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BRM425東京600kmするっと浜名湖鰻 【完走】 (下)

「ブルベ戦記」 第270
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(上)からのつづき

さあ、4/25(土)早朝にスタートした、BRM425東京600kmするっと浜名湖鰻

熱海峠を越えて100km過ぎです
(といっても全行程のまだ6分の1です)。
日曜夜(21時 ※当初設定)までに東京に戻ってきてゴールしないと、タイムアウトです。 
先を急ぎます。


4/25 11:12
熱海峠を沼津方面に豪快に下ります。日曜の復路でも、登り返す道。


11:53 沼津市街
70人以上が出走しているはずですが、さすがに600kmだと参加者は前後にばらけ、姿はまばらです。私はしんがりからの追い上げなので、母集団からはまだ遅れており、なおさら。


12:10 県道380号 千本松
東海道方面のブルベではかならず通る、田子の浦(あるいは、さらに先の富士川)までの直線(約20km)。

退屈します(笑)。ここを(長いなあ)などと意識し始めると、思わぬ疲労を呼びます。
いかに無意識のうちにあっさり通過しているか、がポイント。
その際は風向きも関連してきますが、この日はここの区間はほぼ無風。
交通量も土曜にしては少なめ?で、案外、すんなりと通過できました。


13:28 由比の旧街道
ここは旧東海道の風情が古い建物などで残っていて、好きな区間。
散策する観光客の姿も目立ちます。

そして今回は、国道1号沿いにゆかず、そのまま、さった峠を駆けあがります。

ダンシングを交えて一気に登り始めたら、タイミング悪く、上からタクシーが降りてきました(泣)。道幅がクルマ1台ぎりぎりなので、急坂の途中で仕方なく、バイクを降りてタクシーに道を譲ります。


13:32 さった峠の途中
ここでまだ、プチ峠の半ば。しかし駿河湾が望める絶好の場所です。


14:01 清水市街
さった峠をおりて興津で国道1号にまた合流。
先行の参加者においついてきます。


PC2(174.1km サークルK清水折戸店 14:18着)

貯金2時間あまり。ソロ走行に入ってから、少しづつペースをつかんできました。
疲労もなく、快調。ただ、食べ過ぎに注意しながら、慎重に口に入れるものを選びます。
牛乳(500ml)は、私にとっての補給のマストになっています(冷たくて美味しいし)。


14:47 国道150号 いちごライン
さらに西へ。海沿いから静岡の市街地を目指します。
やや向かい風あり。巡航速度は30km/hには達しません。
ここでソロ走行なのは痛いですが、他力本願ではいけません。
ひとりでできること、を念頭に、こぎ続けます。

案の定、ソロでのペースは上がっていなかったらしく、安倍川から静岡の市街地へ入った後、さらに宇津ノ谷峠へ至る区間で、後続の集団数台に追いつかれました。
ですが、これ幸いと、この列車に便乗して一緒に宇津ノ谷峠を越えます


15:46 
宇津ノ谷峠でこの集団がばらけ、
私は先行する数台とともに行きます。
このなかに、知り合いのPIPIさん、Sさんがいたので、しばらくご一緒。


16:57 焼津の内陸側の市街地を縦断し、大井川の堤防沿いへ。
だいぶ日が傾いてきました。
それにしてもこの2人。Sさんが機関車役で、ペースが速い。
途中で、(これはこっちがもたなくなるな)と直感し、大井川橋からはこちらはペースを落としました。

2人は先行していきますが、また、のちに合流したり(と結局、ゴールまでこの2人とは似たり寄ったりのペースでした)


17:11 県道381号 大井川橋を渡ります。


18:23 
ここから先、大井川沿いの市街地を離れ、県道81号という、新東名高速道路沿いの山沿いの道を進みます。

ところが、、、、、
コースの235km過ぎで市道(という名称ですが、実際は山道)で山越えする区間が土砂崩れでこの日、不通になっていることが先頭組からの連絡で判明。

我々、当日出走しているスタッフ間でも電話やメールで連絡が回り、クラブ側でこの区間のう回路(県道81号)を設定し、参加者に一斉メールするとともに、通りかかる参加者に現地で案内もすることに。

