成年後見人は、家庭裁判所に対し、年1回後見事務報告を行います。
その際に、報酬付与の申立てを行うことができます。
申立人に対し,相当額の報酬を与えるとの審判を求める。
という申立てです。
「相当額」っていったいいくらなの?と不思議に思うかもしれませんが、
それは裁判官が決めます。⇒成年後見人等の報酬額のめやす
報酬付与申立ては義務ではありませんので、親族後見人等で「報酬なんていらない」と思う方は、報酬付与の申立てをする必要はありません。
ただ、報酬をもらわないからといって成年後見人としての責任が軽くなるわけではないのは注意が必要です。
私が監督人になる場合は、仕事としての意識を持ってもらうために、親族後見人にも報酬付与申立てをするように勧めるようにしています。
報酬額が記載された審判書が裁判所から届いたら、被後見人の財産から報酬を受領します。
では、被後見人の財産が少ない場合はどうすればいいでしょうか。
今年は被後見人の財産が少ないので、報酬付与申立ては行わず、翌年相続等で被後見人の財産が増えたら2年分の報酬付与申立てを行うということもできます。
また、被後見人の財産が少なくてもとりあえず報酬付与申立てをして審判を得たうえで、いずれ財産ができてから報酬を受領するということもできます。
それから、目安よりも低い額の報酬を付与してもらうこともできます。
私が以前経験したケースで、被後見人が亡くなられて、財産がわずかに残ったので、その残った財産の範囲内で報酬を付与してもらったことがあります。
その場合には、申立ての際に、裁判所に上申書でその旨を伝えておきます。
では、将来的にも報酬を受領できる見込みがない場合はどうすればいいでしょうか。
これについては、各市区町村で報酬助成の制度を設けている場合があります。
(例)新宿区の報酬助成制度⇒コチラ
ただ、各市区町村によって助成を受けられる要件が異なりますし、そもそも制度がない自治体もあります。
各市区町村で報酬の助成を受けられない場合には、リーガルサポートの公益信託 成年後見助成基金へ応募するという方法もあります。
司法書士に限らず応募することができます。
この基金から、平成27年度に、473件 55,982,492円もの報酬助成を行ったそうです。⇒コチラ
ちょうど今第17回の募集を行っているようですので、チェックしてみてくださいね。
公益信託 成年後見助成基金第17回 募集要項⇒コチラ
平成29年4月28日(金)必着
(東京ジェイ法律事務所 司法書士 野村真美)
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