自身ブルベ2年目(Audax会員は1年生^^)となる2012年の最初のBRM、
BRM107神奈川300km鎌倉
無事完走いたしました(タイム=15時間49分/タイムリミットは20時間)。
参加者の皆さん、
オダックス神奈川の井手マヤさん、スタッフの皆さん、
寒いところ、大変お疲れ様でした。
■経過(詳細)
正直、私は初めて走るこの有名なコースを甘く見ていたかもしれない。
というか、「伊豆」という観光地のイメージ、電車で出かけた時の良き思い出が先行し、
ルートラボの「ギザギザ」の高低差を見てもなお、(な~に、景色を楽しみながら、なんとかいけるさ~)と楽観視していた。昨秋のBRM1009埼玉400kmアタック三保の完走も、この楽観視を後押ししていた。
結果から言うと、今回は「景色を楽しむ」ゆとりはまだまだ初心者の私には無かった。
走っている途中、KARAのヒット曲「ジェットコースター・ラブ」が頭に浮かんだりもしたが、
小田原から先は、まさにジェットコースターのように、区間はそれぞれ短いものの、くねくね登っては下る、下っては登る、を繰り返し、息つく暇も無い。「国道なのに激坂もある」(オダックス神奈川のスタッフ)。
なので、ようやく登った先の下りはペダルを回そうか、それとも重力に身を任せて^^;一息入れながらゆっくり下ろうか、という思いは始終に頭を駆け巡っていた。が、貧乏性な自分は下りもほぼ回すほうを選択していた。余計に景色を見るゆとりはない。
国道沿いの海にたまに目を向けることはありましたが、
それは景色をみるためでなく、
味気ないことに、「今、自分の走っている場所が海よりどれくらい高所か(→この先に登りがあるのか、それともこの先は下りなのか)」を知るためでありました^^;
スタート前
午前3時に起床し、午前3時半に出発
今日は実家のミニバンで出撃。
フリードは2列目がキャプテンシートでウォーク・スルーなので、バイクを積みやすい。
世田谷から第三京浜経由で1時間弱で逗子に。
ゴールになる逗子駅前近くのコインパーキングに駐車しておきます(24時間で最大1200円)。
寒いこともあり、車内で準備が出来るのは便利。
で、鎌倉駅へ県道を10分ほど自走。
厚着(※後述)してきたためか、あまり寒さは感じません。
5:10 鎌倉駅東口に到着
駅前マックでトイレタイム。
夜陰に、ブルベ装備を施したバイクたちが並ぶ。
いつみても惚れ惚れしますね。
トレーニングに、とあえて400~600km並みの重装備にしてしまったわがバイク。
(まさか途中で「軽装化」を実施することになるとは)
家族の見送りを受ける人、知り合い同士で声を掛け合う人、
長い旅路?にふさわしい出立風景が展開されています。
まだブルベの知り合いの少ない私にも、ありがたい見送りが。
本来なら同じスタート組に含まれているはずの青葉の猛者、
信ちゃんさん
にお声かけいただきました。
(信ちゃんさんも、例の申し込み競争で敗れたお一人)
同じ青葉はほかに、昨年の青葉走行会でお世話になった同じく猛者のBongoさん、ほかにも知り合いはいらしたようですが、暗闇でもあり、道中でもお会いする機会はありませんでした。
5:40 ブリーフィング
「武家の古都・鎌倉」にて、オダックス神奈川の井手マヤさんよりご挨拶。
このコースは今回、記念すべき10年目であること、コースの注意箇所などのご説明があり、参加者一同、熱心に聞いていました。
しかし私は、といえば、
(あれは何?)
