消費者は契約を終えた後でも心配しています。
私の元に寄せられる相談の中で一番多いのは「石材店を本当に信じていいのでしょうか?」というものです。
契約書にサインしてから不安にかられる消費者はたくさんいらっしゃいます。
この話題については何回も記事に書いてきたのですが、それでも多くの相談が寄せられています。
なぜ消費者は不安を感じるでしょうか?
比較対象が無いからです
- 国産材でお墓を建てたいのである程度の出費は覚悟してるが、お墓の加工は本当に自社加工(国内加工)なのか?
- 指定業者が決まっているのですが何だか見積価格が高いように思います。
- 設計図も見積書も出してもらえません。(設計図は見取り図しかもらえませんでした)
- 保証書は出せないと言われました。(アフターは大丈夫なんでしょうか?)
- 数社の見積書をもらいましたが正直どのように判断したらいいのか分かりません。
上に書いたような事を感じた人は多いのではないでしょうか?
本当に国内加工なのか?
大島や庵治石などを使ってお墓を建てようという人は多少価格が張ろうとも中国加工ではなく国内加工を求められます。
石材店は自社加工するところもあれば、愛媛や香川の現地の石材店が加工したお墓を仕入れることもあります。
自社加工なら加工現場を見せてもらえばいいんですが、
加工を依頼した場合、本当に国内で加工したのか?と確認を取れるのは石材店だけで消費者は石材店の言う事を信じるしかありません。
消費者が石材店を信じることができるのは、応対が良いかどうかだけです。
老舗石材店の中にはキチンと仕事をしてくれるところもあれば、価格ばかり高くて施工も下手というところもあります。
比較的あたらしい石材店の中にも老舗以上の仕事をしてくれるところもあります。
両社、展示場もあるし施工例も見せてくれます。
じゃあ信頼できるかどうかっていうのはお墓の紹介サイトの一番最初に書いてある、
「親身になって相談にのってくれる」
これ以外に消費者が良い石材店だと判断できるものはありません。
見積価格が安いからという理由だけでは消費者は石材店を信用しません。
営業マンの「親身になって」というのと「調子がいい」というのは違いますからね。
よ~くみて判断してください。
指定業者が決まっていて見積もりが高いように思うのです。
もうどうしようもありません。
民営墓地や寺院墓地、村落墓地で指定業者が決まってる場合、
「開発費用」などが加算されてお墓の価格(墓地代含む)は高くなるのは当たり前です。
嫌ならそういう墓地を選ばなければいいのです!
と言ってしまえば身も蓋もないないのですが、
これから墓地を選ぼうと思ってる人ならある程度の対処法はありますが、墓地を購入してしまった人は価格を安くさせようと思っても無理です、そこのところを覚えておいてください。
指定業者が決まってる墓地の場合は、言葉は悪いですが全てボッタクリかボッタクリに近いとか高いとか、公営墓地で建てる費用の数倍もかかる事があります。
安く建てたいと思った人が選ぶ墓地ではないのです。
購入するときは覚悟を決めてください。
小さいお墓でいいのであれば都市部の郊外に探せば100万円以内で(墓地代込み)建てられる民営墓地がありますので、そういう霊園を探してください。
本当に思います、墓地を購入する前に相談して欲しいのですが・・・
設計図も見積書も出してもらえません。(設計図は見取り図しかもらえませんでした)
困りました。 設計図や見積書も出してもらえないのは地方都市の人口1~2万人くらいの地元で顔を利かせてる石材店に多いようです。
もちろんキチンと設計図と見積書を提出してる石材店もありますが。
見取り図しか出さないというのは某地域の民営墓地に多いようです。
こういう石材店は断ってしまったほうがいいのですが、多くの場合は本家や親戚から紹介された(紹介してとも言ってないのに勝手に紹介された)というケースです。
断りたいのに断れない。
そのまま契約してお墓を建ててもらったが、思ったようなものではなかったと言われる方が多いのも事実です。
考えてもみてください、
お墓の代金は誰が支払うのでしょう?
