佐々木雅士公式ブログ -4ページ目

インフォランスのヘンテコ人材採用方針について

インフォランスの採用と選考は、きっと普通の企業とは違っていると思いますが、
普通とどのように違っているのか、どのように考えているのか、グローバルな視点をもって、
できるだけわかりやすいように説明してみたいと思います。



【採用の特徴1:国籍について】

インフォランスは従業員数が多い会社ではありませんが、日本人だけを採用する一般的なやり方を止めました。大胆に言えば、日本人の中から最適な人材を探すよりも、世界の中から最適な人を探した方が、明らかに有利だと思うからです。

日本国内の業務で、日本語をネイティブに使える能力は重要ですが、それが不十分でも他の基礎能力が高い方が、会社に対する貢献力が高いと考えたのです。

実際に、来年4月に入社する5人の採用人材の内訳は、スイス人、マレーシア人、韓国人、ベトナム人、日本人です。4人が外国人で1人だけが日本人です。休憩時間中に飛び交う会話での言語は、英語だったり中国語だったりとバラエティーに富んでいて、非常におもしろいです(その他にも外国人インターンが3人いて、台湾人、中国人、タイ人がいます)。

その国に進出するから、その国の外国人を採用する時代ではなくなりました。その国に進出する予定が無くても、優秀な人材を世界中から探す時代になっていると思います。インフォランスでも、優秀人材を探していたら、5人中で4人も外国人だったというだけです。

外国では国籍に関係なく人材採用することは当たり前です。日本も少しずつですが、それに近づいていってると思いますね。



【採用の特徴2:大学の成績について】

先進国アメリカでも、新興国でも、大学時代の成績や専攻は重要な採用判断ポイントです(成績は面接と違ってごまかすことが難しいですしね)。しかし日本では、金融機関が好んで体育大学卒の人材を採用したり、営業会社が理系の学生を採用したりと、大学での勉強について企業がほとんど興味を持っていません。これは日本の大学教育に対する不信感の表れです。大学4年間を遊んでしまうダメな大学生を世の中に送り出している大学の責任は大きいですね。

インフォランスも、一般的な日本企業と同様で、大学教育を信用していないので、学部も成績もあまり信用していません。そのため、面接やインターンで接触する部分を重視しています。

ただし、入社したら1年以内にある程度の結果を出すことを重視していますので、1年以内にこうなっていてほしいということを新入社員と約束を交わして入社してもらいます。もしそれに達していないと継続雇用はしないということにしています。入社時点に決める1年間のコミットメントを大切にします。



【採用の特徴3:通年採用】

インフォランスでは、大学1年生でも、大学5年生でも、専門学生でも、9月卒業生でも、どんな状況でも臨機応変に対応します。どの時期でも内定を出したら、卒業までインターンとして、ほぼ従業員と変わらない仕事と給与を得ることができます。

アメリカでは通年採用が当たり前で、あるポストが空いたら、そのポストの人材を採用するのが普通です。日本では一斉に採用活動を行い、同じ時期に入社させて、金太郎飴のような教育を行っていきます。それは効率的で悪いことではありませんが、その方法は決められた仕事だけをする作業員を作ることには向いていますが、うちのようなクリエイティブな仕事を社員に期待するような会社には向いていない採用方法だと思っています。

良い人材と出会えたら、その人にさらに成長してもらいやすいように、インターンで働く機会を与えて、会社への貢献と自己の成長をすぐに図ってもらいたいと考えています。



【採用の特徴4:ポジション別に採用】

日本の採用では、募集は総合職と一般職の違い程度で分けられていることが普通ですが、アメリカでは部署別、役職別で募集されています。インフォランスでは、Wantedlyという採用媒体で、19の職種で募集をしていて、細分化してあって、やってほしい働き方に応じて人材を探しています。