私の携帯にも何度か着信があったようで、小休止した際、折り返し連絡して、これらの状況を把握。
その時はちょうど、う回路の数キロ手前にいたので、まず、う回路の入口へ。
先行していたスタッフHさんと会い、そこにいた参加者数人と私が、一緒にう回路へ。



18:36 う回路の県道、とはいえ、ほとんど林道並み。
土砂崩れの跡もあり、路面には木端や石などが散乱していて、パンクの恐れも多い区間でした。数台で慎重に進みます。


19:17
この林道区間を越えている間に日が暮れました。
長い下りですが、ほんと、感覚的に長~い。

う回路から、本来のコースにある県道40号に入り、通過チェックへ。
サイコンで確認したところ、う回路で5kmほどの距離加算。




通過チェック(251.9km ローソン遠州森町店 19:44着)

う回路の状況をクラブ側に電話で報告したりして、小休止。
ここから再びソロ走行へ。

ここから次のPC3までは50km弱でしたが、市街地の近郊で夜闇が多く、ソロ走行で陥りやすい眠気も発生。ペースは落ちていました。
途中のどこかのコンビニで15分ほど仮眠も。
せっかくここまで挽回してためたちょっと貯金は、う回路もあり、で、いつのまにか霧散していました。

そして、昼と夜の寒暖差も身体にきます。昼間が汗ばむとはいえ、まだ4月。
とにかく日が暮れてからは急に寒くなり、長袖のウエアなどをさらに着込みました。




23:49 浜名湖


(写真提供 Mさん)

PC3→通過チェックに変更(298.7km セブンイレブン湖西太田店 4/26 0:39着)

そして、ようやく半分まできました。
残り300km、と考えると(そんなものか)と気は楽でしたが、夜が明けるまでにある程度、1時間ぐらいは仮眠しておく必要はあります。

とりあえずここでしばらく仮眠。
その間に、う回路で誘導のためにずっと現地にとどまっていたHさんや後続のMさんら後続のスタッフも到着。ちなみにPC3はう回路設定のために通過チェックに変更され、
制限時間も、当初の40時間から、1時間プラスの猶予が与えられたことをここで聞かされました。

しかし、ほかのスタッフはここでDNFする、とのこと。
確かに1時間猶予になったとはいえ、私も本来のこのPC3のclose時間(~0:56)比では、貯金はほぼ皆無。仮眠時間は猶予分の1時間で、ということでしょうか?といった具合。

一瞬、自分もここでやめようか、と思いましたが、PBPがあります。
引き続き、走り続けることに。
で、ひとり、再び夜道へ出ました。




唯一、この時点で心の支えになっていたのは、事実上の折り返しを過ぎて、復路だ、ということ。300km以内なら、1日で走り切れる距離。復路で熱海峠はもう1回ありますが、なんとなく体力が残っていて、走り切れる自信はありました。

ただ、夜明けまでに少しは寝ておきたい。

今回のコースで頭を悩ませたのは、深夜~未明に1~2時間仮眠できるような健康ランドなどがコース沿いになかったこと。ホテルも限られ、「宿無し」で臨んだわけですが、そうなると、コンビニの軒下で仮眠する「野宿」状態がふつう。ただ、天気が良ければできること、ですが。

結局、コースの320kmほどの地点(県道316号)、浜松市南区新橋町のコンビニ・サークルKのあたりを通過した際、静かでよさそうだったので、ここの軒下で、サバイバルシートをかぶって約1時間の仮眠をきめこみました。

zzz,,,,


4/26 5:19 

仮眠から目覚め、走り出したら、夜が明けてきました。 
御前崎(浜岡)方面へ。

今日もいい天気になりそうです。


6:00 国道150号


6:01 浜岡の風力発電が見えてきました。




通過チェック(360.5km セブンイレブン御前崎浜岡店 6:32着)

だれも参加者の姿が見えないので、(ここのコンビニでよかったか?)と一瞬惑いましたが、時間が遅れ気味だったので、そうだったのでしょう。

そしてさらに、
キューシートで次のPC4のclose時間をみて、焦りました。
62km先で、close時間は本来は9:16、猶予時間プラスで、10:16です。

(あと3時間しかないぞ)

ブルベですでに300km以上走破した上、なお平均速度20km/hは、きついです。
ましてこの先の区間、市街地あり、宇津ノ谷峠もあり、です。
(これはやばい。間に合わないかもしれない)と思いましたが、
幸い、仮眠のおかげで身体はすっきりしていました。

