奇跡のりんご―自然の摂理から学ぶ農と教育 05 / 06 | ジュガール★ライフ Jugar Life

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Jugar[d] とはヒンディー語で創造的という意味。ここではインドでの生活や、アースシップ(Earthship), フェアトレード(Fair Trade)などのプロジェクトに関してつづっていきます。

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木村 秋則:

はいこれはトマトです。トマトの脇にもすぐ豆が植えられております。そして、このトマト、根っこどこにあると思いますか?ここにトマトがありましたら、この下に根があると思う方多いと思います。実はここにあるんです。(茎から左に離れたところを指す。)はい次お願いします。



はい、こうして植えているんです。作物の特性を生かしたんです。トマトは茎に根が生えるという特徴を活かしました。トマトも、これはわたしがりんごがなっていない時に畑にトマトを栽培しました。地中が弱くて、風に転んだわけです。なぜか転んだの放っておいておいたら、転んだやつほど元気に育ったわけです。そしてそば行ってみましたら、根がびっしり生えておりました。それで、横に植えたらどうかと考えて横に植え始めたわけです。家庭菜園をやられる方、もしもありましたら、是非ベランダでもできます。トマトはこうして植えてください。

そして、このトマト、みなさんどれくらい伸びると思いますか?3mだと思う人、ハイ、手を上げてください。はいありがとうございました。いやぁもっと伸びるよ5mくらいだと思う方、大勢です。はいありがとうございました。いやぁそんな伸びないよ、2mくらいだ、はいありがとうございました。いや。もっと伸びるよ、8m~10m伸びるんじゃないの、と思われる方、はい。

みなさん、すごいね。はい正解です。このトマト、10m伸びます。はい次お願いします。



はい、その姿です。10m伸びているトマトの畑の姿です。虫いますか。虫一匹いないんですよ。実はねずみに食われて、50mのハウスに苗が5本より残らなかったんです。それで、5本植えて、これで生活していけるのかと、生産者嘆いたんです。大丈夫だから。そして、実際伸びた姿を見て、今、その生産者は10m間隔でトマトを植えています。(笑)ね、すごいでしょ。植物、野菜の力っていうのは、人間の想像を超えてしまっているんです。実際の姿ですよ。わたし、これ、合成したんじゃないんです。はい次お願いします。



はい、とうもろこし。やはり、豆を植えています。あと何も使わなくていい。はい次お願いします。はい、こうして、今まで不可能と、そんなのできっこないよと言われてきた野菜、まるで、肥料・農薬を使ったのと同じくらい見劣りしないものが今取れてきているわけです。この写真は、愛知県豊田市で市民の方に展示した時の写真です。自動に『これ、ほんと?』と頭の中にクエスチョンマークだけが走った方が多かったんじゃないかなと思っております。できるんです。不可能じゃないんです。はい次お願いします。



収穫直前の、こちら側は肥料を施したお米です。いわゆる、腐る・・・(笑)。こちら側は、腐らないお米です。はい次お願いします。はい、秋の姿です。うそしたように(嘘のように(?)実るわけです。はい次お願いします。これは去年、生物多様性、愛知県、今年本番が行われるんですけれども、COP10の前座があったわけです。わたしとわたくしの(・・・聞き取れず)が、あのー、話しているところであります。はい次お願いします。



そして、今あちこちでわたしの栽培の勉強会が始まってきました。これは、農協の組合員の生活を守るためにこの栽培を、少しづつながら広めていこうと言うことで取り組んだ一例です。宮城県、加美よつば農協です。そしてこの農協がこのわたしのような栽培に着目して実施するに至るまでに、清水精華堂というあられ屋さんが大きく力を出しました。そして、生産者とそれを利用する人が一体となって環境にやさしい、きれいな川を取り戻そうという、そこまでを考えた取り組みを今、宮城県の加美よつば農協で行われています。

もしも、時間がありましたら是非、ここの田んぼと、それを原料にして、加工して製品化している清水精華堂の工場を見学されてはいかがかなと思います。今、そういう食材をみんな進めていってもらいたいなと、先駆けとなって歩んでいるわけです。農協も変ってきました。はい次お願いします。



それ以上に変っているのは韓国です。韓国は国をあげて・・・。これわたしの畑ですけれども、ここで何をお話していたかというと、お米作りのお話をしていたわけです。なんか場所に合わないんですけれども。(笑)畑も田も理屈は同じですから。そして、去年は1000人ほど韓国からみえました。すごい意気込みです。このままですと日本を追い越す可能性が、もう目に見えてきました。やがて韓国から日本が、自然栽培米を輸入する時が来るかもわかりません。何か、日本の農家が考えなければならない問題だと思います。はい次お願いします。



そして、これもまた声張って(・・・正確に聞き取れず)お話しすることです。この矢印、注目してください。このおやじさんの指に絡まっているのはきゅうりの巻きひげです。なんだそんなの、誰でもからまるよと思いでしょうが、5-6歳以下の子供たちには、全員絡まります。大人の人がやると、絡まる人と、絡まない人が出てきます。なにか、きゅうりが『この人、好きだ』と、『この人、嫌だ』と分けているんじゃないかなぁと。でも、絡まる、絡まないは決して一生に影響は無いと思います。気にしないでください。(笑) 

