今日は “ エヴァの小部屋 ” として
『ビューティフル』のこぼれ話 Part.2 と
アンサンブルキャストとして演じた
役柄やシーンなど数々の素敵な思い出を
ブログに残しておきたいので
まとめ的に書きます
2017年1月18日に
アンサンブルキャストが正式に発表され
稽古が始まるまでの数か月間は
とても長く感じました…
5月25日より稽古が開始され
ビューティフル・カンパニーが本格的に始動
音楽ディレクターのジェイソンさんが合流し
日本版リステージを務めて下さった
ジョイスさんの熱い指導のもと
アンサンブルのダンス振り付けと
歌の特訓が始まりました
“ ロコモーション・ブートキャンプ ”と
キャストの高城奈津子さんがツイートしていたけど
まさにその通りです(笑)
一つ一つの振り付けには思い出があって
絆を深めながら “ 無敵のアンサンブル ”が
出来上がっていったのです
音楽と歌とダンスに囲まれ
カンパニーの仲間と共に過ごす日々は
疲れなんて吹き飛ぶほどの楽しい毎日でした
ここでこぼれ話をひとつ…
稽古の合間には
こんないち場面もありました…
練習の待ち時間に
飲み物の空き瓶の口に息を吹きかけて
「ボーッ」っと音を鳴らす練習をしていたら
あーやさん(平原綾香さん)が
手招きして傍に呼んでくれて
上手く音の出せないMARIAに
「これはサックスを吹く時と同じ要領なの」と
コツを教えてくれました
翌日も教えてもらったように
ビン笛の練習をしていた時の会話
あーやさん 「どう?上手くなった?やってみて」
MARIA-E…… 息を吹きかけて、ボーッ
あーやさん 「おっ上手くなってる…」
あーやさん 「で、これはどのシーンで使うの」
MARIA-E 「いえ…あの…どこにもありません…」
あーやさん…… 爆笑
帝国劇場入りして衣装やウィッグを付けると
もうワクワク感が止まらない
場当たりや通し稽古、ゲネプロと
スケジュールが進み、本当に刺激的でした
そして、迎えた7月26日の舞台初日…
今回の『ビューティフル』は
日本初演はもちろん
英語圏以外でも初めての上演です
ブロードウェイのオリジナルプロデューサーの
ポール・ブレイクさんやマイク・ボズナーさんも
わざわざ、アメリカから
初日公演を観に駆けつけて下さいました
ここで信じられないミラクルが…
なんと、キャロル・キングさんご本人が
初日カーテンコールの模様を
自らツイートして下さったのです
これには言葉にならないぐらい
感激したことを今でもはっきり覚えています
こちらはキャロルが16歳の時
自分の曲を売り込むために
武田真治さん扮する名プロデューサー
ドニ―・カーシュナーのオフィスに
出かけた時のシーン…
上手側(画像右)から二人目がMARIAです
繰り広げられる名曲のメドレー
♪1650 Broadway Medley で
キャスト達が歌っているのは
それぞれ違う曲なのですが
幾重にも重なったアレンジが
カッコいいひとつの曲になっています
その時の衣装とウィッグがこれ…
自分の髪の毛に見えるぐらい
とても自然なウィッグにちょっと驚き(笑)
『ビューティフル』のプロモーション映像
(舞台映像Ver.)にもありますが
キャロルが通っていた大学で
伊礼彼方さん扮するジェリー・ゴフィンと
初めて出会うシーン…
キュートでハンサムなジェリーに
淡い恋心を抱く女子大生の役でしたが
この恋は実らず…
そして、こちらは
以前も『シュレルズ』の記事で紹介しましたが
♪Will You Still Love Me Tomorrow のシーンで
キャロルとシュレルズがやりとりをする時の衣装
当時はトップの部分を盛り上げた
ヘアースタイルが流行していたみたいで
『シュレルズ』のウィッグは
とってもボリューミーでした
ちなみに…
ヘアー担当のスタッフさんが
毎日、公演終了後に
全てのウィッグのメンテナンスをして
いつも美しい状態を保ってくれていましたよ
『ビューティフル』でお馴染みの
リトル・エヴァのアフロはもちろんのこと
キャスト全員のウィッグは
(株)アデランスさんが
一人一人の頭のサイズに合わせて
オーダーメイドで製作して下さいました
ここでもこぼれ話を…
衣装合わせをしたり
ウィッグの採寸をしていた時のことです
髪の毛が長いMARIAは
ウィッグネットで自毛をまとめても
ボリュームがありすぎて
ウィッグを被ると
不自然に頭が大きくなります
そこで、ヘアー担当さんが言いました
「んー、これ…頭…そげる?」
それを聞いたMARIAは
「えっ」
(そげる…ってなんだろう?)
後でわかりましたが
「そぐ」→「削ぐ」→「梳く」
つまり…
「髪を梳いて軽くしてくることは可能?」
という意味だったのです
MARIAは「そげる」→「もげる」
「えっ、頭をもぎ取る!?」と
解釈しそうになっていたのです(笑)
これはリトル・エヴァが
ベビーシッターとして登場するシーンの衣装…
実はこの衣装は
スタッフさんに手伝ってもらわなきゃ
一人では着れません
♪ロコモーションを歌うステージ衣装に
一瞬で変わる魔法の衣装だからです(笑)
開幕したての頃は
MARIA自身もスタッフさんも
まだこの衣装に慣れていなくて
着替えに時間がかかっていましたが
公演の回を重ねるごとに手際も良くなり
手伝ってくれるスタッフさんとの
コンビネーションもバッチリ!