(よし、ここはなんとか間に合わせて、PBP行きを決めよう)
そうスイッチが入りました。





ここからはしばらく、サイコンとにらめっこでした。
できるだけ20km台後半で巡航し、市街地や峠に備えます。

焼津の駅近くなど市街地を抜けていきますが、信号にもひっかかります。
ただ幸い、日曜の朝だったこともあり、市街地の交通量は少なめでした。
すり抜けなどはあまりなく、速度を維持できました。


そしてまた、宇津ノ谷峠へ。


9:00
まあ、ここの距離はまったくたいしたことはありません。
一瞬、坂を頑張れば、あっという間でした。
(と過ぎてみればそう思えるのですが)




PC4(423.6km サークルK静岡おおや店 10:02着)

なんとか、タイムアウトの危機は免れました。
ここで、PIPIさん、Sさんとも再会。
2人は寄り道(昼食)してくらしく、また別行。
こちらはまたソロで。


10:34 国道150号 いちごライン
ひたすら、来た道を戻ります。
時間的には危機を脱した(と思った)ので、サイクリング気分(とはいえ、実際の走行距離はすでに400kmを越えているのですがw)。



11:19 興津の健康ランド

AJ神奈川のスタッフのみなさんが集まってました。
ゴール受付のようで、健康ランドを過ぎてから、向こうから走ってくるランドナーとたびたびすれ違いました。


11:21 由比
晴れていてもうっすら雲がかかっているようで、富士山は望めず。


11:28
いつもの踏切を渡り、再び由比の旧街道へ。


13:25 沼津まで戻ってきました。



通過チェック(492.2km セブンイレブン函南平井店 14:10着)


15:39 再び熱海峠
ひたすら、忍の字で、10%勾配前後のまっすぐな坂を10kmほど登り続けます。

MOA美術館からの下りの途中で、チェーンが外れてしまい、手が油で真っ黒になる、というプチアクシデントはありましたが、下りは基本的に飛ばしに飛ばし、そしてなんとか小田原も通過。



18:10 無事、相模の国まで戻ってきました。



PC5(556.0km セブンイレブン平塚北豊田店 18:19着)
ここまでにようやく、参加者の一集団に追いつき、しんがり(ぎりぎり)からの脱出を確認。


20:18  中原街道

とはいえ、まだぎりぎり感はあるので、アクシデント対応の時間を確保すべく、
長後街道~中原街道まで、飛ばしに飛ばします。
ゴール数キロ前まできたところで、ペースダウン。
あとは流して、そして無事ゴール!!!




ゴール(601.2km セブンイレブン川崎武蔵中原店 20:56着)

結局、出走76人中、完走53人(DNF23人)だったようです。
完走者のほとんどが、38時間~39時間台に集中、と厳しいブルベでした。

このBRMの名称「するっと浜名湖鰻」は、手からするっと抜けていってしまう(完走しにくい)ということからの由来かもしれません。ということは、後から分かったことですが(笑)


600kmブルベを終えて帰宅後、タイヤをみたら、傷だらけ。
それでもノーパンク、RACE D 秀逸です。これからも使い続けます。



そして5/3
ついにPBPの仮登録(preregistration)を完了。
出走は8/16 18:00となりました。


PBPで着るウエアの選定も。こういうのは楽しい過程です。


いつもの練習コース、尾根幹ジャージもPBPに持参予定。


さっそくGW中も、坂の練習などしてます。


<markun 走行記録集>

  
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「ブルベはフランス語で『認定』を意味します。ブルベには様々なものがありますが、オダックス・ジャパン(AJ)が統括する日本でのブルベはBRMといいます。BRMは規定の距離を規定の条件で完走すると認定される長距離サイクリングです」

「同じ年に200km、300km、400km、600kmを認定された人はシューペル・ランドヌール (SR。英語ではスーパーランドナー)として讃えられます」

「BRMの最高峰として位置づけられているのが4年に1度、ACP(オダックス・クラブ・パリジャン) が開催するパリ~ブレスト~パリ ランドヌール(PBP)=1200km」

いずれもAudaxJapan(オダックスジャパン)HPより