第5章運命 第18幕種火5 携帯 | 一度のあやまちでも… 一生許されませんか…

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わたしの過去から現在に至るまでのノンフィクションのブログです
 良いお手本になれたら光栄です(こんな風にならないぞ!みたいな(笑))

タイトル編は完結しています(タイトル編入口)


今回の事の発端から読んでみるか~の方は
こちらからどうぞ♪


※ 携帯バージョンです


悠也(夫)の私への執着(しゅうちゃく)は

激しさを増していった―――


いいようの無い目に見えない物が

私を縛りつける


季節が変わっても

毎日 そんな日々を過ごしていた…


悠也さんにとって私は…

従順でいなければならない

ペットだったのだろう…


主人に逆らえば

容赦しない そんな関係 。


私の体を求めてくるのを

眠いフリや 酔ったフリをして拒むと

冬でも 夜中 何時だろうが

布団を全て剥(は)ぎ取り

隣にゆりあ(私の子供)が寝ていても

かまわず大声で罵倒した


以前にも増して

怒り方が… 

尋常じゃなくなっていった 。


ある夜の事だった…


私が眠りに付き始めた頃…

おもむろに悠也さんが私の方へきた

さっきのでは足りず 又 求めにきたのカモ…

とっさにそう思った私は 寝たフリをした


悠也さんは 

しばらく私を観察すると

自分のベットに戻り

何かをいじっていた


気になりそっと そっちを見ると

布団の中からわずかに洩れる光の色で

それが携帯だと分かった


エ… もしかして…?


私のイヤな予感は的中した


しばらくすると 悠也さんは

私の枕元に携帯を置いた…


そう… 私の携帯 。


私が気付いたこの夜から

悠也さんが居る夜は

私の携帯は かかさずチェックされた


勿論 私には内緒で…。


あんなに

『たとえ夫婦でも

 ひとの物を勝手に見るのはよくない

 俺はしないょね~』

そう言っていたのに… 


あの時言った台詞も今となっては

薄っぺらく感じる…


もう 悠也さんからは

私への執着しか

感じられなくなっていた…


そんな ある日―――


お風呂に一緒に入っている時

何かの話からTVの話になった


その日見たTVで

男女の浮気を取り上げていた


・携帯にロックをかける

・発着信履歴を消す

・メールを消す

・携帯を肌身離さず持ち歩く

・会社名などの電話登録が増える

・傍では電話に出ない

etc…


などが見られると

浮気してるカモしれないって


私達は 

確かにね~ おかしいよね~

笑いながら話していた


私達夫婦は 

悠也さんが地雷を踏まない限りは

普段は 普通の夫婦?と同じような感じだった。

この時も 普通に上手くいっていた と思う


色々 2人で討論していて

フト頭によぎった…


TVで言ってた事 

ほとんど悠也さんに 

当てはまってるな… 。


別に 該当していたって

さほど気にならない…


デモ 思ってしまった以上は

口に出さずにはいられなくて…


『悠也さんにも当てはまってるね~

 あやしかったりして~(笑)


冗談の言える雰囲気だったのもあって

冗談交じりで言ったこの一言が… 


悠也さんは 何も喋らなくなり

無言でお風呂を後にした


―――まずかった…? かな…?


そう思った 次の瞬間

扉が開き 

お風呂場の中に置いてあった物達が

次々に宙を舞った


『てめぇ~


 何様だょ!!』


そう言うと

私を思い切り突き飛ばした


『や やめてょ

 ぼ… 暴力ふるわないで…』


焦った私が言うと


『はぁ? は~』


いきなり高笑いを始めると


『オイオイ

 おいおい!!


 チョット押しただけで

 暴力?』


そう言って鼻で笑った後


『ふけんな!!』


目を血走らながらそう言い放つと

私を 再び思い切り突き飛ばし

風呂場を後にした


この事で 私はケガを負った


ただ…

ケガの痛みより

思い切り突き飛ばした事を

鼻であざ笑った悠也さんの顔が

頭から離れなかった


この小さな種火が…

…点火するなんて


やがて 激しく燃え盛る炎になるなんて… 


この時の私は 気付きもしなかった…


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