地上カロートの最先端は富山でしょう。 | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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富山は水が豊富


名水百選に4つ選ばれてるのは全国で富山だけです。
富山はちょっと掘っただけで地下水が湧き出るくらいで、北陸コカコーラの工場も砺波市にあるほどで、とても地下水が豊富なのです。
それゆえお墓が地下カロートであったらお骨が濡れてしまう場合が多く、地上カロートの笠墓ばかりのお墓が建っています。

お骨は土に返すということで、昔は地面に穴を掘ってお骨を埋めていたのですが、お骨は水に濡れたままの状態であれば土には返れずにずっと骨は残ったままなのです。それで地下カロートではなく地上カロートになったわけです。
そして富山のお墓のカロート部分はくり抜き型が多く、これは全国的にみてもあまりミられない優秀な工法だと思います。

全優石のデザイン大賞のお墓を見てみましょう。


第17回デザインコンテスト受賞作品
ニューデザイン大賞  カウボーイハットをかぶった石碑、ウェスタンブーツの花立て

以前にも紹介しましたが、このお墓は最近関東で流行ってる形の「地上カロート」のお墓です。引用禁止なのでリンク先から見てください、一番上の写真です。

なぜこのお墓を取り上げたのかわかりますか?
まずこのお墓で「お墓の本体」の部分は、
帽子
蝶と英文がが彫刻してある石
ウェスタンブーツの後ろの四角の石

これが「お墓本体」です。

「納骨室(カロート)」の部分は
ウェスタンブーツの下の前後に割れてる天板
その下の立上りの石
一番下の石

これが「納骨室(カロート)」です。
ブーツは花立なのでお墓ではなく、付属品です。

このお墓には問題があります、どこか分かりますか?


答えを言ってしまいますが、
ウェスタンブーツの下の前後に割れてる天板です、これが問題有りです。
この石は写真で見れば分かりますが、前後に2つに割れていますよね。
ここが問題なのです。
納骨室の天板にあたる部分の石がつなぎ目のない一体の石ではなく、2つに割れていることが問題です。

関東の民営墓地の指定業者の「見積書」には、「お墓」と「カロート」という2つの項目しか書いてなかったのでビックリしました。

富山県の地上カロートのお墓を見てみましょう。

全優石のニューデザイン大賞のお墓と見比べてください。
石は2つに割れてはいません、一枚石です。以降この石を「笠石」と呼びます。
富山ではこういうお墓を建てる事はありません。

今から30年以上も前の昭和50年代に、富山のお墓で笠石が2つに割れたお墓が建てられたのですが、案の定セメントの目地が取れてしまって納骨室が水浸しになりました。
そういう修理をいくつも手がけてきました、私の実体験です。

数年でセメントの目地は取れて納骨室が水浸しになるので、たまったもんじゃありません。すぐに修理です。

修理内容は


  • 住職さんに頼んで「魂抜き」をしてもらう。
  • お墓の中のお骨をいったん全て取り出す。
  • お墓と笠石まで解体する。
  • 笠石を新しく作って取り替える。
  • お墓を組み上げる。
  • 住職さんに頼んで「魂入れ=開眼供養」をする。

全優石のお墓の場合は、埼玉の民営墓地のようですが、なぜ2つに割る必要があったのでしょうか? 才数は変わりないのですから。
山奥で三叉を使わないとお墓を建てられないのならいざしらず、カニクレーンが横付け出来る現場なのになぜ割ってあるのでしょうか?
まったく理解に苦しみます。

修理に必要な金額


  • 人件費と施工費で20~40万円ほど
  • 新しく作った笠石(納骨室の天板)は都会なら50~70万円、石によっては100万円以上
  • 魂抜きと魂入れの「お布施」

少なく見積もっても100万円はかかるでしょうね。
これが余分な出費となります。

関東の石材店のほとんどがお墓を建てる時は「ボンド」を使用します。しかしほんの僅かですが今でもセメントを使用してる石材店もあります。
民営墓地の指定業者になってる石材店であれば「ボンド」を使用してお墓を建ててると思います。
石材店は「ボンド」は絶対に大丈夫だといいます。
それはウソではなくて本当に強力ではがれる事はありませんが、ボンドを使ってお墓を建てるようになったのは10年も経っていません。
数十年後の「ボンド工法」のお墓を誰も見た事がないのです。


石材店の保証書は通常は10年なので、数十年後の修理は有料になりますし、石そのものが無いかもしれません。
全優石のお墓の石はG663ではないかと思いますが、将来手に入る保証もありませんし元が切り上がったら国産石よりも高くなってしまうかもしれません。
納骨室の天板などはお墓にとって一番重要な石です。(もう一つ、納骨室の一番下の石も重要です)
その石がつなぎあわせってのは、、、、、
私なら絶対にこういう設計図は書きません。
このような知識は消費者にはありませんので、お墓を決める前や墓地を決める前にはこのブログの記事を読んでもらいたいなと思います。

全優石のお墓はもしかしたら納骨室が小さく、天板の割られてる箇所にまでいってないかもしれません。中を開けてみたわけではありませんので。ただつなぎ合わせはしない方がよいに決まってます。