最近の特徴的な募集職種では、すべての事業ドメインの社内改善&改良を徹底的にやっていただく、「スーパー総務」や、社内向けと社外向けの両方の広報活動をやっていただく、「スーパー広報」を募集しています。



【採用の特徴5:採用担当は社長】

採用は会社の戦略において重要なものです。何十人も採る会社であれば別ですが、選別した10人未満を採用する規模であれば、人事部に人選させる必要は無いと思っています。会社説明会をしている時の話の聞き方やメモの取り方やうなずき方で、社長自身で見ていれば、誰が良いかどうかをほとんど判断できてしまいます。給与を支払わなければならない責任を持たない人事部に判断させるより、経営責任を持つ社長が判断した方が正しい判断ができる場合が多いはずです。そのため、選考における最初から最後まで社長自身が関わっています。



【採用の特徴6:採用人数の計画は無し】

採用人数を決めて動くから、無理が働き、採用がうまくいかなくなると考えています。良い人がいたら採用する。良い人がいたらその人に合わせて採用方法も臨機応変に対処する。良い人がいなかったら採用できなくてもよくて、人材の不足部分は外注や派遣さんで対処する。という感じで、自然体の採用計画で進めていっています。これは海外や日本に関係なく独特なスタイルですね。対照的に海外事業会社では日本と違って、これでもかと積極敵に採用を進める計画です。



【採用の特徴7:要らない人を明確に提示する】

多くは採用したい人はどんな人かを並べて提示しますが、インフォランスでは、必要ない人はどんな人かをウェブサイトで並べて提示しています。インフォランスに入る必要が無い人を明示することで、自分と合うかどうかや入社後に活躍できる職場かどうかをイメージできるようにしています。

⇒ こんな感じです




【まとめ】

インフォランスでは、クリエイティブな仕事ができる人材や、業務や仕事をディレクションできる人材だけで社員構成されている会社になるべきだろうと思っています(もちろん、アルバイトやインターンや派遣の方は除きます。社員だけがクリエイティブでディレクションできる人であればいいのです)。

理想を語るのは簡単ですが、実際にそうしていくことは難しいことです。
しかし、理想を追わなければ実現は無い。そう思って、前を向いて進むのみなわけです。

社会での働き方においては激変が起こっています。きっと数年後には今は想像もできないような働き方の選択がある世の中が来ているはずです。

古い一辺倒の雇用方法を捨てて、これから訪れる新しい働く環境に備えた雇用体系を準備していきたいと考えています。ということで、インフォランスの採用方針についてお話させていただきました。変わった会社ですが、ご興味がある方はお気軽に門をノックしてくださいね。


中国の成都での新たな気づき...

2015年、一般的には5連休という、シルバーウィークの時期に、
中国の四川省の成都に来ています。

縁もゆかりも無い場所ですが、見聞を広めてみようという思いから、
ここ成都の場所を選びました。

想像以上に目的の見聞を広めるということはできたような気がします。
知れたこと、学んだことが多すぎる旅行になっています。

さてこの5日間、晴れの日は1日も無く、すべて雨か曇りの日です。

この時期の成都は一般的に降水量も少なく晴れの日が多い頃なのに、
まるで霧のロンドンのように、どんよりとした日だけが続いています。

さてさて、一番驚いたことに、ここはまさに中国なので、
来てみてからびっくり!!

FacebookもLINEもGoogle(Gmail, google map)もTwitterも、
FacebookやGmailでログインするすべてのサービスが使えず、
一般的な日本人の自分は、めちゃくちゃ不便にしています。

普段の生活の中に、どれだけこれらの通信手段が入り込み、
それらに依存していたのかよくわかりました。

Googlemapは世界中どこでも便利で完璧だと思ってました。
LINEがあれば、世界中どこでも気軽に連絡ができると思ってました。
SMSがあれば、電話などの通信手段は要らないと思ってました。
Emailなんて、過去の通信手段で今後は必要なくなるなんて思ってました。

