週刊エコノミスト9/20特大号の特集、葬式と墓から
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葬儀代もお墓の見積もりのように「一式」という大雑把な見積もりが多い。
棺がいくらなのか、骨瓶がいくらなのか、霊柩車代がいくらなのか?など誰もしらない。
この記事にはわりと詳細に項目別に価格が書いてあるので参考になると思います。
葬儀予算を決める3ステップ 内訳を知って取捨選択する
予算を左右する。参列者の人数、葬儀式場、こだわり。「請求額が違う」というトラブルを防ぎ、満足いく葬式を検討したい。
市川 愛(葬儀相談員)
仏式葬儀にかかる値段や予算を考える際、「何を考えればいいのか、何から考えればいいのか」という人がほとんどだ。葬儀社の言うがままでなく自分の希望も伝える「本当の打ち合わせ」をするために、どんな選択肢をもち、事前に何を準備すればいいのかを、まず知る必要がある。
宗派の希望はもちろんだが、自分にあった予算で葬儀を執り行うためのポイントは、
①規模
②場所
③こだわり
の3つだ。この3つの要望をまとめてから葬儀社を選ぶと失敗を避けられる。
ステップ1 規模
ステップ2 場所
ステップ3 こだわり
記事略
中規模一般葬の価格の代表例(親族20人、参列者120人)
◆「葬儀一式費用」に含まれる代表的な項目
項目 | 価格 | 備考 |
---|---|---|
白木祭壇 | 50~100万 | 祭壇の規模による。葬儀社によっては「葬儀一式費用」に全てを含む場合がある |
花祭壇 | 60~100万 | 花の種類・飾り付けの豪華さによる |
棺 | 5~10万 | 材質・形状による |
骨瓶 | 1~2万 | 地域によっては火葬場での購入となるが、支払先は葬儀社が一般的 |
ドライアイス | 8千~1万5千円(1日あたり) | 安置日数分 |
遺影写真 | 2~4万 | カラー四つ切、パネル含む |
枕飾り | 2~3万 | 49日法要まで遺骨を自宅で安置する「後飾り壇」も兼ねる |
白木位牌 | 3千~5千 | 49日法要までに「本位牌」に変更するが、支払先は仏具店 |
案内看板 | 3千~5千(1枚あたり) | 必要な場合のみ |
諸経費 | 5~10万 | 設営等の人件費が主。司会進行が含まれることもある |
司会進行 | 3~6万 | プロの司会者に依頼する場合 |
◆「飲食接待費用」に含まれる代表的な項目
項目 | 価格 | 備考 |
---|---|---|
飲食通夜料理 | 25~40万 | 料理内容による。「通夜振る舞い」の習慣がない地域は親族分のみ |
飲食精進落し | 8~10万 | 料理内容による |
返礼品 | 2千~3千(1人あたり) | 「当日返し」の場合のみ |
会葬御礼品 | 5百~千円(1人あたり) | 返礼品に含める場合もある |
会葬礼状 | 1万~1万5千円 | 注文は基本的に50、100単位 |
◆「実費に含まれる代表的な項目
項目 | 価格 | 備考 |
---|---|---|
式場利用料 | 5~40万 | 葬儀社の自社式場、公営の貸し式場など運営母体および会場の価格設定による |
火葬料 | 0~5万 | 地域、運営母体による。公営であれば無料のところも |
搬送車両 | 2~3万 | 病院から安置場所・式場までの距離による |
霊柩車 | 2~5万 | 車種・距離による。火葬場と葬儀式場が同じ場合、必要ないことも |
マイクロバス | 3~5万 | 参列者や親族の輸送に必要な場合 |
葬儀費用の目安
葬儀費用の見積もりをする時、つい総額だけを見て納得しがちだが、重要なのは「葬儀費用のかかり方を」を知ることだ。各項目の意味を理解し内容をつかめば「最初に言われた金額と請求額が違う」というようなトラブルも避けられるからだ。
まず葬儀にかかる総費用は、
①「葬儀一式費用」
②「飲食接待費用」など実費
③お布施などの「宗教費用」
の大きく3つの項目からなっている。
「葬儀一式80万円」などの広告もあるが葬儀社がいう「一式」とは主に①の部分の祭壇飾り一式・棺・人件費などで「葬儀本体に必要な項目のみ」というのが一般的だ。
そのため②の飲食・返礼品・式場利用・火葬料・車両関係費用などは実費として、葬儀一式の金額に加えて請求される。これらの実費の存在を知らないために、トラブルとなってしまうのだ。
さらに③の寺院へのお布施など「宗教費用」は「費用でない」ともいわれ、葬儀社の支払いには含まれない。しかし現実には家計から現金が出ていくことになるため、予算の中に含めて考える必要がある。
それでも実際に葬儀見積もりを目にした時多くの人が戸惑う。それは葬儀社の価格設定や見積のフォーマットによっても価格表示が大きく変わるためだ。しかし、一般的な葬儀社は「葬儀」「葬儀費用一式」の中に祭壇、棺、人件費などが含まれる。一方、飲食接待費用や会葬返礼品などは、かかった分の「実費」扱いとなる。
支出だけではない。一般葬の場合は香典による収入もある。香典額は平均7000円前後とも言われていて、120人の参列者なら約80万円の香典収入が見込める。
葬儀費用と香典収入の差額が、遺族の家計からの持ち出しとなる。葬儀の見積もりを取った際には、香典収入がどれくらいかを予測すると予算が立てやすいだろう。
多少の地域差はあると思いますが、市川さんは葬儀の料金を項目別に出してくれてます。
これまでの記事は事前に準備をしておいたほうが良いというものですが、突然の事故死など家族にとって大事な人が亡くなった場合は葬儀社の見積もりがどんな金額であろうが確認できる状態ではありません。
そういう精神状態の時には冷静な判断をしろというのが無理なわけで、近親者に信頼できる人がいれば交渉を頼んでも良いと思います。
私がお悔やみ営業でご子息を亡くされたお宅に訪問した場合、まったく話になる状態ではなくお悔やみの言葉をおいて帰ってきた事は何回もあります。
私が訪問したのは葬儀終了の数日後です。数日後でさえも満足な話が出来ないのに、これから葬儀を行うという喪主の立場で見積書を見せられても正確に判断できるものではないので、多くの場合、出された見積書をそのまま契約することになります。
かつて東京の葬儀社が特定の病院に年間5000万円もの寄付をしていて問題になった事があります。
私の知人に何人か看護師さんがいますが、彼女たちは病院で患者さんが亡くなった場合、ほとんどの人が葬儀社を決めていないので、葬儀社に電話をかけて病院にきてもらうと話してくれました。
互助会にでも入っていなければ、葬儀社を決めてる人はほとんどいないかもしれません。
圧倒的に葬儀社が優位な立場にいるわけですから、適正な価格を表示して欲しいと願うだけです。