で、このおやじさん、3年目にして絡まったということです。(笑)それ以来自分の畑、田んぼ、全てから肥料・農薬・除草剤をやめてしまったんだそうです。そして、このきゅうりも全く何も使われていないきゅうりだそうです。ですから、ここでとれるきゅうりは、いわゆる、腐らないきゅうりなんです。そして、その味は、すごく甘いです。農家の人たちが、このきゅうりの巻きひげに感動して、自分の(・・・聞き取れず)を変えてしまうほどの影響を持っているのが巻きひげなんです。

是非みなさん、あの、車であちこち遠出したり、あるいは、農家の人たちのところに行く機会がありましたら、こっそり、決して人前でやらないように、指を、こう後ろに持ってきて、確認してください。(笑)人前でやると、絡まらんかったとき、ちょっと立場が悪くなると思います。(笑)ええ、でも、絡まっても、絡まなくても結構です。是非試してみてください。



そして、わたし、もう時間もだいぶなってきました。なぜわたしが今、こんな事をみなさんの前でお話して歩いているかというと、アルゼンチンにこういう昔話があったのです。これは、小さな鳥の話です。この鳥の名前はハチドリといいます。もう、みなさんご存知の人いるかもわかりません。大きさは3cm以下の鳥です。蜂と同じくらいの大きさよりないので、ハチドリと呼ばれているんです、ということです。このハチドリ、主食は蜜です。虫とか昆虫じゃないんです。蜜を食べて生きているわけです。なんか、鳥らしからぬ鳥だと思うんですですけれども。

このハチドリが住んでいるところで、山火事が起きました。この山火事のために、森に住んでいる動物たちはみんな逃げました。ところが、この小さなハチドリたちは、小さなくちばしで水を運んで山火事を消そうと努力したんです。逃げた動物たちは、『バカだね』と、笑いました。ハチドリは、なんて答えたでしょう。

『今出来る、自分が出来ることをしているだけなんです。今、自分が出来る最大の事をしているんです。』そう答えたというんです。今、この会場にお集まりのみなさん、今、日本はすごく景気も悪く、何か沈没しそうです。国民みんなが今出来ることをやっていこうじゃないですか。そして、わたしのような栽培をみなさんが是非、支援してもらいたいと思うんです。

これは、それを支援することは環境を守る、きれいな川、川がきれいになると、海がきれいになる。そうなると、越前くらげもだんだん小さくなっていくんじゃないのかなと思うんです。全てが良くなるんじゃないかなとわたし思うんです。

是非、農家でない、生産者でない人は、それらを支えていくことによって、農家の人たちがどんどん、どんどん増えて、もっと、もっと住みよい日本になっていくんじゃないでしょうか。ハチドリの昔話のような生き方、ひとつ、参考になると思ってわたし、お話をしました。



新しい日本を、みんなで、創っていこうじゃありませんか。わたし、日本が日の出ずる国といわれているわけですけれども、日本から1日が始まります。世界の1日、日本から始まります。この日本が、なにか、情けないなという感じです。

是非、本来の心、日本人の心を取り戻して、歩んでいったら日本はどれほどいい国になるかわかりません。『1本の矢は弱いけれども、3本も束になると岩をも貫く』という軍歌があります。わたしその軍歌が好きです。みんな歩んでいったらどれほど良いだろうな、そう思うわけです。是非、わたしのような、かまどけしのつぶやきですけれども、わたしは、世界を変え、日本を変え、世界を変える、そういう気持ちで、これから進んで生きたいと思っています。



そして、もしも、忙しいので、いつも更新してないんですけれども、今度時間がありましたら、ネイチャーズというネットサイトも設けましたので、そこをご覧になってもらえればなぁと思っております。そしてそこで様々な情報をこれから共用していきたいなと。そして、みなさんからの質問を受けていきたいなと、思っております。そこもまた是非ご覧になってくださればいいと思います。



わたしは今まで、もしも自分が野菜だったら、もしも自分がトマトだったら、自分を置き換えて、栽培してきました。他人の幸せを願う気持ち。もう少し日本人、戻ってもらいたいなと、そういう気持ちでおります。今日は長い時間、お忙しいところわたしのようなつたない話を聞いてくださって本当にありがとうございました。

そして、みなさんお礼を言うことが多いと思いますけれど、わたし、みなさんに(へ)のお願いです。自分へもお礼をしていったらどうかな、と思います。自分に、ありがとう。そう言ったら、すごく、なにか自分が明るくなるような気がする。是非、一人になりましたら、こっそり自分にありがとうを言ってください。だって、自分が今現在、元気なのは、自分が元気だからですよ。そう思って。

ですから、わたし、りんごの木、一本一本、作業をしながら『今年もがんばって下さいよ』、そう言葉をかけているわけです。みなさん、植物ばかりでなくて、コップでもなんでもそうだと思います。思いやりの心を持って歩んでいったら、毎日がすごく楽しく、明るくなるんじゃないのかな、と思います。長い時間、ありがとうございました。





つづく
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