
ノーナ・ゲイ
マイケル・ミッシェル
ジョー・モートン
これが本物のボクシング映画だよ
あらすじ ネタバレ御免
1964年 2月24日
夜の街をランニングする男
WBA世界ヘビー級タイトルマッチ初挑戦前日
カシアス・クレイ ( Cassius Clay )
後にモハメド・アリ (Muhammad Ali )と改名する男
1942年1月17日生まれ
アフリカ系アメリカ人
彼の頭に色々な思いがよぎる
"公共施設での黒人分離は人種差別に当たらない"
とする裁判判決がまかり通り
合法的に行なわれる人種分離
ネーション・オブ・イスラムのスポークスマン
黒人公民権運動活動家マルコムX
その過激な発言
セコンドとしてアリを支える
ドゥルー・ブンディーニ・ブラウンとの出会い
2月25日
WBA世界ヘビー級タイトルマッチ当日
vs ソニー・リストン (Sonny Liston)
計量
挑戦者クレイは王者リストンを挑発し続ける
リストン お前は王者じゃない
蝶のように舞い 蜂のように刺す
偉大な俺は8回KO勝ち ぶよぶよ熊め メッタ打ちだ
ぶよぶよ熊公 いよいよだ お前は負ける お前なんか恐くない
ぶよぶよ熊公 ブチのめすぞ
記者の質問を浴びるアリ
宗教問題に質問が集中すると
ちょっと過激な質問をぶつけ
話題を変えるハワード・コーセル
控室
大口とは裏腹に神妙な面持ちのクレイ
マルコムXも応援にかけつける
試合会場
試合予想はリストンが圧倒的有利
クレイは1Rもつのか
第1R
積極的に打って出るリストン
フットワークで逃げるクレイ
前半リストンやや優勢だが
ラウンド終了間際クレイのパンチがヒット
クレイ順調な滑り出し
意外な苦戦に苛立つリストン
第2R
大振りのリストン
フットワークでかわすクレイ
クレイ予想外の善戦
第3R
リストンは空振りする回数が増え
クレイの連打が顔面を捕える
リストンは左目の上を切り出血
第4R
リストンにラフファイトが目立つ
リストンのグローブに塗られた薬がクレイの目に入る
第5R
クレイの目がかすむ
防戦一方のクレイ
ラウンド終了間際ようやく視力が回復する
第6R
疲れの見えるリストン
クレイの猛反撃
蝶のように舞い、蜂のように刺す
蝶のように舞い、蜂のように刺す
第7R
ゴングが鳴ってもリストンは椅子から立ち上がらない
クレイのTKO勝ち
プロ20試合目、無敗で
クレイはヘビー級世界チャンピオンとなる
ネーション・オブ・イスラムの指導者イライジャは
マルコムXをその過激な言動により
無期限停職処分にする
一方クレイはイライジャより
「 モハメド・アリ 」の名を送られ、改名
ビートルズにも会う
まともなのは丸い眼鏡の奴だけだ
彼は言ってた
自分に正直になるほど、まわりはおかしくなる
7月2日
公民権法制定、法の上での人種差別が終わる
1965年 2月21日
マルコムはマンハッタンの舞踏場で
400人を前にスピーチ開始直後
ネーション・オブ・イスラムの信者3人から
至近距離より散弾銃、短銃で撃たれ
8発の銃弾を浴び死亡
アリがブラックムスリムの一員であると公になり
FBIにマークされる
5月25日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
リストンとの再戦、会場には多数のFBI
1R、2:12、KO勝ち
11月22日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
12R、2:18、TKO勝ち
1966年 3月29日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
15R、判定勝ち
5月21日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
6R、1:38、TKO勝ち
8月6日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
3R、KO勝ち
9月10日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
12R、TKO勝ち
11月14日
WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
3R、TKO勝ち
1967年 2月6日
WBA/WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
15R、判定勝ち
3月22日
WBA/WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
7R、1:48、TKO勝ち
ハワード・コーセルとのTVトークショー
君はただのホラ吹きだ
と言われハワードのかつらをはがそうとするアリ
どっちがうそつきだ?
