●『救援物資を送ろう』メール? | マンションってたのしいなぁ

マンションってたのしいなぁ

元不動産会社社員・ホームインスペクター・自宅マンション理事・主婦・母・・・それぞれの立場で思った不動産・マンションのことをいろいろと。



近代になってから最大規模の地震。
あの津波の映像を見ると、建物の耐震性だけではどうにもならず、人が災害から100%逃れる術はないものなのか・・・と思ってしまいます。

亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災されている方、ご家族が被災されている方々には一日も早い安息が来ることを願います。



そんな中、母親から相談が来ました。「携帯のメール転送って、どうやるの?」
母の兄嫁(私の伯母)から、多くの人にメールで転送してというメールが来た、というのです。



内容を聞くと、防衛省に勤める人の家族からの、今被災地では物資が不足しているので以下の場所に以下のものを送って欲しい、とかなり具体的に書かれたメール。
伯母も、誰かから拡散でもらったようで、その人が誰なのかすでにわかりません。

物資の送付先には、福島県庁はじめ、被災地近くの省庁住所が書かれていて、防衛省の連絡先なんかもあったとかで、親は公式の支援要請だと思ったとか。
(私はメールまだ見てないので、聞いた話ですが)



とりあえず、母に転送するのをやめるよう言いました。
また、書かれた物資を庁舎に送るつもりだったようなので、それも止めました。



書かれたものが被災地で足りないことはきっと真実。
このメールを最初に書いた方は、本当に、自衛隊の方のご家族など、現場の声を聞いた方で、もとは善意のメールであることを疑う気はありません。


ただ・・・新潟県中越地震などのときも、各地・各個人から一方的に「必要だろう」と思って送られてきた物資が届き、受け取る側の行政が人手不足、置き場所不足で大変だったというニュースを見たことを思い出したのです。
物が送られてきたことで、いまやるべきことが阻害される可能性はないのだろうかと疑問が湧きました。



そこで、だったら本丸に聞いてみるか、とそれこそ防衛省で働く友人にこのことをメールで聞いてみました。
母だけでなく、私も支援はしたい。
「物資を個人が直接送るのは、いま適切な行為なのだろうか」


やはり、答えは私の予想通りでした。
防衛省・自衛隊・自治体から、救援物資送付を国民に向かって呼びかける予定はないとのこと。
(今後はわかりませんが)
メールの拡散はやめて、今は公式に出ている義援金などへの募金にして欲しいということでした。



きっと、現場は防寒着1着、オムツ1つでも欲しいと思う。
でも、どうやって輸送するのか、受け取る側にはいつ連絡するのか、どの地域が最優先なのか・・・そういったことは、今災害対応しているプロたちにゆだねることが、私たちができる支援です。

こんなときです、悪意で情報を流す人は少ないと思いますが、結果として現場の混乱を招かないよう、注意が必要だと思った出来事でした。



なお、今後も余震が続くでしょう。
古い木造家屋(鉄筋コンクリートもですが)は、繰り返し強震が続くことで建物強度が下がることもあります。

壁に多数の亀裂が入っていたり、一部変形しているときなどは専門家に相談したり、その時間も惜しい場合は避難助に移動することを検討しましょう。
亀裂が多く入った家は、長時間雨が降ると、亀裂から入った水で木材が濡れて、強震に耐えられなくなっていることもあります。
毎日、家の変化(変形や亀裂の増え方など)を観察しておいたほうがいいです。



何よりも、もう大きな地震が起きませんように・・・。