と、井手さんが話しながらずっと手に持ち上げている「クマさん人形」(テディベア?)に気を取られていて、せっかくのお話なのに、逐一は頭に残っていませんでした^^;
(内容はあとで思い出せば、また追記します)
とにかく、
可愛いクマさんにも見送られてまだ暗い中、6:00に鎌倉駅前をスタートです。
R134を巡航
私は集団の中盤ぐらいで走り始めましたが、
夜明け前から、ちょっと危ない場面が相次ぎました。
まず七里ガ浜のあたりで、列の前方の誰かが装備を落下させて急停車し、後続の数台が巻き込まれて団子になる、なんて場面もあり、私はかろうじて回避したものの、ちょっとヒヤッとしました。
このトラブルがあったために、その前の集団は先行してしまい、
回避して前に出た私の前には、もはや誰もおらず。
「列車」に乗って楽して小田原まで行く、というもくろみは早くも崩れ去ったのでした^^;
再び走り出しましたが、江ノ島を過ぎても、前には誰もいない状態。
後ろに一人ついていましたが、前に出ようという考えはないらしく、ずっと後ろにいたままです。
仕方なく、31~32km/hで巡航します。
やがて大磯で2人組に追いつき、4人組に。
7:03撮影 二宮の先、袖ヶ浦海岸の押切橋付近で日の出を迎えました。
この写真を撮っている間に取り残され、また一人に。
いわゆる「一人ブルベ」は、都合の良いときもあれば、悪いときもあるようです。
この場合は後者。
国府津あたりだと思うのですが、
R1を走りながら一瞬、サイコンに目を落として、顔を上げたら、
たった1m(!)先ぐらいの目の前を、左から通りに出てきた黒い軽自動車が横切ったのです。
おそらくこれまでのブルベで最も怖い体験だったかもしれません。
複数台で走っていれば目立つので車道に出ようというクルマも気づきやすいかもしれません。
しかし単独走で、まして夜明け直後ですから、LEDを点灯していてもどの程度、気づいてもらえるか分かりません。向こうもまさかこんな時間にスピードを出した自転車が通り抜けるとは想像だにしていなかったでしょう。(もっとも、そうとはいえ、クルマのドライバーなのですから、今回は明らかに安全確認不足だったのですが)
そんな、ひやひやする出来事がありながらも
小田原市の中心部を過ぎた早川口S(41,4km地点)を左折し、新たな数人の集団に追いつきます。
ちょっと自分のほうがペースが速いように感じたので、
思い切って集団を抜きます。
しかし、この日の苦境はこの後から始まりました。
再び一人になり、石橋インター付近でいよいよ最初の登坂に入った瞬間、
とんでもないことに気づきました。もう脚が逝っている!!
しかも、
ペダリングがどこか窮屈で、いつもと違い、脚をスムーズに回せません。
そして、自転車がなんだか重く感じる。
一言でいえば、登坂が「全然楽しくない」のです。
(ああ、そうか、、、)
思い当たるフシがいくつか頭をよぎります。
→ 実は一昨日の木曜夜、よせばいいのにジムに行ってしまっていた。
年越しで1週休んでいたのですが、2週間ぶりに行ったら、身体が軽いので、
思い切りウエイト・トレーニングしてしまった^^; で、ブルベ前夜から脚部に明らかな筋肉痛が、、、、。
→ サドル高さを前夜に見直したのが失敗。
有名な○×バイブルのセッティング値を参考にしているのですが、あれはあくまでも参考程度に受け止めるべきで、若干の個人差やポジションの好みで補正しないといけないのに。そのまんまノーマル値で調整したのですが、どうも自分にはサドルが低く、後ろ過ぎたようです。
→ そして重いバイク。そうでなくてもホイールがまだ純正そのままで前後合計2kgを超えたりしているのに、トレーニングとばかりに意気込んで、雨具上下、予備エネループなどを持参してきた。
ほかの参加者のバイクをみると、どれもブルベとしては軽装の類がほとんどでした。
それはそうでしょう。日帰り300kmで晴れ予報のブルベなのですから。本来はそうすべきです。
が、自分は300kmには余計な荷物をいろいろ持ってきていました。
(まずいな、、、、これは)
これから先の、ジェットコースターのようにアップダウンが続くコースに挑むには、
これではちょっと大変です。
走りながら、次のPC1で少なくとも雨具を宅配便で送り返すしかない、と思いました。
これは妥当な選択だったはずですが、これまた、ちょっと後悔しかける場面があとでやってきます。
47.6km地点 PC1(ローソン小田原江之浦店)
7:43着(タイムリミットは9:24)。
通常通りの15分休憩ですが、補給以外に宅配便の手配もあり、ばたばたです。
レジが混んでいなくて幸いでした。
しかし、気持ちはどこか悶々としています。
さてこの先、
シンプルなコースに見えますが、
トンネルの迂回路が相次ぐためか、同走者とともに、まごつく場面が出てきます。
まずは真鶴、湯河原を過ぎた熱海ビーチラインとの分岐点の「門川S」。
キューシートには出てきませんが、ここはそのまま直進です。
キューシートに何も指示がない場合はそのまま直進なのですが、
往路のトンネル(=山側)は迂回、ということがどうしても頭にあるせいか、
この門川Sで、前走者が立ち止まってしまい、
こちらも確認でキューシートに目を落とす、
後走者も立ち止まる、といった具合にちょっとストップ。