楽屋裏ではまじめに心配するハワード
政府にマークされてるぞ
君の言動で黒人が暴動を起こすのを恐れてる
4月28日
ベトナム戦争に反対し
徴兵を拒否、逮捕
ベトコンと戦う理由なんて俺にはない
あいつらは俺をニガーと呼ばない
反愛国的的発言により
世界ヘビー級のタイトル及びプロライセンスの剥奪
16,000kmも離れた国まで行って
貧しい人々を殺すなんて冗談じゃない
どうせ戦死するなら、ここで政府と戦って死ぬ
お前たちこそ敵だ
敵は中国人やベトコンや日本人じゃない
お前らこそ 自由の敵 正義の敵 平等の敵だ
そんな国のために戦争ヘ行けだと
国は俺の権利と信教の自由を無視して見捨てたんだ
判決、有罪
刑、懲役5年及び罰金1万ドル
保釈、控訴期間中
プロライセンスはなく、パスポートも取り上げられた為
試合ができず、収入をほとんど失う
政府は経済面からゆさぶりをかける
控訴審、有罪
イライジャもアリを見捨てる
宗教上の良心的兵役拒否者として
連邦最高裁へ再控訴
ハワードとのTVインタビュー
ヘビー級チャンピオンに返り咲く自信と
政府におもねる気のない事を語る
現チャンビオン、ジョー・フレージャーに直接会い
試合の約束を取り付ける
1970年 10月26日
ライセンスなしで戦えるジョージア州で
復帰、第一戦
3R、TKO勝ち
1971年
最高裁が兵役拒否をめぐる裁判で無罪判決
3月8日
WBA/WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
対 ジョー・フレージャー
3年間のブランクは大きく
以前のような軽やかななフットワークが見られない
15R、判定負け
32戦目にして初黒星
7月26日
NABF (北米ボクシング協会) ヘビー級タイトルマッチ
12R、2:10、TKO勝ち
11月17日
NABFヘビー級タイトルマッチ
12R、判定勝ち
1972年 5月1日
NABFヘビー級タイトルマッチ
12R、判定勝ち
6日27日
NABFヘビー級タイトルマッチ
7R、0:19、TKO勝ち
9月20日
NABFヘビー級タイトルマッチ
7R、TKO勝ち
11月21日
NABFヘビー級タイトルマッチ
7R、KO勝ち
フレージャーとの再試合の契約まじか
1973年 1月22日
ジョー・フレージャーがジョージ・フォアマンに敗れる
3月31日
NABFヘビー級タイトルマッチ
12R、判定負け
9月10日
NABFヘビー級タイトルマッチ
12R、判定勝ち
1974年 1月28日
NABFヘビー級タイトルマッチ
対 ジョー・フレージャー
12R、判定勝ち
WBA/WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
ジョージ・フォアマン 対 モハメド・アリ
アフリカ大陸で初の世界ヘビー級タイトルマッチ
ザイールで行なわれる事が決定
ザイールでアリを迎えたのは
貧しい人々が叫ぶ "アリ、ボンバイエ" の声
"アリ、やつらを倒せ"
アリは相変わらずの大口
記者へリップサービス
でも10年前とは違う
試合予想はフォアマンが圧倒的有利
フォアマンが練習中にまぶたを切り
試合は6週間後の10月30日へ延期
10月30日
アリ、32才
フォアマン、25才
WBA/WBC世界ヘビー級タイトルマッチ
第1R
まずまずの打ち合いだが
やはりフットワークは重い
呼吸も乱れる
第2R
ロープを背に打たれる時間の多いアリ
第3R
フォアマンはほとんどの試合で3R以内でKOしている
ロープを背負いフォアマンのパンチを耐えるアリ
第4R
打ち続けるフォアマン
打たれながらもチャンピオンを挑発し続けるアリ
まるで女みたいなパンチだ
全然 効いてないぞ
第5R
第6R
第7R
まったく足を使わず打たれ続けるアリ
アリはロープから離れない
しかしフォアマンは長期戦に慣れていなかった
第8R
パンチを出し続けたフォアマンに疲れが現れる
ロープを背に耐え続けたアリ
残り15秒
アリの連打がフォアマンの顔面を捕える
5発目のストレートがクリーンヒット
倒れるフォアマン
必死に立ち上がるがカウント10に間に合わない
2:58、KO勝ち
アリは7年前に不当に奪われたタイトルを奪還する
この後
アリはWBA/WBC世界ヘビー級チャンピオンを6回防衛
1978に敗れるが、その年3度目のチャンピオンとなる
ヘビー級チャンピオンで最速のパンチを打ち
ヘビー級チャンピオンで最も軽やかなフットワークを使い
ヘビー級チャンピオンで最も美しい試合をし
ヘビー級チャンピオンで最も多弁だった男
ウィル・スミスの顔はアリに似てないけど
ボクシング・シーンはアリそのもの
見ていて心が踊る
でも
映画はボクシング・シーンが中心ではなく
彼が直面する
人種差別、宗教問題、徴兵制度
彼を取り巻く人々との交流が主
テレビで見せたパフォーマンスとは裏腹に
素顔のアリはナイーブで考え深く浮気者
ロッキー君、
これがヘビー級ボクシングだよ
ランボー君、
遠くの国まで行って
貧しい人々を殺す事に何の意味があるの
シルベスター君、
アメリカのためではなく
真の自由のために戦おうよ
2001年 アメリカ映画 159分 製作費10,700万ドル
MTVムービー・アワード 男優賞受賞
サントラの中で
Tomorrow (Sadio) / Salif Keita
はお薦め