都会の民営墓地の客取り
葬儀屋の葬祭場や貸衣装屋の結婚式場などと同じように石材店は墓地を開発します。
大きな石材店でなければ数社合同で墓地を開発して区画を分けます。
地方都市の場合などは「墓地の売り出し」なども共同で新聞にチラシをいれたりして「墓地の即売会」を開催します。(永代使用権ですが)
お客様は自由に石材店を選べません
新聞にチラシが入って墓地を見学にいったとします。そうするとスーツ姿の営業マンが近づいてきて
「どこかの石材店さんと話を進めてるんですか?」とか
「チラシを持ってきてるんですか?」と聞かれます。
「いいえ」と答えた瞬間にあなたの担当者は、その営業マンに決まってしまいます。
数社共同で開発した墓地の場合は「順番に客を取る」という協定をお客様の知らないところで勝手に決められています。
都会においては来園者の応対はその日ごとに担当の石材店の営業マンが常駐しています。
フリーのお客様をどうやって掴むかが営業マンの成績に直結するので必死です。
その営業マンに30分くらい話しを聞いて帰ろうとすると、おもむろにアンケート用紙を出して記入してくれと言われるハズです。
「こんなとこに書いたら、あなたはしょっちゅう家に来るんでしょ?」
「いえいえ、そんな事はありません。今後の資料にしてお客様がどんなお墓を求めていらっしゃるのか勉強したいだけです。」
そしてあなたはアンケート用紙にいろんな事を書いてしまいます。
はい、三日後くらいのその営業マンがあなたの自宅にやってまいります。
アンケート用紙に記入を求めるのはあなたの住所を知りたいとともに、共同開発した他の石材店に「こちらのお客様はわたしのお客さんです」と自分の担当の客だとアピールする為です。
このお客様が別の日に再度墓地を訪れたとしても最初の営業マンに話を聞いてアンケートを記入してしまったらもう石材店はかえられません。
それが各石材店の協定なのですから。
民営墓地は指定業者が決まっているので、その墓地でお墓を建てる時はどうしても指定業者でお墓を建てないといけないのです。
この石材店によるお客さんの取り合いって、けっこう凄いんです。お客様には何の関係もないんですけど。