いやいや、ここ中国では、情報規制が当然のようにされていて、
正しい情報が流通していない世界なんだということが肌身に感じて知れました。


そういう場所ではありますが、成都は素晴らしい都市です。
全体的に言えば、日本人は中国を侮りがちですが、決して侮れないと感じました。

たくさん伝えたいことはあるのですが、いろいろ書くとぶれるので、
これくらいにしておきます。

とにかく、普段の通信手段のほとんどが使えないということを伝えたかったのです。
(アメブロに書くとFacebookに自動掲載されるから間接的にFacebookが使えた(笑)






社員の力を信用していない=社員を愛していない、ということ?

会社として、仕組み化やスキーム化を積み重ねていって、効率化を追及して、
社員の能力などでブレないサービスや商品の提供を図ろうとすると、
外からは社員を信用していないとか、愛が足りないとか、
社員をロボットのように扱っているとか、
そのやり方にいろいろと言いたくなる人が存在する。
だか、その一面的な理解はまったくもってズレている。



会社は業務やサービスを仕組み化・スキーム化することによって、
社員に乗っている単純な作業を通常業務から外し、
考えることや特定の能力が必要で、
そのためにやりがいがある仕事だけに関われる環境を提供してあげることができる。

これは成長意欲がある社員にとって充実して働けることにつながるし、
仕事が難しいゆえに年収も増えることになる。
収入に反映することで、結果的に社員に働きがいとやりがいを与えることに通じる。

そして、仕事において無駄な作業を効率的に減らすことは、
社員個人の時間を増やすことにもつながる。

大企業を除く多くの一般企業は、社員に時間の切り売りを望んでるのではなく、
会社が期待することに対する結果を出してくれることを望んでいる。

定時にとっとと帰ろうが、遅くまで残って働こうが、
根本部分では、会社は各社員の結果の出し方のプロセスには興味がない。

各社員の頑張りだけによらない安定したビジネスモデルを作り上げることは、
働く社員にとっての仕事における無駄なストレスを減らすことにもつながって、
働く満足度が高まることになる。

大企業は、今までに時間をかけて仕組みとスキームを作り上げて効率化をしてきたため、
ほとんどの社員は責任も少なく仕事が楽ちんだからストレスがなく、
とっとと帰ったりして個人の時間を楽しんでいる。
仕事が楽で各人の業務範囲も明確だから困惑も少なくて、会社を辞める割合も低い。
※大企業の経営スタイルを全面的に肯定しているわけではない。
 ただ、仕組み化されていることで発生しているメリットについて言及したいだけ。

各社員がビジョンもミッションも心に掲げることもせずとも、
全員が死に物狂いで働くこともせずとも、
会社の利益が億単位で数えられるなんて、
本質を突けば、各社員の力ではなく、秀逸なビジネスモデルの力でだから実現できている。

一緒に働く仲間が、全員で目指している目標とは、そこに到達することであって、
必ずしも苦しんだりもがいたりしながら到達しなきゃいけないものではない。
逆に楽ちんに到達できた方がもっと良い。(=船頭である社長の大切な役割)

であれば、経営者の経営上の重要な仕事は、社員に鞭打つことや飴を与えることや、
丁寧な社員教育ではなく、他社より少しでも秀逸なビジネスモデルを構築することであり、
そのビジネスモデルを生み出すために一生懸命に考えることである。
※経営者の役割について言及しているわけで、社員教育が必要ないとは言っていない。
 経営者の業務の中での重要な役割についての話である。

社長というものは、頑張っているのが常なので、
甘えた働き方をする社員を見ると苛立つのが自然だし理解できるが、
そんな社員を見ながら、大企業には甘えた社員がたくさんいても
莫大な利益が出ていることを思い出し、
社員の力だけによらない、強いビジネスモデルと完成された仕組みを持つ
会社を作らなければならないと強く思うのである。
社長の一番重要な役割を見失ったり間違ったりしてはならない。