スムーズに早替えができるようになりました
そして、ここでもこぼれ話を…
リトル・エヴァがベビーカーを押しながら
キャロル夫妻のオフィスへ
赤ちゃんを連れて行くのですが
ある日、いつものように衣装替えを終えて
舞台袖でスタンバイしている時
ふと、ベビーカーの中に目をやると
赤ちゃんの顔の横に
メモがそっと置いてありました
ちゃんと吹き出しの形をしていて
読んでみると…
赤ちゃん語でおしゃべりしているんです
暑い日には「暑いでちゅ~(・_・;)」と
顔文字付きで書いていて
その顔文字が日に日に進化していったり
キャロルの夫であるジェリー・ゴフィン役の
伊礼彼方さんが
カレーのケータリングをして下さった日には
「カレー、美味しかったでちゅ~」
「パパ、ありがとう」と書いてあって
思わず、ほっこり…
スタッフさんが気持ちを和ませてくれました
その赤ちゃんの吹き出しに書いてある内容が
毎日、変わって思わずぷぷっと…
MARIAは舞台袖にいる時に気づくので
赤ちゃんの吹き出しを見て笑えますが
伊礼さんや、あーやさん、奈々さんは
舞台上で見ることになるので
よく笑わずに演技を続けられるなぁ…流石!
って思いました
こちらは…東山光明さん、神田恭兵さん
長谷川開さん、伊藤広祥さんの4人が扮する
黒人男性コーラスグループの『ザ・ドリフターズ』
♪Some Kind Of Wonderful
♪Up on the Roof
♪On Broadway などのヒット曲を次々に歌います
舞台裏で私達 『シュレルズ』の女性4人は
「よっしゃー」と男前の気合入れをしますが
『ドリフターズ』の男性4人は
静かに肩を抱き合って円陣を組みます
ドリフターズの4人とは
毎日、入り時間の1時間前に楽屋入りして
ずっと一緒にウォーミングアップしていたので
出番の時もいつもその円陣を見守って
「いってらっしゃい」と一人一人に
声をかけるのが毎公演のルーティーンでした
千穐楽の日には
「これを見守るのも、もう終わりかぁ…」
と思うと悲しくって
こっそり円陣に参加してしまった(笑)
こちらは山野靖博さん、山田元さん扮する
『ライチャス・ブラザーズ』が
♪You've lost that lovin' feeling を歌うシーン
この時は舞台裏で陰コーラスをやっています
♪ロコモーションを歌って踊った直後なので
ロコモ・メンバーは息を切らしながら
猛ダッシュで舞台袖で早替えして
コーラスに加わらなければなりません
ある時は時間がなくてウィッグを持ったまま
コーラスに参加しているキャストもいたり…
とても大変なんだけど
このコーラスの時が一番好きでした
舞台裏の1ヶ所に全員が集まって
陰コーラスをする唯一の場面だからです
舞台上にはライチャス・ブラザーズが…
舞台裏にはアンサンブルが総出で
このシーンを盛り上げています
コーラスに参加しながら周りを見渡すと
この「全員の陰コーラス」の光景がとても眩しくて
なんとも言えない充実感に満たされました
そして、回を重ねるごとに
ハーモニーのクオリティーが高まっていく…
最高にビューティフルなものを
観客の皆様に届けたい…
そのみんなの想いが集結する瞬間でした
続いてこちらは…
ドニ―・カーシュナーのオフィスで
“ Pleasant Valley Sunday ”を
ジェリーが歌うシーンの衣装
この衣装はとても可愛いんだけど
舞台後方で曲作りに励んでいる
音楽家たちのうちの一人の役なので
あまり観客の目に留まりません(笑)
そして、こちらは…
ロック・クラブ 『Bitter End』のシーン
『Bitter End』に飲みに来て
音楽を楽しんでいるお客さんのうちの一人の役です
カーテンコールもこの衣装に再度着替えて登場…
一人何役もこなすアンサンブルは
舞台裏で脱いだり着たり
ウィッグを付け替えたり
みんな早替えに大忙しです
でも、衣装替えが一番多いのは
主役のキャロルなので
あーやさんや奈々さんは
もっと大変だったと思います
こちらはキャロルのアルバム
『つづれおり』を収録するシーンの衣装です
ウエスタン風(?)の衣装
♪ナチュラル・ウーマン を
キャロルが歌っている時に
菅谷真理恵さん、ラリソン彩華さんと共に
バックコーラスを担当しました
そして、我らがビューティフルな仲間たちは
8月26日に大千穐楽を迎えました
最後までビューティフルなものを
観客の皆様に届けたい…と心をひとつにして
真摯に向き合う取り組みは
千穐楽の開演直前まで続きました
♪ロコモーション の立ち位置を
最終チェックをしたり…
♪ロコモーションの時の手拍子が
日に日に多くなっていき
大千穐楽には会場全体が
大きな手拍子に包まれた時は
とてもとても嬉しかった…
私達の耳だけでなく
心にもしっかりと届きましたよ
それだけでなく…
どの曲の時もキャストが舞台を捌けるまで
拍手が鳴りやまないので本当に感激しました
最高の仲間と共に
日々、進化していったカンパニーは
とても有難いことに
キャスト全員が「歌ウマ」だと絶賛され
オリジナルキャストで
再演を希望するお声をたくさん頂きました
改めてお礼を言わせて下さい
本当に本当にありがとうございました
2017年…22歳の夏は
素晴らしい思い出がいっぱいできました
We are Beautiful~