本家ですか?
親戚ですか?
こういう業界用語があります。
本家は金は出さねど口は出す
保証書は出せないと言われました。(アフターは大丈夫なんでしょうか?)
テレビCMや新聞のチラシを見て石材店に行って契約した場合には消費者は「保証書」や「アフター」などのことは一切分かっていないと思います。
消費者は「保証書を出せない」と言われた時にどうしてるんでしょうか?
私だったら
「お墓がひび割れたら誰が責任とるんですか?」
「お墓が傾いたら誰が責任をとるんですか?」
この2点は必ず聞きます。
そしていずれか一方でも「それは弊社の責任ではなくお客様の負担になります」と言われた瞬間にその石材店をはずします。
またアフターについてはその範囲と定義がはっきりしていません。
お墓を建てたら数年間は毎年お墓の掃除(高圧洗浄)と点検をかかしませんという石材店もありますが、これはアフターサービスに入ると思います。
しかしお墓というもの、建ててから数年というものは修理をしなくてはならないような事が生じるものではなく、毎年お墓参りのときに掃除してるので、高圧洗浄をしてくれるなら建ててから10年目にしてもらいたいです。
そう思いませんか?
当たらしときにいくら掃除してもらったってもねえ。
本当の意味でのアフターは
修理のための原石を保有しておく。
修理以来されたときにすぐに対処する。
アフターサービスは「無料で○○します」というものではなく、トラブル「などが発生した場合に完璧に対応できて迅速に動いてくれるということです。
なのでアフターがしっかりしてると良い石材店の条件にあげられていますが、どうやって確認したらいいんでしょうか?
数社の見積書をもらいましたが正直どのように判断したらいいのか分かりません。
消費者によっては「石材店ってわざと分からせないようにしてるの?」と思われたこともあるでしょう。
その理由は簡単で、
「ライバル他社に手の内を見せたくない」
「競合させないようにもっていくため」
この2点です。
石材店数社の見積もりを比較検討する時に最低限必要なものは
- 寸法の入った正面、側面、上面の設計図
- 石の名前が誰でも分かるように表示
- 基礎工事の内容
相談者から見積もり以来をうけて設計図と見積書をFAXかメールで送ってもらうのですが、才数まで書いてあったのが1社、北陸以外ではまともな設計図すら見た事がありません。
見取り図だけとか
肝心な箇所の寸法が入っていないとか
ある大手などは寸法の単位を一桁違わせて分かりにくくしてありました。
また中国の石に勝手に名前をつけて読んでるのは日常茶飯事、色と価格帯で判断しておりまして、「それは本当はG663ですね」などということばかりです。
これでは消費者が「分からない」というのは当たり前です。
ただ石材店の心情もよく分かるので、石材店ばかりも責められないのです。
説明を聞いて断ってくれる分には納得もしますが、「価格」だけで判断してしまう消費者が多いので手の内を見せられないのです。
このような事で消費者の不安を取り除くことができるのは、石材店側の応対しかないと思います。
テレビや冷蔵庫を大手家電量販店で買わずに地元の家電販売店で購入する人は価格で決めているのではなく、電話をかけたらすぐに飛んできてくれるといったアフターサービスや人間性で決めているのです。
同じことが石材店にも言えます。
老舗石材店で人柄もよくすぐに対処してくれるなら消費者は多少価格が高くても契約をしてくれます。
また多くの家電販売店があったにもかかわらず生き残っていつのは僅かです。
老舗石材店もいずれ同じ道をたどることでしょう。
なぜ売り上げが下がったのかを考えないと手遅れになります。
とにかくお墓の紹介サイトの良い石材店とはというところに
「親身になって話を聞いてくれる」
という項目がいちばん最初に書いてあるのをお忘れなく。