ここは、キューシートに「門川Sは直進」と自分で追記メモしてあるのを見つけ、
無事通過。
熱海の市街地を過ぎて、
次の錦ヶ浦トンネルの迂回路はY字路(64.8km地点)で、目印の「ホテルニューアカオ」の派手な看板があるのですぐ分かります。
それはそうと、
今日の自分のペースは明らかに遅い。
登りではペダリングが窮屈だし、脚に力が入らない。
こういう状況なので、フロントは当然インナーになりますが、
中間ギアが使えず、軽いギアに入れないと、どうしても回せない。
速い先頭集団はもう先に行ってしまっているせいか、
これ以上、後ろからどんどん抜かれることはありませんでしたが、
近くにいる前走者にはじりじりと離されます。
あわてて下りで追いつく、で、また登りで離される、という繰り返し。
平坦路でもスピードが乗りません。
錦ヶ浦トンネルの次の赤根トンネル迂回路は、入り口がトンネル直前にあり、
もし一人ブルベでぼ~っと走っていたら、見落としてそのままトンネルに入っていたかもしれません。
幸い、同走者の方がほかにいたので、
トンネルに入る直前に急減速し、迂回路へ左折できました^^
8:57撮影
落とし穴は最後の新網代トンネル入り口手前の迂回路。
迂回路に左折したまではよかったのですが、この時の前走者にそのままついていき、
(キューシートの指示は、「網代集落内を道なりに直進してから四つ角を右折」)
最初のカラー舗装された大きな四つ角を右折して進むと、行き止まりに突き当たってしまいました。
いったん2人で四つ角まで戻りますが、元きた道のさらに奥に、もうひとつ四つ角があるのが見えます。
それでもまだ確信がもてないので、ちょうど通りかかった住民らしい人に私が「迂回路はどう行けば?」と尋ねると、やはり、もうひとつ先の四つ角を右折、でした。
もしキューシートの記述をより細かくするとすれば、
「網代集落内を直進してから2つ目の四つ角を右折」
といったところでしょうか。
伊東を過ぎて、県道K109への分岐(85.5km地点)まで来ました。
(今日は調子が悪いけど、悪いなりにどう完走するか、ということも考えないと)
などと思いながら、一人でふうふう登っていると、
道路脇で「は~い、こっちみて~」としゃがんでカメラを構えている人など数人が。
箱根駅伝ではありませんし、ブルベを沿道見物する物好きな一般市民はいません。
しかし、ブルベライダーの条件反射が2年目の自分にも備わってしまっているのか^^;
瞬時に右手でガッツポーズをつくったりして。
(撮影=AudaxJapan神奈川
)
で、そのまま通り過ぎようとしたら、
「おっとっと」と止められながら県道わきの汐吹公園の小さな駐車場に連れ込まれました。
ネズミ捕り?
いえいえ。クルマじゃあるまいし、(ああ、シークレットだ)と分かりました。
そういえば鎌倉駅で出発間際に「今日はシークレットがありますから!」とスタッフが公言していましたっけ^^
シークレットPCでは井手さんにブルベカードにチェックしていただいたり、
(そういえば、鹿?のマークのような赤いハンコを押していただいたような、、、、)
スタッフと「そのV字入った反射ベスト、そんなのあるんだねえ」
「ワイズロードで買ったんです」「今やそんなのも売っているだねえ」などと簡単なやりとりしたり。
すでに通過した人数を聞くと、「20人ぐらい」と井手さん。
DNSはあまりいなかったはずなので、自分はこの段階でほぼ真ん中近くにいるのでしょう。
さて、「それでは」とまた走り出すと、
後ろで見送るスタッフが「○△×」とこっちを指して言い合っているのが聞こえたので、
何か忘れたのか、と思いましたが、
帰りのPCでのスタッフとのやり取りから推測するに、
この時はどうも、私がサドルバッグにぶら下げているブルベ・マスコット(蛍光ヤモリ君)を見つけて話題にしてたのかもしれません^^;
シークレットPCをあとにし、また海沿いに戻り、漁港の手前でヘアピン・カーブして、また山側に登ります。中腹の、ピンクの家とライオンズマンションがあるT差路(89.1km地点)までは、おそらく今回のコースの急勾配区間のひとつでしょう。
昨年、初めてブルベに参加した頃は、こういう長い急坂が出現すると、途中で力尽きて押し歩きしたこともありましたが、走りこむごとに坂の登り方のコツが分かってきて、今ではどんな坂でもそれなりにこなせるようになりました。
とはいえ、
今日の自分の脚は不調で、シッティングだけで通すのは無理。
どちらかというと得意なほうのダンシングを交えて登ってゆきます。
後ろを振り返ると、ほかにも数台、登ってくるのが見えます。
川奈ホテルゴルフコースの横を通り、
国道沿いとは打って変わった、のどかな風景の中を走ります。
天気はおおむね晴れています。
海に向かって緩やかに下る道で写真撮影。
伊豆大島が望めるはずですが、あれ?見えない?
しばらく立ち止まっていると、
畑作業していた人が「道に迷った?」と聞くので、
「いいえ、景色を撮っていたんです」と答えると、
「ほら、ここから見えるはずの島に雲がかかっているだろ。こういう時は南から湿った風が入り込んで、このあたりは雨が降るもんなんだ」と不吉なことをおっしゃる。
「え?今は晴れているのに?」と息を呑みましたが、
さてどうなることやら。
雨具はPC1ですでに送り返しています。
(後編
につづく)