タイトル編は完結しています(タイトル編入口)
今回の事の発端から読んでみるか~の方は
⇒こちらからどうぞ♪
※ 携帯バージョンです
悠也(夫)の私への執着(しゅうちゃく)は
激しさを増していった―――
いいようの無い目に見えない物が
私を縛りつける
季節が変わっても
毎日 そんな日々を過ごしていた…
悠也さんにとって私は…
従順でいなければならない
ペットだったのだろう…
主人に逆らえば
容赦しない そんな関係 。
私の体を求めてくるのを
眠いフリや 酔ったフリをして拒むと
冬でも 夜中 何時だろうが
布団を全て剥(は)ぎ取り
隣にゆりあ(私の子供)が寝ていても
かまわず大声で罵倒した
以前にも増して
怒り方が…
尋常じゃなくなっていった 。
ある夜の事だった…
私が眠りに付き始めた頃…
おもむろに悠也さんが私の方へきた
さっきのでは足りず 又 求めにきたのカモ…
とっさにそう思った私は 寝たフリをした
悠也さんは
しばらく私を観察すると
自分のベットに戻り
何かをいじっていた
気になりそっと そっちを見ると
布団の中からわずかに洩れる光の色で
それが携帯だと分かった
エ… もしかして…?
私のイヤな予感は的中した
しばらくすると 悠也さんは
私の枕元に携帯を置いた…
そう… 私の携帯 。
私が気付いたこの夜から
悠也さんが居る夜は
私の携帯は かかさずチェックされた
勿論 私には内緒で…。
あんなに
『たとえ夫婦でも
ひとの物を勝手に見るのはよくない
俺はしないょね~』
そう言っていたのに…
あの時言った台詞も今となっては
薄っぺらく感じる…
もう 悠也さんからは
私への執着しか
感じられなくなっていた…
そんな ある日―――
お風呂に一緒に入っている時
何かの話からTVの話になった
その日見たTVで
男女の浮気を取り上げていた
・携帯にロックをかける
・発着信履歴を消す
・メールを消す
・携帯を肌身離さず持ち歩く
・会社名などの電話登録が増える
・傍では電話に出ない
etc…
などが見られると
浮気してるカモしれないって
私達は
確かにね~ おかしいよね~
笑いながら話していた
私達夫婦は
悠也さんが地雷を踏まない限りは
普段は 普通の夫婦?と同じような感じだった。
この時も 普通に上手くいっていた と思う
色々 2人で討論していて
フト頭によぎった…
TVで言ってた事
ほとんど悠也さんに
当てはまってるな… 。
別に 該当していたって
さほど気にならない…
デモ 思ってしまった以上は
口に出さずにはいられなくて…
『悠也さんにも当てはまってるね~
あやしかったりして~(笑)』
冗談の言える雰囲気だったのもあって
冗談交じりで言ったこの一言が…
悠也さんは 何も喋らなくなり
無言でお風呂を後にした
―――まずかった…? かな…?
そう思った 次の瞬間
扉が開き
お風呂場の中に置いてあった物達が
次々に宙を舞った
『てめぇ~
何様だょ!!』
そう言うと
私を思い切り突き飛ばした
『や やめてょ
ぼ… 暴力ふるわないで…』
焦った私が言うと
『はぁ? はははは~』
いきなり高笑いを始めると
『オイオイ
おいおい!!
チョット押しただけで
暴力~?』
そう言って鼻で笑った後
『ふざけんなよ!!』
目を血走らながらそう言い放つと
私を 再び思い切り突き飛ばし
風呂場を後にした
この事で 私はケガを負った
ただ…
ケガの痛みより
思い切り突き飛ばした事を
鼻であざ笑った悠也さんの顔が
頭から離れなかった
この小さな種火が…
…点火するなんて
やがて 激しく燃え盛る炎になるなんて…
この時の私は 気付きもしなかった…